第2章 肺がんの診断に必要な検査
Q11
肺以外も調べるのですか~病期診断のための検査~

 肺がんに対する治療の方針は,肺がんのひろがりの程度を表す臨床病期(ステージ,Q28参照)に応じて決定します。臨床病期の評価のためには,肺を含む胸部の臓器を調べるのはもちろん,肺以外の全身の臓器を調べる必要があります。最近では,胸腹部CT検査,頭部MRI検査,PET/CT検査の3種類の検査を行い,臨床病期を決定することが多くなっています。

A
1.CT検査(図1)

 CT検査は肺がんの検査として欠かせない検査です。CT検査はX線検査を発展させたもので,からだの断面や立体的な像を撮ることができます。がんの大きさや場所,リンパ節転移の有無,腹部臓器への転移の有無(腹部超音波検査を使用することもあります)などを評価します。

2.MRI検査(図2)

 MRI検査は,磁気じきの力(りょく)を利用することで,からだの内部を画像化する検査です。主に脳転移や骨転移の状態を詳しく知るために行われます。CT検査と比べて検査時間が長く,検査中は大きな音がします。また,磁力を利用するため,検査室への金属の持ち込みは禁止されており,ペースメーカーなど体内に金属を入れている人は検査を行うことができるか確認が必要です。

3.PETペット/CシーTティー検査(図3)

 PET/CT検査は,アイソトープ(放射性物質)を目印としてつけたブドウ糖に類似した物質を静脈に注射し,その取り込みの分布を撮影することで全身のがん細胞を検出する検査です。がん細胞は分裂増殖が盛んなため,正常な細胞よりも多くのブドウ糖を必要とします。そのため,ブドウ糖に放射性物質をつけた薬を注射すると,どこに薬が集まっているかをみることでがんの大きさや場所,リンパ節転移の有無に加え,脳以外の臓器への転移を評価することができます。

4.こつシンチグラフィ検査(図4)

 骨への転移を調べるアイソトープ(放射性物質)を用いた検査です。放射性物質を目印としてつけた,骨の代謝が活発な部分に集まる性質をもつ薬剤を静脈に注射して,その取り込みの分布を調べます。PET/CT検査ができない場合に,骨転移を調べる目的で使用されることがあります。

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