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ALK遺伝子検査におけるFISH法と高感度IHC法による検査結果の不一致について(2012.10.31改訂)

NPO法人肺癌学会会員各位
 
クリゾチニブ(ザーコリカプセル)の使用に関するALK遺伝子検査について
肺癌学会バイオマーカー委員会は2011年12月に
”肺癌患者におけるALK遺伝子検査の手引き”
http://www.haigan.gr.jp/uploads/files/photos/366.pdf
を策定し会員の皆様の診療の参考にしていただいておりました。
この中ではALKの検査は、高感度IHC法でスクリーニングし陽性検体をFISHで確認するアルゴリズムを推奨しております。

一方、クリゾチニブの製造販売承認から薬価基準収載までの期間(2012.4.4-5.28)、ファイザー社よりALK融合遺伝子検査結果が提供されました。
今回その解析の結果、FISHと高感度IHC法が両方行われた2337検体中、両者の不一致が48検体存在することが明らかになりました。
特に、FISH陽性検体249検体中、高感度IHC陰性が36例存在し、
FISH法を標準検査と考えた場合、高感度IHC法の感度は86%に過ぎないことになります。

今回の結果は手引きのアルゴリズムでは少なからぬ症例が見逃され、クリゾチニブによる貴重な治療の機会を逸する可能性があることを示しています。
もちろんFISHの偽陽性の可能性も以前から指摘されており、現時点ではどちらが正しいかは不明です。
このため検体提出施設に標本の再提出をお願いし不一致の原因追及等を早急に行いたいと考えています。

結果があきらかになるまでの間、ALK診断アルゴリズムについての註記を作成し、HP上にアップしましたので、詳しいデータとともにご参照くださいますようお願いします。

 http://www.haigan.gr.jp/uploads/files/photos/519.pdf
   ※10月31日 微修正を行いました。

2012年10月19日
NPO法人日本肺癌学会
 バイオマーカー委員会委員長 光冨徹哉
NPO法人日本肺癌学会
 理事長 中西洋一

 


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