Ⅱ.治 療

3

内科治療

文献検索と採択

文献検索期間
  • 1990年1月1日から2022年11月30日
文献検索方法
  • キーワード:Malignant pleural mesothelioma, Chemotherapy, Multimodality therapy, Immunotherapy, Talc pleurodesis
  • 国際医学情報センターの協力を得て以下の検索式で検索を行い,各CQにおいて採用を検討した。
検索式(検索日:2022年1月11日)
#1 悪性胸膜中皮腫×(化学療法+免疫療法)
#2 #1×(指定キーワードがタイトルに含まれる)
#3 #1×PS
#4 #1×(プラチナ,免疫チェックポイント阻害薬,血管新生阻害薬,ペメトレキセド)
#5 #1×高齢者
#6 #1×(タルク,ドレナージ)×胸膜癒着
#7 #1×2NDライン以降
#2~#7
採択方法
  • 文献はメタアナリシス,第Ⅲ相試験,第Ⅱ相試験を中心に抽出した。
  • これ以前の文献でも,今回の改訂に際し重要と考えられたものについては採用としている。

本文中に用いた略語および用語の解説

CBDCA カルボプラチン
CDDP シスプラチン
GEM ゲムシタビン
MMC マイトマイシンC
PEM ペメトレキセド
VBL ビンブラスチン
VNR ビノレルビン
 
ARDS acute respiratory distress syndrome 急性呼吸促迫症候群
BSC best supportive care 緩和治療,ベストサポーティブケア
CR complete remission 完全寛解
DCR disease control rate 病勢コントロール率
HR hazard ratio ハザード比
ORR objective response rate 客観的奏効率
OS overall survival 全生存期間
PD progressive disease 進行
PD-L1 programmed cell death ligand 1 プログラム細胞死リガンド1
PFS progression free survival 無増悪生存期間
PR partial response 部分奏効
PS performance status 全身状態
QLQ quality of life questionnaire 生活の質アンケート
QOL quality of life 生活の質
RR relative risk 相対危険度
TTP time to progression 無増悪期間
VATS video-assisted thoracic surgery 胸腔鏡補助下手術
 
EORTC European Organization for Research and Treatment of Cancer
EQ-5D-3L EuroQol 5 dimensions 3-level EuroQolグループ作成の選好に基づいた健康状態を示す尺度
LCSS-Meso ASBI Lung Cancer Symptom Scale-Meso average symptom burden index 中皮腫による負担および生活の質の変化を示すスケール

CQ8.

PS 0-2の切除不能悪性胸膜中皮腫に薬物療法は勧められるか?

推 奨
薬物療法を行うことを推奨する。

〔推奨の強さ:1,エビデンスの強さ:C,合意率:75%〕

解 説

 PS良好例に対する一次治療として化学療法(MVP療法:MMC+VBL+CDDPもしくはVNR単剤療法)と対症療法を比較したランダム化比較試験が行われた1)

 OS:主要評価項目であるOSは,症状緩和に比較してMVP療法あるいはVNR療法により延長効果は示されなかった(8.5カ月vs 7.6カ月,HR 0.89,P=0.29)。

 PFS:PFSに関しても症状緩和に比較してMVP療法あるいはVNR療法により延長効果は示されなかった(5.6カ月vs 5.1カ月,HR 0.91,P=0.39)。

 有害事象:MVP療法あるいはVNR療法群では症状緩和に比較して血液毒性,脱毛,倦怠感が有意に多かった。

 QOL:症状緩和とMVP療法あるいはVNR療法の比較ではEORTC QLQ-C30で評価したQOLに3群間での差はみられなかった。

 以上より,症状緩和を対照とした化学療法のランダム化比較試験は従前の治療を用いたランダム化比較試験が1つ存在するのみであり,QOLを損なわないものの有効性は示されていない。ただしCQ9で後述するCDDP単剤とCDDP+PEM併用療法のランダム化比較試験では併用療法のOS延長効果が示された2)。CDDP単剤療法が対症療法よりOSが短くなることは考えにくいことから,適切な薬物療法によるOS延長効果はあるものと考えられる。エビデンスの強さはC,また総合的評価では薬物療法を行うよう強く推奨(1で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

投票者の所属委員会:胸膜中皮腫小委員会(患者2名含む)/実施年度:2022年
行うことを
推奨
行うことを
弱く推奨(提案)
推奨に至る根拠が明確ではない 行わないことを
弱く推奨(提案)
行わないことを
推奨
75%
(15/20)
15%
(3/20)
10%
(2/20)
0% 0%

CQ9.

PS 0-2の一次治療としてプラチナ製剤併用療法は勧められるか?

推 奨
シスプラチン+ペメトレキセド併用療法を行うよう推奨する。

〔推奨の強さ:1,エビデンスの強さ:B,合意率:95%〕

解 説

 PS良好例に対する一次治療として,CDDP単剤とCDDP+PEM併用療法の第Ⅲ相比較試験が行われた2)。またCBDCA+PEM併用療法については2つの単群第Ⅱ相試験がある3)4)

 OS:CDDP単剤と比較してCDDP+PEM併用療法によりOSの延長が示された(12.1カ月vs 9.3カ月,HR 0.77,P=0.020)。CBDCA+PEMを用いた第Ⅱ相試験の結果もほぼ同様のOSであった(12.7-14カ月)。

 PFS:CDDP単剤と比較してCDDP+PEM併用療法によりPFSの延長が示された(5.7カ月vs 3.9カ月,HR 0.68,P=0.001)。CBDCA+PEMを用いた第Ⅱ相試験の結果もほぼ同様であった(TTP 6.5-8カ月)。

 RR:CDDP単剤とCDDP+PEM併用療法の比較ではRRは併用療法で有意に良好であった(41.3% vs 16.7%,P<0.001)。CBDCA+PEM併用療法は,CDDP+PEM併用療法と比較しRRは18.6%-25%とやや劣る結果であった。

 有害事象:CDDP+PEM併用療法群において最初の43例中3例の治療関連死が報告され,ビタミンB12および葉酸欠乏との関連が疑われたため,途中からビタミン補充が開始された。CDDP+PEM療法群ではCDDP単剤療法と比較して血液毒性,悪心,嘔吐,下痢,腹痛などの毒性が有意に高かった。また,CBDCA+PEM併用療法ではCDDP+PEM併用療法と比較し好中球減少,貧血を除き毒性は軽度であった。

 QOL:QOLについては評価されていない。

 よって,PS良好な症例にはプラチナ製剤併用療法,CDDPの使用が可能であればCDDP+PEM併用療法を行うよう推奨する。CBDCA+PEM併用療法については比較試験に基づいたものではないが,CDDP不耐な患者に対しては選択肢の1つにしてよいと判断される。

 以上より,エビデンスの強さはB,また総合的評価ではCDDP+PEM併用療法を行うよう強く推奨(1で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

投票者の所属委員会:胸膜中皮腫小委員会(患者2名含む)/実施年度:2022年
行うことを
推奨
行うことを
弱く推奨(提案)
推奨に至る根拠が明確ではない 行わないことを
弱く推奨(提案)
行わないことを
推奨
95%
(19/20)
5%
(1/20)
0% 0% 0%

 なおCBDCAについては,胸膜中皮腫に対し本邦では保険償還されていない。

CQ10.

PS 0-2の一次治療に免疫チェックポイント阻害薬は勧められるか?

推 奨
ニボルマブ+イピリムマブ併用療法を行うよう推奨する。

〔推奨の強さ:1,エビデンスの強さ:B,合意率:89%〕

解 説

 PS 0-1に対する一次治療として,ニボルマブ+イピリムマブ併用療法とプラチナ製剤+PEM併用療法を比較する第Ⅲ相臨床試験5)~7)(CheckMate743試験)が行われた。

 PS 2に関しては,一次治療における免疫チェックポイント阻害薬に関する臨床試験はない。

 OS:主要評価項目であるOSは,ニボルマブ+イピリムマブ併用療法でプラチナ製剤+PEM併用療法に比べ延長効果が認められた(18.1カ月vs 14.1カ月,HR 0.73,95%CI:0.61-0.87)。2年生存率および3年生存率はニボルマブ+イピリムマブ併用療法でそれぞれ41%,23%であり,プラチナ製剤+PEM併用療法ではそれぞれ27%,15%であった。組織型によるサブグループ解析では,上皮型においてHR 0.85(95%CI:0.69-1.04),非上皮型においてHR 0.48(95%CI:0.34-0.69)であった。また,PD-L1陽性細胞率によるサブグループ解析では,PD-L1 1%未満においてHR 0.99(95%CI:0.69-1.43),PD-L1 1%以上においてHR 0.71(95%CI:0.57-0.88)であった。

 PFS:独立中央判定によるPFSは,ニボルマブ+イピリムマブ併用療法でプラチナ製剤+PEM併用療法に比べ延長効果を認めなかった(6.8カ月vs 7.2カ月,HR 0.92,95%CI:0.76-1.11)。

 RR:独立中央判定によるRRは,ニボルマブ+イピリムマブ併用療法およびプラチナ製剤+PEM併用療法でそれぞれ40%,44%であった。また,DCRはそれぞれ77%,86%であった。

 有害事象:有害事象の発現率(全Grade)はニボルマブ+イピリムマブ併用療法およびプラチナ製剤+PEM併用療法でそれぞれ全Gradeでは80%,82%であり,Grade 3/4は30%と31%であった。また,治療関連死はそれぞれ1%,0.4%であった。

 QOL:LCSS-Meso ASBIならびにEQ-5D-3Lはニボルマブ+イピリムマブ併用療法群において経時的に改善がみられ,咳嗽以外の症状はプラチナ製剤+PEM併用療法よりもニボルマブ+イピリムマブ併用療法群において良好な傾向であった。LCSS-Meso ASBI はニボルマブ+イピリムマブ併用療法群においてプラチナ製剤+PEM併用療法と比較して悪化までの期間が有意に延長された(HR 0.52,95%CI:0.36-0.74)。

 以上より,エビデンスの強さはB,また総合的評価ではニボルマブ+イピリムマブ併用療法を行うことを推奨(1で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

投票者の所属委員会:胸膜中皮腫小委員会(患者2名含む)/実施年度:2023年
行うことを
推奨
行うことを
弱く推奨(提案)
推奨に至る根拠が明確ではない 行わないことを
弱く推奨(提案)
行わないことを
推奨
89%
(16/18)
11%
(2/16)
0% 0% 0%

※なお,CheckMate743試験の適格基準はPS 0-1であったが,日常診療ではPS 2でもニボルマブ+イピリムマブ併用療法を考慮する場合があり得るため,本CQの対象はPS 0-2とした。PS 2の症例への投与に際しては十分に益と害のバランスを考慮して適用を検討すること。

CQ11.

PS 0-2の高齢者の悪性胸膜中皮腫に対する薬物療法は勧められるか?

推 奨
  • a.
  • PS 0-2の高齢者にプラチナ製剤併用療法を行うよう提案する。

〔推奨の強さ:2,エビデンスの強さ:D,合意率:65%〕

  • b.
  • PS 0-2の高齢者に免疫チェックポイント阻害薬併用療法を行うよう提案する。

〔推奨の強さ:2,エビデンスの強さ:D,合意率:70%〕

解 説
  • a.PS良好な高齢者の一次治療として,プラチナ製剤併用療法の効果,安全性を検討した比較試験はない。

     OS:CDDP+PEM併用療法とCDDP単剤の第Ⅲ相比較試験2)では,登録年齢の上限を設けていないため,一定数の75歳以上の症例が登録されているが,75歳以上の高齢者に限ったデータの公表はなくOSの延長効果は不明である。

     PFS:75歳以上に限ったサブグループ解析はなく,PFSの延長効果は不明である。

     RR:同様に評価は不能であった。

     有害事象:CBDCA+PEM併用療法の2つの試験の後方視的統合解析では,70歳未満と比較し70歳以上でGrade 3/4の貧血(20.8% vs 6.9%,P<0.01)が有意に増加していたが,非血液毒性は同程度であった8)

     QOL:75歳以上の高齢者に限ったQOLを評価できるエビデンスはなく評価不能である。

     以上より,PSが良好であれば,75歳以上の一次治療としてプラチナ製剤併用療法は選択肢の1つと考えられる。エビデンスの強さはD,また総合的評価ではプラチナ製剤併用療法を行うよう弱く推奨(2で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

投票者の所属委員会:胸膜中皮腫小委員会(患者2名含む)/実施年度:2022年
行うことを
推奨
行うことを
弱く推奨(提案)
推奨に至る根拠が明確ではない 行わないことを
弱く推奨(提案)
行わないことを
推奨
15%
(3/20)
65%
(13/20)
10%
(2/20)
10%
(2/20)
0%

 なお,CBDCAについては,胸膜中皮腫に対し本邦では保険償還されていない。

  • b.PS良好な高齢者のみの一次治療として,免疫チェックポイント阻害薬併用療法の効果,安全性を検討した比較試験はない。75歳以上の高齢者を含むニボルマブ+イピリムマブ併用療法とプラチナ製剤併用療法を比較する第Ⅲ相試験(CheckMate743試験)が行われた5)~7)。この試験では全605例のうち75歳以上の症例157例が登録されている。PS 2に関しては,一次治療における免疫チェックポイント阻害薬に関する臨床試験はない。

     OS:CheckMate743試験5)~7)では,65~74歳の症例(281例)ではOS中央値がニボルマブ+イピリムマブ併用療法においてプラチナ製剤併用療法に比べOSが有意に延長した(20.3カ月vs 14.9カ月,HR 0.63,P=0.0020)が,75歳以上の症例では有意差は認められなかった(16.9カ月vs 15.4カ月,HR 1.02,95%CI:0.70-1.48)。

     PFS:75歳以上に限ったサブグループ解析はなく,PFSの延長効果は不明である。

     RR:同様に評価は不能であった。

     有害事象:同様に評価は不能であった。

     QOL:同様に評価は不能であった。

     以上より,PSが良好であれば,75歳以上の一次治療として免疫チェックポイント阻害薬併用療法は選択肢の1つと考えられる。エビデンスの強さはD,また総合的評価では免疫チェックポイント阻害薬併用療法を行うよう弱く推奨(2で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

投票者の所属委員会:胸膜中皮腫小委員会(患者2名含む)/実施年度:2022年
行うことを
推奨
行うことを
弱く推奨(提案)
推奨に至る根拠が明確ではない 行わないことを
弱く推奨(提案)
行わないことを
推奨
10%
(2/20)
70%
(14/20)
15%
(3/20)
0% 5%
(1/20)

CQ12.

PS 3-4に全身的な薬物療法は勧められるか?

推 奨
PS 3-4に対し薬物療法を
行わない
よう推奨する。

〔推奨の強さ:1,エビデンスの強さ:D,合意率:70%〕

解 説

 PS不良例のみを対象とした臨床試験は存在しない。CQ8~10で採用した論文では,いずれの臨床試験においても,全身的な薬物療法の対象症例はPS 0-2であり,PS 3-4に対するエビデンスは乏しく安全性も不明である。

 以上より,エビデンスの強さはD,また総合的評価ではPS 3-4に対し薬物療法を行わないよう強く推奨(1で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

投票者の所属委員会:胸膜中皮腫小委員会(患者2名含む)/実施年度:2022年
行うことを
推奨
行うことを
弱く推奨(提案)
推奨に至る根拠が明確ではない 行わないことを
弱く推奨(提案)
行わないことを
推奨
0% 0% 10%
(2/20)
20%
(4/20)
70%
(14/20)

CQ13.

プラチナ製剤+ペメトレキセド投与後の維持療法は勧められるか?

推 奨
  • a.
  • プラチナ製剤+ペメトレキセド投与後のペメトレキセドによる維持療法を
    行わない
    よう提案する。

〔推奨の強さ:2,エビデンスの強さ:C,合意率:85%〕

  • b.
  • プラチナ製剤+ペメトレキセド投与後のゲムシタビンによる維持療法を行うことを提案する。

〔推奨の強さ:2,エビデンスの強さ:C,合意率:85%〕

解 説
  • a.切除不能な悪性胸膜中皮腫に対し,CDDP,PEMによる化学療法施行後に増悪がみられなかった症例を対象に,PEMによる維持療法と,経過観察を比較する第Ⅱ相試験(CALGB30901試験)が行われた9)

     OS:PEM投与群と経過観察群で,OSの差はみられなかった(16.3カ月vs 11.8カ月,HR 0.86,95%CI:0.44-1.71,P=0.6737)。

     PFS:PEM投与群と経過観察群で,主要評価項目であるPFSの差は認められなかった(3.4カ月vs 3カ月,HR 0.99,95%CI:0.51-1.90,P=0.9733)。

     有害事象:PEMによる維持療法群において,Grade 3/4の有害事象は貧血(8%),リンパ球減少(8%),好中球減少(4%),疲労(4%)であった。

     QOL:QOLは評価されていない。

     ORR:PEMによる維持療法群において,27例中1例のCR,2例のPRが認められた(ORR 11.1%)。

     以上より,エビデンスの強さはC,また総合的評価ではPEMによる維持療法を行わないことを弱く推奨(2で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

投票者の所属委員会:胸膜中皮腫小委員会(患者2名含む)/実施年度:2022年
行うことを
推奨
行うことを
弱く推奨(提案)
推奨に至る根拠が明確ではない 行わないことを
弱く推奨(提案)
行わないことを
推奨
5%
(1/20)
5%
(1/20)
0% 85%
(17/20)
5%
(1/20)
  • b.切除不能な悪性胸膜中皮腫に対し,CDDP,PEMによる化学療法施行後に増悪がみられなかった症例を対象に,GEMによる維持療法と,経過観察を比較する第Ⅱ相試験(NVALT19試験)が行われた10)

     OS:GEM投与群と経過観察群で,OSの差はみられなかった(16.4カ月vs 13.4カ月,HR 0.90,95%CI:0.60-1.34,P=0.60)。

     PFS:GEM投与群において,主要評価項目であるPFSの延長が認められた(6.2カ月vs 3.2カ月,HR 0.48,95%CI:0.33-0.71,P=0.0002)。

     有害事象:GEM投与群において,64例中33例(52%)でGrade 3/4の有害事象がみられた。主な有害事象は貧血,好中球減少,疲労,しびれであった。また感染による治療関連死が1例あった。

     QOL:QOLは評価されていない。

     ORR:GEM投与群において,48例中8例が奏効した(ORR 17%)。

     以上より,エビデンスの強さはC,また総合的評価ではGEMによる維持療法を行うことを弱く推奨(2で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

投票者の所属委員会:胸膜中皮腫小委員会(患者2名含む)/実施年度:2022年
行うことを
推奨
行うことを
弱く推奨(提案)
推奨に至る根拠が明確ではない 行わないことを
弱く推奨(提案)
行わないことを
推奨
5%
(1/20)
85%
(17/20)
0% 10%
(2/20)
0%

 なお,GEMについては,胸膜中皮腫に対し本邦では保険償還されていない。

CQ14.

PS 0-2の悪性胸膜中皮腫に対する二次治療以降の薬物療法は勧められるか?

推 奨
  • a.
  • ニボルマブ単剤療法を行うよう推奨する。

〔推奨の強さ:1,エビデンスの強さ:B,合意率:100%〕

  • b.
  • ペメトレキセド未使用の場合,ペメトレキセド単剤療法を行うよう推奨する。

〔推奨の強さ:1,エビデンスの強さ:C,合意率:60%〕

  • c.
  • ペメトレキセド単剤療法の再投与を行うよう提案する。

〔推奨の強さ:2,エビデンスの強さ:D,合意率:75%〕

  • d.
  • ビノレルビン単剤療法,ゲムシタビン単剤療法もしくはビノレルビン+ゲムシタビン併用療法を行うよう提案する。

〔推奨の強さ:2,エビデンスの強さ:C,合意率:85%〕

解 説
  • a.PS 0-1に対する二次治療として,一次治療としてニボルマブが投与されていない症例を対象としニボルマブ単剤とプラセボを比較する第Ⅲ相試験(CONFIRM試験)11)が行われた。

     OS:ニボルマブ群においてプラセボ群に比較し主要評価項目の1つであるOSの延長効果が認められた(10.2カ月vs 6.9カ月,HR 0.69,P=0.0090)。

     PFS:ニボルマブ群においてプラセボ群に比較し主要評価項目の1つであるPFSの延長効果が認められた(3.0カ月vs 1.8カ月,HR 0.67,P=0.0012)。

     RR:ニボルマブ群で11%,プラセボ群で1%であった。また,DCRはそれぞれ64%,50%であった。

     有害事象:治療中止に至った有害事象はニボルマブ群で14%,プラセボ群で3%であった。

     以上より,エビデンスの強さはB,また総合的評価ではニボルマブ単剤療法を行うよう推奨(1で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

投票者の所属委員会:胸膜中皮腫小委員会(患者2名含む)/実施年度:2022年
行うことを
推奨
行うことを
弱く推奨(提案)
推奨に至る根拠が明確ではない 行わないことを
弱く推奨(提案)
行わないことを
推奨
100%
(20/20)
0% 0% 0% 0%
  • b.一次治療としてPEMが投与されていない症例を対象とし二次治療としてPEMを投与する第Ⅲ相比較試験が行われた12)

     OS:PEM+BSC群はBSC群に比べてOSの延長効果は認めなかった。

     PFS:PEM+BSC群において,BSC群に比べてPFSの延長効果を認めた(3.6カ月vs 1.6カ月,P=0.0148)。

     有害事象:Grade 3以上の血液毒性はPEM+BSC群で好中球減少7.4%,貧血5.8%であった。

     QOL:エビデンスがなく評価不能である。

     以上より,エビデンスの強さはC,また総合的評価ではPEMの単剤療法を行うよう推奨(1で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

投票者の所属委員会:胸膜中皮腫小委員会(患者2名含む)/実施年度:2022年
行うことを
推奨
行うことを
弱く推奨(提案)
推奨に至る根拠が明確ではない 行わないことを
弱く推奨(提案)
行わないことを
推奨
60%
(12/20)
40%
(8/20)
0% 0% 0%
  • c.一次治療でPEM含有レジメンを投与した症例を対象としたPEM再投与に関する観察研究が2編存在する13)14)

     OS:一次治療でPEMの最良効果がnon-PDであった症例が経過観察中にPDとなった場合,二次治療としてPEM単剤療法もしくはプラチナ製剤+PEM併用療法のOSは10.5~13.6カ月であった。

     PFS:PFSは3.8~5.1カ月であった。

     DCR:DCRは48~57%であった。

     有害事象:Grade 3以上の血液毒性は9.7%であった。

     QOL:エビデンスがなく評価不能である。

     以上より,エビデンスの強さはD,また総合的評価では一次治療でPEMがnon-PDで終了していた場合,PEMの再投与を行うよう弱く推奨(2で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

投票者の所属委員会:胸膜中皮腫小委員会(患者2名含む)/実施年度:2022年
行うことを
推奨
行うことを
弱く推奨(提案)
推奨に至る根拠が明確ではない 行わないことを
弱く推奨(提案)
行わないことを
推奨
10%
(2/20)
75%
(15/20)
10%
(2/20)
0% 5%
(1/20)
  • d.VNR単剤療法およびGEM単剤療法における二次治療以降を対象とした第Ⅱ相試験が存在する15)16)。また,二次治療におけるVNR+GEM併用療法の第Ⅱ相試験が存在する17)

     OS:VNR単剤療法のOSは9.6カ月,GEM単剤療法のOSは8.0カ月であった。VNR+GEM併用療法におけるOSは10.9カ月であった。

     RR:VNR単剤療法のRRは16%,GEM単剤療法のRRは7%であった。VNR+GEM併用療法におけるRRは10%であった。

     有害事象:VNR単剤療法におけるGrade 3以上の好中球減少は55%であった。GEM単剤療法におけるGrade 3以上の好中球減少は30%であり,発熱性好中球減少はなかった。VNR+GEM併用療法におけるGrade 3以上の好中球減少は10%であった。

     前述のVNR単剤療法ではVNRの用量が30mg/m2 weeklyと本邦と異なる点に留意が必要である。

     QOL:エビデンスがなく評価不能である。

     以上より,二次治療以降におけるVNR単剤,GEM単剤,およびVNR+GEM併用療法のエビデンスの強さはC,また総合的評価ではVNR単剤療法,GEM単剤療法もしくはVNR+GEM併用療法を行うことを弱く推奨(2で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

投票者の所属委員会:胸膜中皮腫小委員会(患者2名含む)/実施年度:2022年
行うことを
推奨
行うことを
弱く推奨(提案)
推奨に至る根拠が明確ではない 行わないことを
弱く推奨(提案)
行わないことを
推奨
10%
(2/20)
85%
(17/20)
5%
(1/20)
0% 0%

 なお,VNR,GEMについては,胸膜中皮腫に対し本邦では保険償還されていない。

CQ15.

薬物療法の対象となる悪性胸膜中皮腫に血管新生阻害薬の併用は勧められるか?

推 奨
  • a.
  • 一次治療としてのシスプラチン+ペメトレキセド併用療法にベバシズマブを追加することを提案する。

〔推奨の強さ:2,エビデンスの強さ:C,合意率:75%〕

  • b.
  • 二次治療として,ゲムシタビン+ラムシルマブ併用治療を行うことを推奨するだけの根拠が明確ではない。

〔推奨に至る根拠が明確ではない〕

解 説
  • a.一次治療としてCDDP/PEM投与症例(CP群)を対象として,ベバシズマブを追加した症例(CPB群)と比較した第Ⅲ相比較試験18)が行われた。

     OS:CPB群ではCP群に比べて有意な延長効果を認めた(18.8カ月vs 16.1カ月,P=0.0167)。

     PFS:PFS(9.2カ月vs 7.3カ月,P<0.0001)でも延長効果を認めた。

     有害事象:Grade 3以上の有害事象は,CPB投与群の71%(158/222人)およびCP投与群の62%(139/224人)に認められた。Grade 3以上の高血圧(23% vs 0%)および血栓関連事象(6% vs 1%)はCP群よりもCPB群で多く認められた。また,本試験後に本邦で実施された拡大治験19)においても,日本人の悪性胸膜中皮腫患者でCPBの忍容性が報告されている。

     QOL:QLQ-C30またはLCSS-Mesoで評価されたQOLスコアでは,CP群の患者はCPB群の患者よりも,9週間でスコアの悪化を経験している〔QOL LCSS-Meso 37%(44/119)vs 52%(68/130),P=0.015〕。

     以上より,エビデンスの強さはC,また総合的評価では一次治療としてのCDDP+PEM併用療法にベバシズマブを追加することを弱く推奨(2で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

投票者の所属委員会:胸膜中皮腫小委員会(患者2名含む)/実施年度:2022年
行うことを
推奨
行うことを
弱く推奨(提案)
推奨に至る根拠が明確ではない 行わないことを
弱く推奨(提案)
行わないことを
推奨
10%
(2/20)
75%
(15/20)
0% 10%
(2/20)
5%
(1/20)

 なお,ベバシズマブについては,胸膜中皮腫に対し本邦では保険償還されていない。

  • b.プラチナ製剤とPEMを併用した一次治療中または治療後に進行を認めた悪性胸膜中皮腫に対して,二次治療としてGEMと抗VEGFR-2抗体であるラムシルマブを併用した第Ⅱ相試験(RAMES試験)20)が行われた。

     OS:GEMとラムシルマブの併用療法は,プラセボ群と比較してOSの有意な延長効果を認めた〔13.8カ月vs 7.5カ月,HR:0.71(70%CI:0.59-0.85),P=0.028〕。

     PFS:PFSは延長効果を認めなかった〔6.4カ月vs 3.3カ月,HR:0.79(70%CI:0.66-0.94),P=0.082〕。

     有害事象:Grade 3以上の有害事象は,GEMとラムシルマブ投与群の44%(35/80人),およびGEMとプラセボのグループ投与群の30%(24/81人)に認められた。最も一般的なGrade 3以上の有害事象は,好中球減少症(20%)と高血圧(6%)であった。

     QOL:QOLはエビデンスがなく評価不能である。

     以上より,エビデンスの強さはC,また総合的評価では二次治療としてGEMとラムシルマブ併用治療を推奨するだけの根拠が明確ではないと判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

投票者の所属委員会:胸膜中皮腫小委員会(患者2名含む)/実施年度:2022年
行うことを
推奨
行うことを
弱く推奨(提案)
推奨に至る根拠が明確ではない 行わないことを
弱く推奨(提案)
行わないことを
推奨
5%
(1/20)
50%
(10/20)
5%
(1/20)
30%
(6/20)
10%
(2/20)

 なお,GEM,ラムシルマブについては,胸膜中皮腫に対し本邦では保険償還されていない。

CQ16.

悪性胸膜中皮腫に対する胸水ドレナージ後の胸膜癒着術は勧められるか?(化学療法前あるいは症状緩和)

推 奨
胸水ドレナージ後に胸水コントロールを目的とした胸膜癒着術を行うよう推奨する。

〔推奨の強さ:1,エビデンスの強さ:C,合意率:80%〕

解 説

 胸水コントロール率:化学療法施行前の胸膜中皮腫を対象に胸膜癒着術の有効性を評価した臨床試験はない。

 悪性胸膜中皮腫172例に対しTalcを用いた胸膜癒着術の前向き観察研究において,3カ月時点の胸水コントロール率は49%(85/172例),1年生存者においては93%(79/85例)であった21)。また,Talcによる胸膜癒着術88例とVATSによる胸膜部分切除87例とのランダム化比較試験において,1年生存者の胸水コントロール率はそれぞれ77%(27/35例)と70%(23/33例)であった22)。癌腫を問わないいわゆる癌性胸膜炎に対し,胸腔ドレナージ単独と,その後の胸水の再貯留を抑制するための胸膜癒着術を比較した試験があり,Talcによる胸膜癒着術施行群で胸水コントロール率が優れていた(100% vs 60%)23)

 OS:胸膜癒着術施行後のOSは2つの比較試験で評価されている22)24)。いずれの試験においても胸膜癒着術の有無によりOSの有意差は認められていない。

 PFS:胸膜癒着術施行後のPFSは1つの比較試験で評価されている24)。胸膜癒着術の有無によりPFSの有意差は認められていない。

 有害事象:胸膜中皮腫85例を含んだ前向きコホート試験において,Talc懸濁法はARDSの併発をきたさなかった25)。前述のTalcによる胸膜癒着術とVATSによる胸膜部分切除とのランダム化比較試験における合併症の出現率はそれぞれ14%と31%であった22)

 QOL:胸膜癒着術後のQOLの変化について,3つの比較試験において検討されている22)24)26)。少なくとも胸膜癒着術がQOLを損なうことを示唆する報告はない。

 以上より,エビデンスの強さはC,また総合的評価では,文献上化学療法施行前あるいは症状緩和を分けた評価は困難であったが,胸水ドレナージ後に胸水コントロールを目的とした胸膜癒着術を行うことを強く推奨(1で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

投票者の所属委員会:胸膜中皮腫小委員会(患者2名含む)/実施年度:2022年
行うことを
推奨
行うことを
弱く推奨(提案)
推奨に至る根拠が明確ではない 行わないことを
弱く推奨(提案)
行わないことを
推奨
80%
(16/20)
20%
(4/20)
0% 0% 0%
引用文献
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