一般演題(口演)33
小細胞癌の治療3
座長:横田総一郎(独立行政法人国立病院機構刀根山病院)
O-159.進展型小細胞肺癌におけるシスプラチン+イリノテカン+PSK併用療法の多施設共同臨床試験
三輪 敏郎1・菓子井達彦1・林  龍二2・木下 一郎3・大泉 聡史4・中川  研5・長瀬 清亮6・明石 雄策7・高田  實8・岩本 康男9・坪井 正博10
富山大学附属病院 臨床腫瘍部1;富山大学附属病院 第1内科2;北海道大学病院 腫瘍内科3;北海道大学病院 第1内科4;金沢医科大学 呼吸器内科5;東京医科大学 呼吸器外科6;近畿大学医学部奈良病院 腫瘍内科7;近畿大学医学部堺病院 腫瘍内科(現 医療法人西村会 向陽病院)8;広島市民病院 腫瘍内科9;横浜市立大学 呼吸器病センター10

【背景】PSK(polysaccharide-K,クレスチン)はカワラタケの菌糸体より得られる蛋白質結合多糖体で免疫系の活性化により抗悪性腫瘍効果を表す.その効能・効果として小細胞肺癌(SCLC)に対する化学療法との併用による奏効期間の延長が認められているが,シスプラチンを含む化学療法との併用による効果の検討は少ない.【目的】進展型(ED)SCLCにおけるシスプラチン/イリノテカンとPSK併用療法の効果および安全性を検討する.【対象】75歳未満,PS0-1,評価可能病変および十分な臓器機能を有し,インフォームド・コンセントが得られたED-SCLC症例.【方法】シスプラチン60mg/m2(day1)とイリノテカン60mg/m2(day1,8,15)は4週毎に4-6サイクル,PSKは1日3gを連日投与する.化学療法終了後もPSKの投与を継続し,増悪後の2次治療にも併用する.【結果】2008年1月から2010年7月までに17例が登録され,14例で効果が評価可能であった.奏効率は83%,1年生存率66.5%,2年生存率は33.2%であった.主な毒性は下痢,骨髄抑制で,PSK併用による特有な毒性は認められなかった.【結論】シスプラチン/イリノテカンとPSK併用療法は,ED-SCLCにおいて認容性にすぐれた有用な治療法となる可能性がある.
第53回日本肺癌学会総会 2012年11月開催

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