一般演題(ポスター)10
若年者肺癌 1
座長:池田 拓也(市立四日市病院呼吸器内科)
P-1-65.当院で経験した若年性肺癌切除例17例の臨床的検討
名部 裕介・今西 直子・由良冴希子・小山倫太郎・小林 健一・松宮 弘喜・平良 彰浩・桑田 泰治・竹中  賢・近石 泰弘・岡  壮一・平井 文子・米田 和恵・田嶋 裕子・黒田 耕志・田中 文啓
産業医科大学第2外科

【背景・目的】若年者肺癌はまれである.当院で経験した若年性肺癌症例18例の内,手術治療を行った17例の臨床的背景について検討した.【対象・方法】当院において2005年4月から2016年5月までの原発性肺癌切除例1548例のうち,若年者肺癌切除例17例(1%)において後方視的に臨床背景について検討した.若年者肺癌の定義は40歳未満での発症の肺癌とした.予後はKaplan-Meier法を用いて算出した.【結果】平均31.2歳(18-39歳)で,男性8例,女性9例であった.発見動機は,自覚症状が6例,他疾患フォロー中に発見されたのが7例,検診発見が4例であった.4例に肺癌以外の悪性腫瘍の治療歴があった.喫煙歴は10例に認めた.組織型は腺癌が10例,多形癌が2例,腺扁平上皮癌が1例,大細胞癌が1例,その他が3例であった.病理病期はIA期が10例,IB期が1例,IIA期が2例,IIIA期が2例,IIIB期が1例,IV期が1例であった.完全切除例は15例,不完全切除例は2例であった.死亡例は1例のみであり,病理病期IV期の不完全切除例であった.完全切除例は2例で再発を認めたが,全例生存中であり,その中には椎体浸潤を認めたIIIA期の進行肺癌が含まれていた.ALK融合遺伝子検査は7例に施行され,その内3例にALK融合遺伝子を認めた.予後は不完全切除例と比較して完全切除例で優位に延長を認めた(p=0.0455).【考察】若年者肺癌は予後が不良という報告があるが,完全切除が可能であれば生存期間の延長が期待できる可能性がある.若年者においても早期発見・早期診断が望まれる.
第57回日本肺癌学会学術集会 2016年12月開催

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