ニボルマブ(オプジーボ)に関する声明文公開・要望書提出について
肺がん(非小細胞肺がん)に対する抗PD-1抗体ニボルマブ(オプジーボ®)に関する声明文公開、要望書提出について
さて、この度新しい肺がん(非小細胞肺がん)の薬剤として、抗PD-1抗体ニボルマブが平成27年12月17日付けにて承認され、肺がん治療に携わる医療関係者はもちろんのこと、多くの患者の期待も大きいものとなっています。
今回承認されたニボルマブは免疫チェックポイント阻害剤といわれる薬品で、リンパ球のがん細胞への攻撃力を高める作用があります。いわば、からだに本来備わっている防御力を高め、初回治療後に再発した際に行われる二次治療において従来の抗がん剤より優れた効果を発揮することが証明されており、嘔吐や脱毛などはみられず一般に副作用は軽いことが示されています。
このように大きな期待をもたれているニボルマブですが、私たちは2002年に“夢の新薬”とマスコミに称されて登場した肺がんの新薬ゲフィチニブ(商品名イレッサ)の発売直後に副作用として間質性肺炎が多発し合計で800名以上もの患者さんが亡くなられた過去の教訓を思い出さずにはいられません。現在では、肺がん治療には欠かすことができないゲフィチニブですが、その安全で効果的な使用が根付くまでに多くの犠牲がはらわれたことを肝に銘じておく必要があります。
このような背景より、表題の通り肺癌学会は、非小細胞肺癌に対する抗PD-1抗体ニボルマブの承認にあたって、以下文書を公開致します。
1) 日本肺癌学会会員・肺癌薬物療法に関わる医療者へのお願い
抗PD-1抗体薬ニボルマブ(オプジーボ®)についてのお願い
http://www.haigan.gr.jp/uploads/files/photos/1078.pdf
2) 肺がん患者会連絡会議(代表 長谷川 一男)連盟による厚生労働大臣への要望
抗PD-1抗体ニボルマブ(オプジーボ®)のDPC出来高移行への要望
http://www.haigan.gr.jp/uploads/files/photos/1078.pdf
※この要望書は12月11日に厚生労働大臣宛てに提出済です。
3)肺がんの患者さん・ご家族・関係者へのお願い
http://www.haigan.gr.jp/uploads/files/photos/1085.pdf
2015年12月18日
日本肺癌学会理事長 光冨徹哉