119.悪性胸膜中皮腫に対して胸膜切除/肺剥皮術を施行し,長期生存の1例
産業医科大学第2外科
竹中 賢, 小山 倫太郎, 小林 健一, 由良 冴希子, 松宮 弘喜, 篠原 周一, 桑田 泰治, 岡 壮一, 近石 泰弘, 平井 文子, 黒田 耕志, 田嶋 裕子, 米田 和恵, 今西 直子, 永田 好香, 田中 文啓

56歳女性.胸水貯留を契機に発見された上皮型悪性胸膜中皮腫(cT1bN0M0 stage IB).肺機能上は右胸膜肺全摘術が不可能であり,右胸膜切除/肺剥皮術を施行する方針となった.壁側胸膜の全切除後に臓側胸膜の剥皮に移ったが,胸膜は肉眼的にはほぼ正常であり,下葉の臓側胸膜剥皮と上中葉の生検のみで終了した.病理所見は肺実質や胸壁への浸潤は認めなかった(pT1bN0M0 stage IB)が,上中葉の生検した臓側胸膜も上皮型悪性胸膜中皮腫の所見であった.本症例の術後経過も含めて報告する.

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