第2章 肺がんの診断に必要な検査
Q8
検査による被ばくが心配ですが大丈夫でしょうか

 肺がんの診断・治療には放射線を使った検査は欠かせません。治療が終わった後の経過観察の期間も同じです。

 放射線を用いた検査には,X線を用いた検査(胸部X線写真,CTなど)や放射性同位元素を用いた検査(PET-CT,こつシンチグラフィなど)があります。MRI は磁気を使うので被ばくの心配はありません。

 放射線を用いた医療行為による被ばくを「医療被ばく」といいます。参考のために1回の検査で被ばくする線量(実効線量じっこうせんりょう放射線の種類と性質,人体の組織や臓器の種類によって,人体が放射線を受けたときの影響は異なります。これらを考慮して算出する放射線量を実効線量といいます。実効線量は,からだ全体へのダメージを表す単位で,放射線の被ばく管理に用いられます。)の目安をまとめます。

 放射線には,有益な面と有害な面があります。私たち医療者が患者さんに検査をするときは,患者さんにとって明らかな利益があるときです。そして,医療被ばくの量をできるだけ少なくするように工夫して検査をします。したがって,検査を受けても大きな問題はありません。患者さんが,検査によるわずかな被ばくを恐れて,適切な医療を受けることができなくなることは避けなくてはいけません。検査による被ばくが心配なときは,担当医に検査の必要性をしっかりと聞いてみましょう。

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