第10章 生活上のアドバイス
Q95
新型コロナウイルスが流行しているので,病院に行くのが不安です

※2020年10月の状況をもとにしています。

 新型コロナウイルスの出現は私たちの生活を大きく変えました。がん患者さんは体力や免疫力に不安を抱えている方も少なくありませんし,入院や外来に通院することで感染してしまわないかと心配になるのは当然のことと思います。

 しかし感染を恐れるあまり,本来必要な検査や治療を受けなかったり,経過観察や薬の副作用のチェックがおろそかになったりしてはいけません。また肺がん検診で異常を指摘されたら遅滞なく病院を受診してください。新型コロナウイルスについてわかってきたことも多く,病院もしっかりと対策をとっています。みなさんもマスクをして,手洗いや消毒を心がけていれば,病院で感染することを過剰に心配する必要はありません。治療を開始できるのか,続けたほうが良いのか,受診の間隔をあけても大丈夫なのかといったことは,皆さんの病状や治療の状況,感染の流行状況によっても大きく変わってきます。ご自分で判断なさらず担当医とよく相談するようにしましょう。

 肺癌学会では専門医による意見を公表しています。担当の先生と相談する際の参考としてください(参考情報参照)。

 新型コロナウイルス対策として皆さんが取り入れている手洗いや消毒,人ごみでのマスクの着用,そして三つの密(密閉,密集,密接)を避ける生活様式はインフルエンザなどほかの感染症への対策としても有効です。また新型コロナウイルスのワクチンはまだ目処がたっていませんが,肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンといった利用できるワクチンがあります。接種のタイミングは治療との兼ね合いがあるため,担当の先生と相談して必要なワクチンをうつようにしましょう。熱や咳などの症状が出た場合の対応についてもあらかじめ担当医や看護師に確認しておくようにしましょう(Q86参照)。

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