肺がん検診について

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「肺がん検診の手引き」にて「読影医の条件」に挙げられている「症例検討会・読影講習会」の実施要項

1. 肺がん検診のための胸部単純X線症例検討会

① 胸部X線検診例の肺癌に関する画像読影を主としたものに限る。胸部X線検診の画像読影結果と臨床経過を把握・検討することを通じて検診の精度管理にも有用であることから、最も推奨する。自施設・自地域で実施した検診に関する症例検討会であることが、精度管理の面からも読影力向上の面からも最適である。

② 具体的な症例検討会の開催方法については、日本肺癌学会ホームページの「肺がん検診について」のページを参照。時間は通常1時間~2時間程度だが、最低でも30分は必要である。

③ 「胸部X線検診の判定基準」に関する説明・確認を含む必要がある。

④ 医療機関での臨床例・手術例などに関する症例検討会は含まれない。

⑤ 症例検討会を開催した組織(検診機関・医師会・自治体など)は必ず「参加証・受講証」を発行する。「参加の証明」は必ず「参加証・受講証」にて行う。

⑥ 「肺がん検診の手引き」では「読影医の条件」として「自施設・自地域で実施した検診に関する症例検討会」に参加することを最も推奨している。上記①~⑤の条件が満たされていれば、「肺がん検診の手引き」で言及している「肺がん検診のための胸部単純X線症例検討会」と判断して良い。「日本肺癌学会」や「同 肺がん検診委員会」への申請は不要である。

 

2. 肺癌診断を主とした胸部X線読影講習会

① 日本肺癌学会としては、精度管理の面からも、前項で示した「肺がん検診のための胸部単純X線症例検討会」の実施を強く推奨する。やむを得ず開催できない場合などには、以下に示すような条件のもとで実施された「肺癌診断を主とした胸部X線読影講習会」への参加をもって代替できる。「当該講習会への参加の証明」は必ず「参加証・受講証」にて行い、その発行の規程は以下の内容に従う。

② 日本肺癌学会学術集会時の「肺がん検診読影セミナー」への参加(WEB参加を含む)は「肺癌診断を主とした胸部X線読影講習会」として認定する。認定に必要な参加時間などは「参加証発行」の規定に従う。

③ 「肺がん検診読影セミナー」以外の「胸部画像に関する講演会」にはさまざまなものがあるので、すべての講演会が「肺がん検診の手引き」に示す「肺癌診断を主とした胸部X線読影講習会」として妥当なものとは言えない。そのため「日本肺癌学会肺がん検診委員会」では、認定作業を実施しており、認定には以下のすべての条件を満たす必要がある。

I. 「肺癌診断を主とした胸部X線読影に関する講習」部分が、質疑を含めて60分以上である。

II. 「胸部X線検診の判定基準」に関する説明・確認を含んでいる。

III. 実講習の場合には、講習の開始時と終了時に参加していることを確認し、「全講習内容を受講した者」のみに「参加証・受講証」を発行する。

IV. WEB下の読影講習会の場合には、以下の内容が求められる。

1. 視聴のログの把握ができることは必須。

2. 内容が「I、II」を満たしていることは必須。

3. 配信のビデオ品質は、胸部X線画像の配信に十分な画質で行う必要があるため、解像度は最低でもHD(720p)以上を目標とする(注1)。

4. 受信側は画面サイズ 10.1 インチ以下のタブレットやスマートフォンなどの、いわゆるモバイルデバイスでの受講は避け、少なくとも解像度1メガピクセル以上のモニタ(注2)で、全画面モードで受講する。主催者側は、適切なモニタなどの条件に関して受信者側に通知を行う。可能であればDICOM Part14にキャリブレーションされたモニタが望ましい。

5. 講習内容に「小テスト」「視聴パスワード」などを挿入することにより「視聴の確認や理解度のチェック」を行うことが望ましく(注3)、現時点で実施困難であれば実施できるよう検討する。

6. 「参加証・受講証」は、視聴ログにて「講習内容を100%視聴した者」のみに発行する。「5」のような「視聴確認」を行った場合には、「100%視聴して、かつ視聴確認ができた者」のみに発行する。

V. 開催予定の「読影講習会」に関して、「肺がん検診の手引き」に示す「肺癌診断を主とした胸部X線読影講習会」としての認定を希望する場合には、講習会開催の3か月前の月の1日~10日までの間に「日本肺癌学会 肺がん検診委員会」あて(メールの宛先はoffice@haigan.gr.jp)に所定の「認定申請書」を提出し認定を受ける。認定されると、申請した月の月末までに、日本肺癌学会ホームページの「肺がん検診について」のページで認定を受けたことが公表される。なお、「1.⑥」に示したように、「肺がん検診のための胸部単純X線症例検討会」の場合には、必要な条件を満たしていれば良く、申請する必要はない。

VI. 講習会開催後1か月以内に「日本肺癌学会 肺がん検診委員会」に所定の「講習会開催報告書」を提出すること。

注1) ZOOMやGoogle Meetなどの一般的な配信システムでもHD画質は設定可能である。

注2) 1メガピクセル以上のモニタとは、WXGA+(1440X900)、SXGA(1280x1024)など以上の解像度を有するものである。

注3) 視聴の確認や理解度のチェックは、多くの配信システムにおいて「アンケート機能・クイズ機能」を利用することにより、容易に実行可能である。

 

3. 胸部X線画像の読影を主としたWEB下の読影演習

① 日本肺癌学会が提供する「肺がん検診のための胸部X線読影演習」は、胸部X線の読影技術の向上に有益と考えられる。近い将来、この「肺がん検診のための胸部X線読影演習」を用いて、「所定の方法にしたがって演習を行うことで、『肺癌診断を主とした胸部X線読影講習会』への参加の代替とできるシステム」を構築することを検討中である。

 

(2022.5.24 改訂)



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