87.肺癌におけるSalvage surgeryの検討
産業医科大学医学部第2外科
岡 壮一, 黒田 耕志, 田中 文啓

【はじめに】進行肺癌や小細胞肺癌は化学療法等が行われ手術が行われる症例は少ない.大腸癌や食道癌の分野では一部の対象に対してSalvage surgeryが行われている.肺癌ではSalvage surgeryの報告は少ない.当科でSalvage surgeryについて手術の安全性と有効性を検討した.【方法と結果】2011年1月~2015年8月の間.原発性肺癌切除症例825例中,Salvage surgeryを要した23例(2.8%)について検討した.男性14例.組織型は腺癌16,小細胞癌3,扁平上皮癌2,多形癌1,カルチノイド1例であった.治療前病期はstage IIB 1,IIIA 9,IIIB 5,IV 8例であった.術式は拡大手術9,片肺全摘1,肺葉切除9,区域切除2,腫瘤摘出1,試験開胸1例であった.手術時間および術中出血の中央値はそれぞれ180 min,252 mlであった.術関連死はなく全例安全に手術を遂行できた.【考察】肺癌に対するSalvage surgeryは適切に症例を選択すれば許容されうる可能性がある.

特定非営利活動法人日本肺癌学会 The Japan Lung Cancer Society
© 日本肺癌学会 All rights reserved.