一般演題(ポスター)25
肺外病変合併肺癌1
座長:野上 尚之(国立病院機構四国がんセンター 呼吸器内科)
P-142.抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)を発症した非小細胞肺癌の検討
西山 明宏・吉岡 弘鎮・堺  隆大・曽根 尚之・三島 祥平・福田  泰・高岩 卓也・池田  慧・興梠 陽平・桝田  元・丹羽  崇・岩破 将博・伊藤 明広・田中 麻紀・時岡 史明・橘  洋正・有田真知子・橋本  徹・石田  直
倉敷中央病院 呼吸器内科

【背景】悪性疾患や肺疾患,中枢性疾患,薬剤などはSIADHの原因となり得る.小細胞肺癌はSIADHを合併しやすいとされるが,非小細胞肺癌での合併はこれまでの報告によると0.7%と非常に少ない.【目的】非小細胞肺癌患者でSIADHと診断された症例の患者背景の検討.【方法】2009年1月から2012年4月までに,臨床診断を含めSIADHと診断した18例を検討.【結果】SIADHと診断された症例は18症例で全体の2.7%で,組織型の内訳は腺癌10例/NOS(Not Otherwised Specified)3例/大細胞癌2例/大細胞神経内分泌癌1例/扁平上皮癌1例/巨細胞癌1例,T2以上の腫瘍径を有するのは12例,肺内転移合併は8例,無気肺合併は5例,疑われてから4ヶ月以内に死亡したのは10例であった.【考察】原発巣の状況で無気肺を呈したり,脳転移などの中枢神経病変を合併したり,原因薬剤の麻薬や抗癌剤を使用するなど,非小細胞肺癌でも複合的にSIADHを合併する可能性があると思われる.【結語】今回の検討で従来の報告より非小細胞肺癌がSIADHを合併する頻度は多かった.またSIADHの発症は予後不良因子になる可能性があると思われる.
第53回日本肺癌学会総会 2012年11月開催

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