一般演題(ポスター)168
症例報告 20
座長:張田 信吾(公立学校共済組合中国中央病院呼吸器内科)
P-3-367.黒色表皮腫を契機に診断に至った肺癌の1例
近藤 晴香・佐伯 和彦・井上 考司・中西 徳彦・森高 智典
愛媛県立中央病院呼吸器内科

 症例は67歳男性.顔面や四肢末梢優位に,皮膚の肥厚,色素沈着が見られるようになり,当院皮膚科を紹介受診した.左手背より皮膚生検を行い,黒色表皮腫と診断された.体重減少も認めていたことから,悪性腫瘍の合併が疑われ精査を行ったところ,右上葉胸膜直下にFDG集積亢進を伴う結節影と縦隔リンパ節腫大を認め,肺癌が強く疑われたため,精査加療目的に当科を紹介受診した.縦隔リンパ節に対してEBUS-TBNAを行い,低分化扁平上皮癌(cT1aN3M0,StageIIIB)と診断した.化学放射線療法を開始したところ,皮膚病変は著明に改善した.原発巣は縮小し,腫瘍マーカーも基準値内まで減少した.今回,黒色表皮腫を契機に診断に至った肺癌の1例を経験した.黒色表皮腫と診断された場合,悪性腫瘍の合併を考慮し,精査加療を行うことが必要と考えられた.
第57回日本肺癌学会学術集会 2016年12月開催

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