一般演題(ポスター)82
免疫療法(免疫チェックポイント阻害薬)11
座長:早田  宏(佐世保市総合医療センター呼吸器内科)
P82-5.免疫チェックポイント阻害薬を使用した進行・再発非小細胞肺癌の検討
*平良 彰浩・市来 嘉伸・吉松 克真・武田 伸行・草薙 佳澄・石田 輝明・小山倫太郎・松宮 弘喜・森  將鷹・金山 雅俊・名部 裕介・篠原 伸二・桑田 泰治・平井 文子・今西 直子・米田 和恵・田中 文啓
産業医科大学呼吸器・胸部外科

【はじめに】免疫チェックポイント阻害薬は,進行肺癌においても治療効果を発揮し,全生存期間の延長をもたらす優れた治療法である.その効果予測について様々な検討がなされているが,詳細については明らかでない.【対象・方法】2016年2月から2018年2月まで当院において抗PD-1抗体を使用した44例を対象に,後方視的に臨床病理学的因子と予後との相関を解析・検討した.【結果】性別は男性 38例,女性6例,年齢の中央値は71歳,組織型は扁平上皮癌29例,腺癌13例,その他2例であった.治療歴として,1st lineは7例,2nd lineは18例,3rd line以降は19例,PSは0-1が32例,PS 2以上は12例,喫煙歴は喫煙者は8例,非喫煙者は36例であった.全生存期間中央値は257日,無増悪生存期間中央値は144日であった.治療効果はCR 0例,PR 9例,SD11例,PD19例であった.奏効率23.1%,病態制御率 51.3%であった.Grade 3以上の重篤な免疫関連有害事象として,肺障害3例,肝障害1例,副腎不全1例を認めた.効果予測因子として,PS,組織型,PET(SUV値),白血球,好中球数,好中球/リンパ球比,アルブミンが独立した予測因子であった.NivolmabとPembrolizumabにおいて有意差は認めなかった.【まとめ】臨床背景因子に着目することで,奏功が期待できる患者群の選択に寄与できる可能性が示唆された.免疫チェックポイント阻害薬の特性を熟知し,効果的に用いていくことが重要と考えられる.
第59回日本肺癌学会学術集会 2018年11月開催

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