第4章 治療の概要 4-2.放射線治療
Q35
放射線の線量とは何のことですか。肺がんではどれくらいの線量や回数をあてるのですか

 放射線の線量放射線の線量を示す単位には,照射線量を示すC/Kg(クローン毎キログラム)や吸収線量を示すGy(グレイ),実効線量を示すSv(シーベルト)などがあります。通常の放射線療法では,病変に吸収される放射線の量を示す単位「Gy」を用います。は,病変に吸収される放射線の量を示す単位Gy(グレイ)で表示されます。

 放射線療法ではがんの病変に十分な線量を照射すれば確実に効果が出るのですが,一方で正常組織に余計な損傷をきたさない程度の線量以下にとどめる必要があり,十分な線量を照射できない場合もあります。肺がんの場合も,肺は放射線に比較的弱いため,非小細胞肺がんに対する胸部照射は,1回2 Gyの照射を週5回,合計6週間で60 Gy程度行うのが標準的です。一方,小細胞肺がんに対しては,1回1.5 Gyの照射を1日2回,週5日照射(加速過分割照射かそくかぶんかつしょうしゃ通常の照射は1日1回の照射ですが,増殖速度の速い小細胞肺がんでは,1日2回の照射を行い,照射期間を短縮させると効果が高くなることがわかっています。)し,合計3週間で45 Gy照射するのが標準的です。骨や脳への転移に対する照射の場合は1日で行うものから2週間程度かけるものまでさまざまです。

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