Oral Session24
小細胞肺がん
座長:根來 俊一1, 益田 典幸2, ディスカッサント:工藤 慶太3(兵庫県立がんセンター腫瘍内科1, 北里大学医学部呼吸器内科2, 近畿大学医学部腫瘍内科3
O-108.ED-SCLCに対するCBDCA/CPT併用療法とCBDCA/CPT併用療法の無作為化II相試験(NJLCG0901)
原田 敏之1・森川 直人2・菅原 俊一3・前門戸 任4・原田 眞雄5・井上  彰6・藤田 結花7・加藤 晃史8・横内  浩9・貫和 敏博10
JCHO北海道病院1;岩手医科大学2;仙台厚生病院3;宮城県立がんセンター4;北海道がんセンター5;東北大学病院6;旭川医療センター7;神奈川県立循環器呼吸器病センター8;福島医科大学9;みやぎ県南中核病院10

背景:未治療の進展型小細胞肺癌(ED-SCLC)に対しては,シスプラチン併用療法が標準治療である.シスプラチンの投与が困難な患者にはカルボプラチン(CBDCA)+エトポシド(CE)療法が行われるが,その効果は満足がいくものではない.CBDCA併用レジメンとしては,CBDCA+イリノテカン(CPT)療法やCBDCA+アムルビシン(AMR)療法の有用性が示されており,いずれのレジメンがCEとの比較試験に進む上で適当かを検討するのが本試験の目的である.方法:未治療のED-SCLC患者が,CI群:CBDCA(AUC 5.0,day1)+CPT(70 mg/m2,day1,8),CA群:CBDCA(AUC 4.0,day 1)+AMR(35 mg/m2,day 1-3),各3週間毎,4-6サイクル,のいずれかに割付けられた.主要評価項目は奏効率(ORR),副次的評価項目は無増悪生存期間(PFS)と安全性とした.閾値奏効率60%,期待奏効率80%,αエラー=0.05,βエラー=0.20とし,各群35例が必要とされた.結果:2009年12月から2013年3月まで71名(CI群35例,CA群36例)が登録された.患者背景は年齢中央値70歳,男性が84%,PS2が9%であった.ORRとPFS中央値はCI群で79%と5.1ヶ月,CA群で89%と6.2ヶ月であった.Grade3以上の毒性は,好中球減少(CI 53%,CA 89%),貧血(CI 26%,CA 20%),血小板減少(CI 18%,CA 14%),発熱性好中球減少症(CI 12%,CA 29%)であり,治療関連死は認めなかった.結語:CAはCIより有効性が高く安全性も許容範囲内であり,PhaseIIIのArmとして有望と考える.
第55回日本肺癌学会総会 2014年11月開催

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