一般演題(ポスター)15
副作用対策化学療法1
座長:工藤 新三(大阪市立大学医学部 呼吸器内科)
P-75.当院におけるshort hydrationによる外来シスプラチンレジメンの検討
澤井 裕介1,2・横井  崇1,2・鳥居芳太郎1,2・片芝 雄一1,2・尾形  誠2・二木麻衣子1,2・山中 雄太2・札谷 直子2・玉置 岳史2・清水 俊樹2・倉田 宝保1,2・宮良 高維2・野村 昌作1,2
関西医科大学附属枚方病院 呼吸器腫瘍内科1;関西医科大学 内科学第一講座2

【背景】様々な薬剤の登場により肺癌の化学療法は多様化しているが,シスプラチン(CDDP)は現在においてもkey drugである.しかしCDDPによる腎障害を予防する目的で長時間にわたる大量の輸液を施行することが一般的で,外来化学療法への移行の妨げとなっている.一方,近年short hydrationによるCDDPレジメンの良好な認容性が数多く報告されるようになっており,当院でのshort hydrationを使用した外来CDDPレジメンの安全性をレトロスペクティブに検討した.【方法】関西医科大学附属枚方病院で2011年12月から2012年12月の間にshort hydrationにて外来CDDPレジメンを投与し,データが解析可能な11例をレトロスペクティブに解析した.【結果】年齢中央値:65歳(52-76歳).使用レジメンはCDDP+CPT-11:4例,CDDP+Gem:2例,CDDP+VNR:2例,CDDP+TS-1:1例,CDDP+DTX:1例,CDDP+Pem:1例.CDDPレジメン投与コース数中央値:4コース.有害事象としての腎機能障害はGrade1のクレアチニン値上昇が3例のみであった.【考察】当院の外来CDDPレジメンでは,前日から積極的な飲水を促し,当日はCDDP投与前後にMg含有ブドウ糖加酢酸リンゲル液を1000ml負荷しているのみで強制利尿は施行していないが,いずれの症例もクレアチニン値上昇は軽度であった.解析症例の年齢中央値は比較的低いものの,Mg含有ブドウ糖加酢酸リンゲル液を使用したshort hydrationの認容性は良好であると考える.
第54回日本肺癌学会総会 2013年11月開催

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