統合医療,補完代替療法にはさまざまなものがあります。治療効果が確認されているものもありますが,なかには効果が疑わしいものもあります。十分に検討し,始める際には担当医などともよく相談しましょう。
通常の医療に加えて,患者さんのこころとからだを総合的に考えて補完代替療法や伝統医学などを組み合わせて行う医療のことを「統合医療」といいます。
統合医療,補完代替療法といわれるものとしては,ハーブ,ビタミン,ミネラル,プロバイオティックス(発酵食品など),漢方などの天然産物,瞑想,ヨガ,気功,太極拳,鍼灸,マッサージ,運動療法などさまざまなものがあります。このうち漢方は抗がん剤(細胞傷害性抗がん薬)の副作用対策として有効なものがあり,保険診療の範囲内で併用することが可能です。そのほか,ヨガにより身体機能が改善したり,アロマオイルによる不安や吐き気の改善などが報告されています。
統合医療や補完代替療法についての情報はインターネットでも入手することができます。信頼できる情報をもとに,どのような目的でどのような効果を期待して使うのかなど,冷静によく考えてみる必要があります。治療の効果としてがんの進行を遅らせたり,生存期間を延長したり,治療として確立している補完代替療法はありません。そのうえで,費用やこころとからだへの負担を含めて検討するようにしましょう。
とくに注意すべきことは,保険診療外で行われるものは,詐欺的なものがあることです。内容をよく確認して,まずは疑ってかかるようにしましょう。「腫瘍が消えた」などとうたっていたり,高額なものにはとくに注意しましょう(Q21参照)。
なかには,がん治療の効果を弱めてしまうものや副作用を強くしてしまうものがあります。興味や関心があるときは,必ず担当医や看護師に相談しましょう。
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