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 IASLCニュースレター要約:日本語版

IASLCニュースレター要約:日本語版(日本肺癌学会渉外委員会監修)を
掲載させていただきます。     
                       日本肺癌学会渉外委員会

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NLSTの結果およびそれに関連したIASLC Statement に関する日本肺癌学会のコメント

肺癌は本邦のがん死亡の第1位を占めており、その克服は国家的な急務である。わが国では肺がん検診を行っており、症例対照研究により有効性は示されているものの、その効果は1年しか続かないなど十分とは言えず、より効果の高い検診方法の開発が望まれている。低線量胸部CTによる肺がん検診は、その点で期待できるものの一つであったが、有効性を示す証拠はほぼ皆無であり2000年以降欧米で実施されてきたいくつかの有効性評価のための無作為化比較対照試験の結果が待たれていた。

 

201011月に米国国立がん研究所が実施した
National Lung Screening Trial (NLST)の結果速報が公表され、さらに20116月に論文発表された。
その結果は以下のようなものである。

 

5574歳の30 pack year以上の現在および過去喫煙者(喫煙指数600以上に相当)約53,000人を無作為に2群に振り分け、研究群には1年に1回、合計3回の低線量胸部CTによる肺がん検診を、
対照群には同様のスケジュールで胸部X線による肺がん検診を提供した結果、両群ともに平均で90%以上のコンプライアンス(受診率)が得られ、その後の両群のフォローにより研究群は対照群に比べて肺癌死亡率が20%減少し、全死因死亡率が7%減少することが示され、これらはいずれも有意な値であった。
がん死亡減少により研究の主要課題に対する答えが得られたため、この研究は予定より1年早く中止された。

 

NLSTは、肺癌死亡が有意に減少することを示した最初の無作為化比較対照試験であるが、これをもって即座に「対策型検診として我が国に導入すべきだ」とするのは尚早である。
その理由として、第1には、2011101日現在、論文化されたのは1編のみであり、詳細な内容にはまだ不明な点も少なくない。
全死亡に占める肺癌死亡の割合が高いこと、研究群の要精検率が20%以上と極めて高いこと、検診後早期の死亡例が少なくないことなど、まだまだ議論・解析すべき内容は多く、しばらくの間は有効性や不利益に関する議論が続くであろうと思われ、それを注視する必要がある。第2には、NLSTの有効性が示されたとしても、日本で有効とは限らない。数年後にはオランダ・ベルギーで行われている無作為化比較対照試験NELSONの結果が公表される予定であり、その結果が重要視されるべきであろう。
また、それらの結果を本邦に適用できるか否かの検討も必要である。第3には、NLSTは喫煙者の試験であるため、結果を非喫煙者には適用できない、という考えが主流である。非喫煙者に関しては別個の研究を計画する必要がある。

 

そのような問題は残るものの、NLSTの結果により低線量胸部CTによる肺がん検診が死亡率減少効果を有する可能性が高くなったことは事実であり、低線量胸部CTによる肺がん検診受診を希望する者は、医師と利益および不利益について十分な意見交換をした上で受診の可否を決定する(shared decision-making)ことが望ましいと思われる。

 

NLSTの結果を受けてIASLC(国際肺癌会議)がStatementを公表したが、それは日本肺癌学会の考え方の方向性とほぼ一致している。http://iaslc.org/policies/statement-on-ct-screening/

 

日本肺癌学会は、今後も低線量CT検診の有効性評価および不利益に関する研究に常に注目し、国民および医師・医療従事者に対して適切な情報を提供できるように努める。また、国内における有効性評価および不利益に関する研究を推進するよう努める。


                                   2011年10月12日

                   集団検診委員会

                   委員長 近藤 丘

                   

                   国際委員会

                   委員長 淺村尚生



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