90.口径差の大きな気管支形成術を行った肺癌の2例
飯塚病院呼吸器外科
西澤 夏將, 大崎 敏弘, 金山 雅俊, 鳥井ヶ原 幸博, 中川 誠, 宗 知子, 小舘 満太郎

【症例1】76歳男性.間質性肺炎合併の左下葉扁平上皮癌(cT3N1M0,pT3N2M0)に対して左舌区・下葉管状切除術を施行した.左主気管支と左上区気管支を4-0モノフィラメント糸を用いて全周全層結節縫合(内腔結紮3針)で縫合糸の間隔を調節しながら端々吻合,心膜脂肪織で被覆した.術後吻合部合併症はなかったが,IP急性増悪のため人工呼吸,ステロイド治療を要した.術後42日目に自宅退院となった.【症例2】61歳男性.右下葉扁平上皮癌(cT2aN1M0,pT3N2M0)に対して右中葉・下葉管状切除術を施行した.右主気管支と右上葉気管支を症例1と同じ手技で端々吻合,心膜脂肪織で被覆した.術後吻合部合併症なく,CDDP+VNR 4コース施行した.2例とも口径差を揃えるための口側の膜様部縫縮などの手技なしで吻合可能であった.

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