担当医から説明を受けて,併存疾患も含め,ご自身の病状をよく理解しておきましょう。とくに注意すべきことは,治療に伴う副作用と病状が進行した場合の対処です。
副作用では,早急に対処しないと命に関わる症状についてよく理解しておきましょう。たとえば,血液中の白血球が減った時期に発熱があれば,早急な対処が必要です。また,薬剤による間質性肺炎も早急な対処が必要です。空咳,息切れ,発熱などの症状が出現または悪化した場合は病院に連絡しましょう。免疫チェックポイント阻害薬で治療を受ける場合は,1型糖尿病,重症筋無力症や下血なども問題になります。担当医や薬剤師,看護師にどのような症状が出現する可能性があるのか,対処法や必要時どこに連絡をすればよいのかご確認ください。
肺がんの病状については,今後どのような症状が出てくる可能性があるのか,その対処法についても確認しておきましょう。
生活一般については,その質を落とさないように医療スタッフと話し合いましょう。抗がん剤(細胞傷害性抗がん薬)による治療で白血球の数が少なくなる可能性がある場合に,「生もの」は食べないように指導する医療機関もありますが,根拠はありません。通常は普通の食生活が可能です。当然ですが,「食中毒」にならないような注意は必要です。
仕事がある方は,会社勤めの場合は担当者や産業医と話し合う機会をもつようにしましょう。必要なときには病院の担当者と連携をとるとよいでしょう(Q19参照)。