健康診断や検診で，「肺がんが否定できない」「肺がんを疑う」という判定だった，あるいは「昨年の検査と比較して所見に変化があった」などX線などの画像所見で胸に異常な影が見つかると，「要精査」と判断されます。これらは症状の有無にかかわらず“治療を必要とする病気のサインである可能性” あるいは“治療を必要としないからだの変化”である可能性があります。

　いずれの場合にも「要精査」と判断されます。検診では病気を見落とさないように少しでも異常と思われる所見があれば「要精査」と判定するため，治療を必要としない変化も多く含まれます。したがって，病院での精密検査を受けると，最終的に「異常なし」と診断されることが多いのですが，当然のことながら「肺がん」と診断される場合もあります。せっかく検診を受けて肺がんである可能性を指摘されているのですから，必ず病院で精密検査を受けることが大切です。腫瘍マーカーなどの血液検査結果に関してはQ9を参考にしてください。

　精密検査を受ける病院は，かかりつけ医に呼吸器専門医がいる医療機関を紹介してもらうことをお勧めします。受診の前に地域の病院や画像センターでのCT撮影を依頼してもらうことも可能です。まずは，かかりつけ医に相談してみましょう。受診の際は、これまでの検査結果や画像データを持参して診察を受けることをお勧めします。