99.前縦隔に発生した成熟嚢胞性奇形腫の1例
産業医科大学医学部第2外科
小山 倫太郎, 近石 泰弘, 由良 冴希子, 小林 健一, 松宮 弘喜, 篠原 周一, 桑田 泰治, 竹中 賢, 岡 壮一, 田嶋 裕子, 永田 好香, 米田 和恵, 今西 直子, 黒田 耕志, 田中 文啓

症例は25歳男性.健診時胸部レントゲンで異常陰影を指摘され当院呼吸器内科紹介受診.胸部CTにて心臓に接して約3 cmの腫瘍を認めたため,手術加療目的に当科紹介受診となった.造影CTにて心膜に接して一部内部不均一な嚢胞性腫瘍が認められ,心膜嚢胞疑いで胸腔鏡下前縦隔腫瘍摘出術を施行した.腫瘍は嚢胞様で皮膚成分を認め,奇形腫が疑われた.その後の病理診断では成熟嚢胞性奇形腫との診断であった.今回,我々は若年男性の前縦隔に発生した成熟嚢胞性奇形腫を経験したため,文献的考察を加えて報告する.

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