ワークショップ18
放射線治療:Up-to-date
座長:西村 恭昌1, 石川  仁2(近畿大学医学部放射線医学教室放射線腫瘍学部門1, 筑波大学医学医療系放射線腫瘍学2
WS18-5.局所進行非扁平上皮NSCLCに対するCDDP+S-1+TRTとCDDP+PEM+TRTの無作為化第II相試験(SPECTRA)
*吉田 達哉1・仁保 誠治2・瀬戸 貴司3・秋元 哲夫2・西尾 誠人4・里内美弥子5・樋田 豊明6・高橋 利明7・倉田 宝保8・岡本 浩明9・坂巻顕太郎10・後藤 功一2・山中 竹春10・大江裕一郎1
国立がん研究センター中央病院1;国立がん研究センター東病院2;九州がんセンター3;がん研有明病院4;兵庫県立がんセンター5;愛知県がんセンター6;静岡県立がんセンター7;関西医科大学病院8;横浜市民病院9;横浜市立大学10

【目的】切除不能局所進行非扁平上皮NSCLCを対象に胸部放射線治療と同時併用するCDDP+S-1とCDDP+PEM併用化学療法の有効性と安全性を評価すること.【方法】20-74歳,PS 0-1,臓器機能の保たれた切除不能III期NSCLC患者を,CDDP 60 mg/m2+S-1 80 mg/m2(A群)とCDDP 75mg/m2+PEM 500 mg/m2(B群)に無作為に割り付けた.主要評価項目は,2年無増悪生存(PFS)割合として,劣っている治療群の2年PFS割合を25%,優れている治療群が15%上回るとき,最適な治療群を95%の確率で選択するために必要な症例数として100例と設定した(UMIN000009914).【結果】2013年1月から2016年10月までに102例を登録(A群/B群:52/50例).年齢中央値:64.5/63.5歳,女性:17/17例,IIIB期:21/20例であった.観察期間中央値は32.1ヶ月,2年PFS割合は36.5%(95% CI,23.5-49.6)/32.1%(95%CI,18.9-45.4),PFS中央値は12.7/13.8ヶ月(HR 1.16,95%CI:0.73-1.84,p=0.538)であった.生存期間中央値は,48.3/59.1ヶ月(HR=1.05,95%CI,0.58-1.90,p=0.883),2年生存割合は,69.2%(95%CI,56.7-81.8)/66.4%(95%CI,53.0-79.9)であった.【結論】主要評価項目である2年PFS割合はCDDP+S-1群が良好であり,将来の第3相試験の試験治療として有望と考えられた.
第60回日本肺癌学会学術集会 2019年12月開催

特定非営利活動法人日本肺癌学会 The Japan Lung Cancer Society
© 日本肺癌学会 All rights reserved.