一般演題(口演)35
非小細胞肺癌:局所進行(III期)6
座長:永田  靖1, 西村 恭昌2(広島大学大学院医系科学研究科放射線腫瘍学1, 近畿大学医学部放射線医学教室放射線腫瘍学部門2
O35-6.EGFR陽性の切除不能・局所進行NSCLCに対するゲフィチニブ+胸部放射線同時併用の第II相試験(WJOG6911L)
*赤松 弘朗1,2・村上 晴泰2・原田 英幸3・林  秀敏4・駄賀 晴子5・長谷川喜一6・金  永学7・加藤 晃史8・徳永 章二9・西村 恭昌10・山本 信之1,4・中川 和彦4
和歌山県立医科大学内科学第3講座1;静岡県立静岡がんセンター呼吸器内科2;静岡県立静岡がんセンター放射線治療科3;近畿大学医学部内科学腫瘍内科4;大阪市立総合医療センター腫瘍内科5;和泉市立総合医療センター腫瘍内科6;京都大学医学部附属病院呼吸器内科7;神奈川県立がんセンター呼吸器内科8;九州大学病院メディカルインフォメーションセンター9;近畿大学医学部内科学放射線治療科10

【背景】EGFR遺伝子変異陽性(Mt)の切除不能・局所進行非小細胞肺がん(NSCLC)におけるEGFR-TKIと胸部放射線同時併用の有効性は十分検討されていない.【方法】EGFR Mtの未治療切除不能・局所進行NSCLCに対してゲフィチニブ250mg/日・2年間と胸部放射線治療64Gy/32frsの同時併用を行った.主要評価項目は2年無増悪生存(PFS)割合とし,閾値20%・期待値40%・片側α 0.05・β0.25の設定下に目標症例数は27例とした.副次評価項目は奏効割合(ORR)・PFS・生存期間(OS)・安全性とした.【結果】解析対象27例の背景は年齢中央値67歳,男/女;7/20,喫煙/非喫煙;12/15,ECOG PS 0/1;19/8,EGFR exon19欠失/exon21 L858R;13/14,臨床病期IIIA/B;14/13であった.中央判定による2年PFS割合は29.6%(片側95%信頼区間[CI]17.6%-)であった.またORR 81.5%,PFS中央値18.6カ月(95%CI;12.0-24.5カ月),OS中央値61.1カ月(95%CI;38.1カ月-未到達)であった.Gr3以上の有害事象は肝障害が16例,疲労・皮膚症状・食欲不振が各1例,肺臓炎はGr1/2;16/8例であった.【結語】EGFR Mtの切除不能・局所進行NSCLCに対するゲフィチニブ+胸部放射線同時併用は2年無増悪生存割合を改善しなかった.
第61回日本肺癌学会学術集会 2020年11月開催

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