第3章 肺がんと診断されたらまず知って欲しいこと
Q18
このガイドブックだけではもの足りません。どのように情報を集めればよいですか

 病気や医療に関する情報の集め方には「コツ」があります。自分にとって役に立つ情報を探すのは,意外と難しいものです。このガイドブックには,肺がん患者さんにとって役に立つ,信頼できる情報が集められており,肺がんと疑われたとき,診断されたとき,治療を受けるときなど,そのときどきに応じて有益な内容がまとめられています。一方で,インターネットでは,いくつかのキーワードを入力するだけで,たくさんの情報に簡単に触れることができます。しかし,なかには信頼性に乏しいものや,根拠が不完全なものがあります。健康や医療に関する情報の中には,自分に当てはまらないために過剰な期待や不安にさいなまれてしまう内容があるのが現状です。治療や今後の療養,生活についての方針を考えていくうえで,「情報を見きわめる力」を身につけるようにしましょう。

1. 担当医は最大の情報源,話し合える関係を作りましょう

 あなたのがんの状態や治療に関して一番詳しいのは,担当医です。その意味で,担当医をはじめとして医療者は最大の情報源です。ご自身の状態,勧められる治療,ほかの選択肢,治療後のケアや生活についてなど,疑問や不安があるときは,なるべく早いうちに解消できるようにしましょう。担当医に質問しにくいことや,十分な時間をとれないときには,看護師やがん相談支援センターの相談員(Q22参照)などに相談してみましょう。

2. 知りたいこと,わからないことをメモにしてみましょう

 知りたい情報は何かについて,メモに書きとめてみましょう。時期によって必要とする情報の中身は変わってきます。また,「がんの治療」といっても,治療効果・副作用・後遺症・生活への影響・費用のことなど,さまざまな視点からの情報が必要になることがあります。これらを事前に書きとめておくことで,診察や相談,話し合うときに自分の思いや不安を伝えやすくなります。

3. 情報源を確認,役に立つ情報を見きわめましょう

 国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」など,信頼できる情報源を活用するようにしましょう。複数の情報をひろい読みするより,国や公的機関,がんに関する学会などで複数の専門家によって作成された情報をじっくり読み込むことで,自分自身に当てはまる情報にたどりつくことができます。

4. 良いことばかり書いてある情報や偏った情報に注意しましょう

 特定の治療に誘導しようとしていないか,薬や食品などの企業による広告ではないかを確認し,効果を誇張したり,副作用がないことを強調したりしていないか,冷静な視点で見つめてみましょう(Q19参照)。医療者や周りの人に,アドバイスを受けるのもよいでしょう。がん相談支援センターでは,情報を見つけるアドバイスを受けることもできます。

5. 得られた情報をもとに,医療者や周りの人と話し合ってみましょう

 集めて得られた情報をもとに,ご自分で取り入れて行動する前に,担当医や家族,周りの人と話し合ってみましょう。話し合うことで,自分の大切にしたいことや,不安なことについて相手に伝えることができ,お互いを理解することにつながります。すぐに解決することができなくても,不安を解消するヒントやきっかけが得られることがあります。

参考情報

 がんの診断や治療の流れ,療養生活での不安や悩みへの対応など,がんに関するさまざまな情報が紹介されています。

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がん情報サービス(国立がん研究センターがん対策情報センター)
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