Ⅴ.緩和ケア
1
緩和ケア
文献検索と採択
- 文献検索期間
-
- 2010年1月1日から2023年11月30日
- 文献検索方法
-
- キーワード:肺癌,進行期,緩和ケア(1.lung neoplasm or lung cancer,2.advanced or metastatic,3.palliative care),悪液質,グレリン受容体刺激薬
- 医学図書館協会の協力を得て詳細な検索を行い,各CQにおいて採用を検討した。
- 採択方法
-
- 文献はメタアナリシス,ランダム化比較試験,システマティックレビュー,ガイドラインを中心に抽出した。
- これ以前の文献でも,今回の新規作成に際し重要と考えられたものについては採用としている。
- リミテーション
-
- 第三者による文献検索として,医学図書館協会の協力を得て文献検索を施行した。ただし,最終的にはGRADEのシステマティックレビュー表を作成せず,検索結果を参照しつつ,本CQと解説文に必要な文献を委員のコンセンサスのもと採用した。
- 「緩和ケア」という用語をガイドラインに採用するうえで,本邦の臨床現場では,がん治療に携わる医療者が初期対応として緩和ケアを行う場合,緩和ケア専門医も介入する場合,専門チームで協働包括的緩和ケアを行う場合など様々なレベルがあることが討議された。今回採用したエビデンスの程度が高い臨床研究では,診断早期からの協働包括的緩和ケア(本ガイドラインでは「診断早期の専門的な緩和ケア」と定義)が行われているものが多く,本邦の日常臨床における緩和ケアとは状況が異なっている可能性が話し合われた。
- 診断早期からの専門的な緩和ケアのエビデンスは,多くが欧米での臨床研究に基づくものであった。本邦における医療者と患者・家族の関係性の違い,がん診療の状況,臨床への宗教の関与や保険制度の違い等が欧米と異なることは認識しておく必要がある。
- 「エビデンスの強さ」の決定については,エビデンス総体は作成していないが,それに準じた考え方で,取り上げられた文献全体に対して,緩和医療小委員会の全委員(医師)で検討して決定した。
- 「推奨度」の決定については,緩和医療小委員会の全委員と外部委員(患者代表1名,看護師代表1名を含む)で投票を行った。いずれも,少人数での検討および投票となった。
本文中に用いた略語および用語の解説
ASCO | American Society of Clinical Oncology | |
---|---|---|
BMI | body-mass index | |
CES-D | Center for Epidemiologic Studies Depression Scale | うつ病(抑うつ状態)自己評価尺度 |
ECOG | Eastern Cooperative Oncology Group | |
ENABLE | Educate, Nurture, Advise, Before Life | |
ESMO | European Society of Medical Oncology | 欧州臨床腫瘍学会 |
FACIT-Pal | Functional Assessment of Chronic Illness Therapy-Palliative Care |
|
FACT-L | Functional Assessment of Cancer Therapy-Lung | |
GH | growth hormone | 成長ホルモン |
HADS-D | Hospital Anxiety Depression Scale-Depression | 不安抑うつ尺度の抑うつドメイン |
IGF-1 | insulin-like growth factor 1 | インスリン様成長因子-1 |
OS | overall survival | 全生存期間 |
PHQ-9 | Patient Health Questionnaire | 患者さんの健康に関する質問票-9 |
PRO | Patient Reported Outcome | 患者報告アウトカム |
PS | performance status | 全身状態 |
QOL | quality of life | 生活の質 |
QUAL-E | Quality of Life at the End of Life |
CQ1.
進行・再発肺癌患者に対して,診断早期からの専門的な緩和ケアの提供は勧められるか?
- 推 奨
- 進行・再発肺癌患者に対して,診断早期からの専門的な緩和ケアの提供を行うよう強く推奨する。
〔推奨の強さ:1,エビデンスの強さ:B〕
進行・再発肺癌患者に対して,診断から治療開始後の早期に,専門的な緩和ケアの提供が有用であることが,複数のランダム化比較試験で示されている。
Bakitasらは,進行癌患者332人(うち肺癌117人)を対象にランダム化比較試験(ENABLEⅡ試験)を行い,特別に訓練された専門看護師による緩和ケア介入(心理・社会・身体に関する教育指導と,毎月の電話によるニードのフォロー)併用群では,死亡前1~3週間のQOL(FACT-L),抑うつ(Epidemiological Studies Depression Scale)が対照群に比し有意に改善することを報告した1)。
Temelらは,“early palliative care;early PC”を「診断早期(診断から8週間以内)に緩和ケア専門医と専門看護師からなるチームが月1回以上関わること」としたうえで,新たに診断された進行非小細胞肺癌患者151人を対象としたランダム化比較試験を実施した。本試験対象患者の約半数はプラチナ製剤併用療法を,それ以外の患者も何らかの薬物療法を受けていた。Early PC併用群では主要評価項目である12週後のQOL(FACT-L),抑うつ(HADS-D,PHQ-9)が対照群に比較し有意に良好であり,OSが延長していた2)。
Bakitasらは,進行癌患者207人(うち肺癌88人)を対象に,緩和ケア介入(ENABLEⅡ試験と同様の介入)のタイミングを比較するランダム化比較試験(ENABLEⅢ試験)を行った。本試験では進行癌の診断から30~60日に介入する群を早期介入群,診断後3カ月以降に介入する群を晩期介入群とした。主要評価項目であるQOL(FACIT-Pal),symptom impact(QUAL-E),mood(CES-D)のPROは両群間で有意差を認めなかったが,副次評価項目の1つである1年生存率は有意に早期介入群で良好であった3)。
Temelらのランダム化比較試験はその後二次解析が行われ,early PC群の介入内容に関する質的解析では,主に症状マネジメント,コーピング(個人がもつストレス対処法)の支援・強化,病状理解や生命予後についての認識の啓発支援が行われたことが示された4)。また,early PC群では,大うつ病が改善し5),終末期緩和ケアへの移行の割合が高く6),治療の目標や予後についての理解が良好であることが7),対照群との違いとして挙げられた。これらから,専門家によるearly PCは,苦痛症状の緩和,適切なコーピング,腫瘍医との率直なコミュニケーションと適切な治療選択に好影響を与えて,健康行動を促すことなどが,有用性の理論的根拠として考えられている。
海外のガイドラインをみると,ESMOの進行非小細胞肺癌に対する臨床ガイドラインでは,「早期からの専門的な緩和ケアは標準的な腫瘍学的ケアと併用される」ことが推奨(IA)されており8),ASCOの臨床ガイドラインでも,「進行癌患者に対して早期の段階で“interdisciplinary palliative care;interdisciplinary PC”(協働包括的緩和ケア)を積極的治療と同時に提供する」ことが推奨(エビデンスレベル:中,推奨レベル:強)されている9)。
一方で,肺癌患者を含む進行癌患者を対象としたランダム化比較試験では,早期からの専門的な緩和ケア群でQOL改善傾向は認めたものの有意差は示さなかった10)11)。さらに,専門的な緩和ケアがすべての患者に有用かどうか,専門的な緩和ケアを誰がどのように行うかについては様々な議論があり,費用対効果のある緩和ケア提供モデルの確立,患者・家族に利益をもたらすメカニズムの解明とそれに基づく具体的な方法論の確立が必要である12)。
以上より,進行・再発肺癌患者に対して,診断から治療開始後の早期に専門的な緩和ケアの提供を行うことを推奨する。エビデンスの強さはB,また総合的評価では行うよう強く推奨(1で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。
行うことを 強く推奨 |
行うことを 弱く推奨 |
推奨に至る根拠が 明確ではない |
行わないことを 弱く推奨 |
行わないことを 強く推奨 |
---|---|---|---|---|
100% (9/9) |
0% | 0% | 0% | 0% |
CQ2.
進行・再発肺癌患者に対して,提供すべき診断早期の専門的な緩和ケアはどのようなものか?
- 推 奨
- Interdisciplinary PC(協働包括的緩和ケア)チームにより,以下の内容が実践されることを強く推奨する。
・患者および家族を含む患者の生活支援者と医療スタッフとの間の意思疎通をはかり信頼関係を構築する
・患者の身体的苦痛,心理・社会的苦痛などトータルペインを評価し緩和する
・疾患と予後についての理解度を評価し,正確な理解を促す
・治療の目標を明確にする
・患者のコーピングを評価し,支援・強化する
・医学的な意思決定をする際の支援を行う
・他の医療・ケア提供者との協調が保てるようにする
・必要時は他の医療・ケア提供者に紹介を行う
〔推奨の強さ:1,エビデンスの強さ:C〕
診断早期の専門的な緩和ケアは,患者の状態や状況にあわせて患者個々の希望や意向を最大限に叶えることができるように提供すべきである13)。この理念に基づき施行され,実際にQOLの改善を認めた複数の第Ⅲ相試験から,提供する緩和ケアの内容はいずれも上記推奨文中に記載された8項目に集約された2)3)11)。ASCOの臨床ガイドラインにおいても同8項目が挙げられている9)。なお,ここでいうコーピングとは,がん患者および家族が抱える不安やストレスへの対処法のことを指す。
臨床試験の中で構築されたこれらの8項目を実践するための協働包括的緩和ケアチームには,緩和ケアの専門医,専門看護師,ソーシャルワーカー,リハビリの専門家(リハビリテーション科医,理学療法士,作業療法士),精神科医,心理士,宗教家などが含まれていた2)3)11)。がん治療に携わる医療者(がん治療チーム)自らも緩和ケアの提供者となることが理想的であるが,身体的苦痛・精神的苦痛・スピリチュアルな苦痛などのトータルペインのアセスメントや,予後についてのできるだけ早い対話など,がん治療チームが実施するのに難渋する内容も提供すべき早期の緩和ケアに含まれており,これを協働包括的緩和ケアチームを介して提供することに臨床的意義があると考えられる。
診断早期の専門的な緩和ケアの8項目については,ほぼすべてが欧米での臨床研究に基づくものであり,医療者と患者家族の関係性の違い,本邦におけるがん診療の状況(現場),臨床への宗教の関与や保険制度の違いなどと,かなり異なることは認識しておく必要がある。したがって,本邦における協働包括的緩和ケアチームの具体的なメンバーや,早期の緩和ケアとして提供すべき内容については,本邦での検証を含め今後さらなる検討が必要である。
以上より,進行・再発肺癌患者に対して,提供すべき診断早期の専門的な緩和ケアについては,多職種で構成された協働包括的緩和ケアチームによる前述8項目の実践が推奨される。エビデンスの強さはC,また総合的評価では行うよう強く推奨(1で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。
行うことを 強く推奨 |
行うことを 弱く推奨 |
推奨に至る根拠が 明確ではない |
行わないことを 弱く推奨 |
行わないことを 強く推奨 |
---|---|---|---|---|
78% (7/9) |
22% (2/9) |
0% | 0% | 0% |
CQ3.
悪液質を呈する切除不能・進行非小細胞肺癌患者に選択的グレリン受容体刺激薬投与は勧められるか?
- 推 奨
- 選択的グレリン受容体刺激薬(アナモレリン)投与を行うよう弱く推奨する。
〔推奨の強さ:2,エビデンスの強さ:C〕
悪液質は,従来の栄養補助だけでは十分に回復できない,進行性の機能障害をもたらす持続的な骨格筋量の減少である14)。食事摂取量の減少や代謝異常のために蛋白合成・分解のバランスやエネルギーバランスがマイナスに傾き骨格筋量が減少すると考えられている。
グレリンは胃から分泌される摂食亢進ペプチドであり,視床下部に働き摂食促進作用を生じるとともに,成長ホルモン(GH)やインスリン様成長因子-1(IGF-1)分泌促進作用により筋蛋白質合成を促進する15)。アナモレリンはグレリン受容体に作用して食欲亢進やGH分泌を促進するグレリン様作用薬である。
悪液質を呈する進行非小細胞肺癌患者に対するグレリン受容体刺激薬の有用性については複数の報告がある。Temelらは6カ月間で5%以上の体重減少があるか,BMI<20 kg/m2の非小細胞肺癌患者に対してアナモレリンとプラセボの比較試験を行い,12週間の観察期間においてアナモレリン群はプラセボ群と比較し除脂肪体重を有意に増加させ(ROMANA1試験で0.99 kg vs -0.47 kg,ROMANA2試験で0.65 kg vs -0.98 kg),食欲不振-悪液質症状スケール(食欲不振,悪液質のQOL調査票)も有意に改善したと報告している16)。しかし,握力や倦怠感スケールには有意差を認めなかったとも報告している。この研究で得られた体重増加の効果はその後さらに12週間治療を継続した間維持されたことが報告されている17)。本邦においてもKatakamiらにより同様の研究が行われ,6カ月間で5%以上の体重減少があり食欲不振,倦怠感,筋力低下などを有する非小細胞肺癌患者において,アナモレリン群はプラセボ群と比較して除脂肪体重を有意に増加させた(1.38 kg vs -0.17 kg)と報告した18)。この研究では体重の増加は開始後3週の時点で認められ,12週目までこの体重が維持されたことが報告されているが,一方で握力や6分間歩行距離には有意差を認めなかった。有害事象としては房室ブロックが6%,糖尿病が3.6%,皮疹が6%に認められた。これまでの報告を総括すると,アナモレリンは悪液質を呈する切除不能・進行非小細胞肺癌患者に対して除脂肪体重の増加と食欲亢進の効果を有し,一方で握力や歩行などの身体機能改善の効果は証明されていないと考えられる。また,これらの研究はいずれもECOG performance status(PS) 3以上の患者群を対象としていないこと,前述のKatakamiらの報告のpost hocのサブグループ解析19)ではPS 2の患者群では除脂肪体重,体重,食欲はいずれも有意な改善がなかったと報告されていることに留意する必要がある。
以上より,悪液質を呈する切除不能・進行非小細胞肺癌患者に選択的グレリン受容体刺激薬を投与することを推奨する。エビデンスの強さはC,また総合的評価では行うよう弱く推奨(2で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。
行うことを 強く推奨 |
行うことを 弱く推奨 |
推奨に至る根拠が 明確ではない |
行わないことを 弱く推奨 |
行わないことを 強く推奨 |
---|---|---|---|---|
0% | 100% (14/14) |
0% | 0% | 0% |
- 1)
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