第10章 生活上のアドバイス
Q91
薬物療法を受けていますが,家族に影響が出るようなことはないのでしょうか

 現在のところ,こうがんざい細胞さいぼう傷害性しょうがいせいこうがんやく)やEイーGジーFエフRアール阻害薬などのぶん標的ひょうてきりょうやくによる治療を受ける患者さんと生活をともにしている家族の健康への影響は報告されていません。

A

 細胞傷害性抗がん薬や分子標的治療薬は投与後しばらくの間,その成分などが尿や便に残ります。そのため,これらの薬剤が排泄される尿や便,吐物には素手で触れないように注意したほうがよいでしょう。具体的には,

  • 排泄物や吐物を処理するときは使い捨て手袋を着用する
  • 便器に蓋があれば,蓋を閉めて洗浄する
  • 便器周りやトイレの床が汚れたらすぐに拭きとる
  • 寝具や衣服が排泄物や吐物で汚れたら下洗いをしてから洗濯をする
  • ゴミが発生した場合は二重にしたビニール袋に入れて廃棄する
  • 取り扱い後は石けんを使用して手を洗う

など,一般的な衛生意識をもって生活するようこころがけましょう。

 また,患者さんご自身や家族の判断で錠剤を粉砕したり,割ったり,カプセルを開封したりすることはしないでください。

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