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肺癌治療とQOL
座長:()
P-616.PS不良患者に対する治療選択に影響する因子とは?
市川 靖子・夏目まいか・深澤 陽子・森  竜久・坂本 貴彦・丹沢  盛・本田  健・太田 修二・渡邊 清高・関  順彦
帝京大学医学部内科学講座腫瘍内科

【背景】進行再発肺がんの場合,化学療法が推奨されるのはPerformance Status(PS)良好症例である.しかしPS良好例と同等数のPS不良例を診療し,best supportive care(BSC)や減量を考慮した化学療法を行うことも少なくない.ECOG PSは,判断する者の主観が大きく影響する基準で,同一患者を異なる医療者で診断するとPSが変化する可能性が少なからずあると考えられる.また,PS2に対する標準化学療法は画一されたものではない.【目的及び方法】自験症例についてレトロスペクティブに,PS2の判断理由,癌そのものによるPS低下か,合併症に伴うPS低下か,PS低下の診断理由により治療選択に影響はあったかを明確にすることを目的として解析を行った.【結果】当科で2008年3月〜2013年11月までに診療した非小細胞肺がん患者225名中,PS2は30例,その中の20例に化学療法を施行していた.化学療法施行例中11例に初回治療として白金製剤併用化学療法を行い,白金製剤併用療法施行症例のPS2と判断した理由は,癌によるPS低下と診断される疼痛・胸水・脳転移の計7例が最多だった.【考察】PS低下症例の中で,化学療法可能な患者選択を行う因子については,当科では基本的に,癌によるPS低下であれば白金製剤併用化学療法を考慮し,合併症に伴うPS低下では単剤もしくはBSCを検討していた.高齢,重複癌,合併症はPS判断に影響する因子と考えていた.当科におけるデータと文献的考察を加えて,PS不良症例に対する化学療法施行患者の選択因子,単剤療法か併用療法かの選択因子について発表する.
第55回日本肺癌学会総会 2014年11月開催

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