進展型小細胞肺がんとは,放射線を照射できる範囲を越えて,がんがひろがっている小細胞肺がんのことであり,化学療法による治療が推奨されます。
一般的には,限局型小細胞肺癌(Q72参照)の範囲を超えて,癌が広く体内に存在する状態を言います。具体的には,
そこで,進展型小細胞肺がんの治療に最も勧められるのは,全身にいきわたるように抗がん剤(細胞傷害性抗がん薬)を投与する方法(化学療法)です(Q28参照)。
転移による症状がある場合も,化学療法で症状が改善することの多い病気です。しかし,化学療法で改善しない場合,あるいは化学療法のみでは改善しないと予想される場合は,症状をやわらげる目的で放射線療法を行うこともあります。
小細胞肺がんの場合,胸水や心嚢水は化学療法で改善することが多いのですが,大量の胸水がたまり息苦しさなどの症状が強い場合や,化学療法の効果が間に合わないと判断されるときには,チューブを胸腔に入れて胸水を抜く必要があります(胸腔ドレナージ,Q56参照)。