Oral Session24
小細胞肺がん
座長:根來 俊一1, 益田 典幸2, ディスカッサント:工藤 慶太3(兵庫県立がんセンター腫瘍内科1, 北里大学医学部呼吸器内科2, 近畿大学医学部腫瘍内科3
O-111.高齢者LD-SCLCに対するシスプラチン分割投与+エトポシドと胸部加速過分割照射同時併用療法の第Ι相試験
岡本 邦男1・岡本  勇2・武田 昌幸3・武田 晃司4・中松 清志5・小林 真也4・林  秀敏1・西村 恭昌5・中川 和彦3
市立岸和田市民病院腫瘍内科1;九州大学病院ARO次世代医療センター2;近畿大学医学部附属病院内科学腫瘍内科部門3;大阪市立総合医療センター臨床腫瘍科4;近畿大学医学部附属病院放射線治療科5

【目的】限局型所小細胞肺癌の標準的治療はシスプラチン+エトポシドと胸部放射線加速過分割照射併用療法である.しかし高齢者限局型小細胞肺癌における適切な治療の検討は不十分である.そこで我々は高齢者限局型小細胞肺癌に対するシスプラチン分割投与+エトポシドと胸部放射線加速過分割照射同時併用療法の第Ι相試験を計画した.【方法】70歳以上を高齢者と定義し症例集積を行った.化学療法はシスプラチン20-25mg/m2,day1-3+エトポシド80 mg/m2,day1-3とし,放射線治療は加速過分割照射を化学療法day1から併用することとした.【成績】12例の症例登録があり平均年齢は76歳(範囲:70-85歳)であり半数の症例は75歳以上であった.レベル1で2例(低Na血症grade4,心筋虚血grade3),レベル2で3例(消化管穿孔grade3,発熱性好中球減少grade3,低Na血症grade3)のDLTが認められた.骨髄抑制は高度であったが非血液毒性はほとんどがgrade1-2で軽度であった.【結論】結果としてMTDはレベル1:シスプラチン20mg/m2,day1-3+エトポシド80mg/m2,day1-3であった.高齢者限局型小細胞肺がんに対するシスプラチン分割投与+エトポシドと胸部放射線加速過分割照射同時併用療法は標準治療と比較して忍容性が高いのではないかと考えられた.
第55回日本肺癌学会総会 2014年11月開催

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