一般演題(口演)9
化学療法
座長:安宅 信二(国立病院機構近畿中央呼吸器センター臨床研究センター)
O9-1.化学療法未施行の肺扁平上皮癌に対するCBDCA+nab-PTX療法とCDDP+GEM療法のランダム化第II相試験:NJLCG1302
*渡邉 香奈1・川嶋 庸介2・原田 敏之3・藤田 結花4・中川  拓5・森川 直人6・高村  圭7・金沢 賢也8・久田 友哉9・臼井 一裕10・関根 朗雅11・井上  彰12・菅原 俊一2
宮城県立がんセンター呼吸器内科1;仙台厚生病院呼吸器内科2;JCHO北海道病院呼吸器内科3;旭川医療センター呼吸器内科4;大曲厚生医療センター呼吸器外科5;岩手医科大学呼吸器・アレルギー・膠原病内科分野6;帯広厚生病院呼吸器内科7;福島県立医科大学医学部呼吸器内科学講座8;那覇市立病院子空気内科9;NTT東日本関東病院呼吸器内科10;神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器内科11;東北大学緩和医療科12

【背景】CA031試験のサブセット解析において,肺扁平上皮癌へのCBDCA+nab-PTX(CnP)はCBDCA+PTXに対する奏効率(ORR)における優越性が示唆された(41%vs24%).CnPは,肺扁平上皮癌の標準治療の一つでもあるCDDP+GEM(CG)と比較してもORRが高いレジメンであるかを検討すべく,ランダム化第II相試験を計画した.【方法】化学療法未施行のIIIB/IV期または術後再発肺扁平上皮癌患者をランダムにCG,CnPに割り付けた.主要評価項目はORR,副次評価項目は無増悪生存期間(PFS),全生存期間(OS),病勢制御率,有害事象とした.ORRの閾値20%,期待値40%,α=0.05(片側),β=0.20として計算し,必要症例数は各群35例であった.【結果】2013年6月から2018年10月に35人がCG,36人がCnPに割り付けされ,ORRはCG43%(95%信頼区間:27.3-58.5),CnP47%(95%信頼区間:31.7-62.7)であった.PFS中央値はCG4.6ヶ月,CnP4.1ヶ月であった(p=0.44).OS中央値はCG15.2ヶ月,CnP10.2ヶ月であった(p=0.229).治療関連死はCGで1例のみ認められた.【結論】CnPは,CBDCAレジメンではあるもののCGと同等であり有望な治療法と考えられた.
第60回日本肺癌学会学術集会 2019年12月開催

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