33.稀な肺過誤腫の1例
おんが病院呼吸器外科
市来 嘉伸
同 外科
川崎 淳司, 濱津 隆之, 杉町 圭蔵
同 救急科
末廣 剛敏
産業医科大学呼吸器・胸部外科
田中 文啓

【はじめに】肺過誤腫の多くは軟骨性であり平滑筋由来のものは稀である.今回,肺線維平滑筋腫性過誤腫の1例を経験したので報告する.【症例】68歳男性.胸部X線で右肺異常影を指摘され,当科紹介.CT上,右肺S2に境界明瞭な結節を認めた.気管支鏡検査にて診断に至らず,胸腔鏡下肺生検施行.術中迅速組織診で平滑筋腫等の良性腫瘍が疑われた.術後合併症なく退院.最終病理診断で,線維平滑筋腫性過誤腫の診断であった.【考察】肺の平滑筋腫性病変は3つに分類される.第1群は子宮筋腫の転移によるもの,第2群は子宮以外の平滑筋腫の転移によるもの,第3群は転移性でないもの(線維平滑筋腫性過誤腫)である.【結語】稀な肺線維平滑筋腫性過誤腫の1例を経験した.

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