進展型小細胞肺がんとは,放射線を照射できる範囲を越えて,がんがひろがっている小細胞肺がんのことです。つまり,
などの場合,がん細胞が広い範囲に存在するため,放射線療法や外科治療(手術)によって完全に取り除くことは困難です。そこで,進展型小細胞肺がんの治療に最も勧められるのは,全身にいきわたるように抗がん剤(細胞障害性抗がん薬)を投与する方法(化学療法)です。
転移による症状がある場合も,化学療法で症状が改善することの多い病気です。しかし,化学療法で改善しない場合,あるいは化学療法のみでは改善しないと予想される場合は,症状をやわらげる目的で放射線療法を行うこともあります。
小細胞肺がんの場合,胸水や心嚢水は化学療法で改善することが多いのですが,大量の胸水がたまり息苦しさなどの症状が強い場合や,化学療法の効果が間に合わないと判断されるときには,チューブを胸腔に入れて胸水を抜く必要があります(胸腔ドレナージ,Q55参照)。