一般演題(ポスター)141
脳転移の治療 2
座長:武田 晃司(大阪市立総合医療センター腫瘍内科)
P-3-168.脳転移に対する初期治療としてelrotinib+bevacizmab併用療法を行った症例の検討
近石 泰弘・小林 健一・小山倫太郎・由良冴希子・松宮 弘喜・篠原 周一・平良 彰浩・名部 裕介・竹中  賢・岡  壮一・平井 文子・田嶋 裕子・米田 和恵・黒田 耕志・今西 直子・田中 文啓
産業医科大学第2外科

【はじめに】非小細胞肺癌の脳転移に対する初期治療として,一般的には放射線治療が行われることが多い.ただし,近年,新規抗がん剤や分子標的薬の出現により,脳転移に対する初期治療として抗癌剤が投与される症例も散見される.特に,EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌の脳転移に対しては,elritinib+bevacizmab(E+B)併用療法の有用性が示唆されている.【対象】当科において,EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌の脳転移に対する初期治療としてE+B併用療法を施行した6例【結果】男性2例,女性4例.術後再発が4例,初診時より脳転移を認めた症例が2例.L858R 4例,19 deletion 2例.脳転移の個数は3個以下が1例,4個以上が5例.無症状5例,有症状1例であり,有症状例に関しては,E+B投与後に症状の消失を認めた.3例が初回治療としてE+Bが投与されており,3例はgefitinibの投与後に脳転移を認めた症例であった.治療効果はCRが1例,PRが5例で前例に奏功を認めた.また,3例は脳以外の病巣も含めてコントロールされており,残りの3例は病勢の増悪を認めたが,病勢の増悪を認めた時点で,脳転移巣に関しては縮小が維持されていた.病勢の増悪を認めた3例のうちの2例は倦怠感などの副作用で休薬し,erlotinibを100mgに減量した後に増悪を認めていた.【まとめ】EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌の脳転移に対する初期治療としてE+B療法は有効な治療方法と思われる.
第57回日本肺癌学会学術集会 2016年12月開催

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