一般演題(口演)8
免疫チェックポイント阻害剤(施設の治療成績)
座長:三浦  理(新潟県立がんセンター新潟病院内科)
O8-5.当科における再発・進行非小細胞肺癌に対するNivolumabの使用経験
*平良 彰浩・近石 泰弘・小林 健一・由良 冴希子・松宮 弘喜・金山 雅俊・名部 裕介・篠原 伸二・桑田 泰治・竹中  賢・岡  壮一・平井 文子・米田 和恵・黒田 耕志・今西 直子・市来 嘉伸・田中 文啓
産業医科大学第2外科

【はじめに】Nivolumabは免疫チェックポイント阻害剤とよばれる抗PD-1抗体でありCheckMate017および057試験において進行・再発非小細胞肺癌(NSCLC)に対して2次治療以降での有効性が示されている.さらにNivolumabは2015年12月にNSCLCにおいて承認され,2016年2月にDPC診療報酬群分類において出来高算定による保険請求・償還が可能になった.また,2016年のガイドラインにおいて,driver mutationがなく,一次治療としてPembrolizumab未使用例では,進行・再発NSCLCに対する2次治療として,PD-1阻害剤の使用がグレードAとして推奨されている.【目的・方法】2016年2月以降に当科においてどのような症例にNivolumabが導入されたか,またそれらの症例の臨床情報に関して後方視的に検討する.【対象】2016年2月から2017年1月の1年間に当科においてNivolumabを使用した12例.【結果】男女比は8:4,年齢は45-79歳(中央値71.5歳),組織型は腺癌/扁平上皮癌=8例/4例,手術有/無=11例/1例,PS 0/1/2/3=4例/4例/2例/2例,2次治療/3次治療/4次治療以降は4例/5例/6例であった.また,治療成績は投与後の全生存率はMST=167日,扁平上皮癌で予後不良であった(P=0.002).投与回数は1~12回(中央値4回)であり,1例に間質性肺炎の急性増悪を認め,画像上のPRを得たのは2例であった.【まとめ】今回の検討では,過去の検討よりもやや予後が悪い傾向にあった.個々の症例も提示しながら報告する.
第58回日本肺癌学会学術集会 2017年10月開催

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