Plenary Session
座長:木浦 勝行(岡山大学病院呼吸器・アレルギー内科)
PS-1.既治療の進行・再発非小細胞肺癌に対するドセタキセルとnab-パクリタキセルのランダム化比較第III相試験(J-AXEL)
*米嶋 康臣1・森田 智視2・安藤 昌彦3・中村  敦4・吉岡 弘鎮5・近藤 征史6・三浦  理7・細見 幸生8・加藤 晃史9・久保 寿夫10・岸本 淳司1・山本 信之11・中西 洋一1・岡本  勇1
九州大学1;京都大学2;名古屋大学3;仙台厚生病院4;関西医科大学5;藤田保健衛生大学6;新潟県立がんセンター新潟病院7;都立駒込病院8;神奈川県立がんセンター9;岡山大学10;和歌山県立医科大学11

【背景】
 既治療進行非小細胞肺癌患者に対する新たな標準治療確立を目的とし,ドセタキセル(DTX)単剤療法に対するnab-パクリタキセル(PTX)単剤療法の有効性,安全性を検証するラムダム化比較第III相試験を実施した.
【方法】
 前治療2レジメン以内の既治療進行非小細胞肺癌,20歳以上,PS0-1の患者をnab-PTXもしくはDTX治療群に1:1に無作為に割り付けた.主要評価項目は全生存期間としnab-PTXのDTXに対する非劣性を検証する.無増悪生存期間,奏効割合,有害事象発生割合およびQOLを副次評価項目とした.
【結果】
 2015年5月から2018年3月の間に82施設から503例が登録された.男性が348例(69.2%),非扁平上皮癌が403例(80.1%),EGFR遺伝子変異陽性が115例(22.9%),ICIでの前治療歴ありが68例(13.5%)であった.2019年5月時点での有害事象は,DOCでGrade3以上の発熱性好中球減少症(18.1% vs 0.7%)が多くnab-PTXで全Gradeの末梢神経障害(47.3% vs 15.5%)が多かった.登録終了後1.5年時の観察イベント数(387)が必要イベント数を下回ったため,2020年3月まで追跡期間を延長し,2020年7月に最終解析を実施する.
【結語】
 本試験はnab-PTXの有用性をDTXと比較した世界初の第III相試験であり,主要評価項目の解析結果を本学会にて初めて公表する.
第61回日本肺癌学会学術集会 2020年11月開催

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