第7章 小細胞肺がんの治療
Q70
小細胞肺がんとはどのような肺がんですか

 小細胞肺がんは,肺がんの約10%を占めていて,肺がんの組織型の中では3番目に多いものです。タバコとの関係が強いがんのひとつです。

 小細胞肺がんは,ほかの組織型と比べて進行が速く転移しやすいため,外科治療(手術)が可能な時期に発見されることは少なく,手術が行われることはまれです。手術は通常,Ⅰ期(ほかの臓器やリンパ節に転移が認められない状態)以外では行われません。一方で,抗がん剤(細胞障害性抗がん薬)による治療(化学療法)や放射線療法の効果は高く,治療による生存期間の延長が期待できるがんです。また,積極的な治療によって症状がやわらげられたり,症状が出てくるのを遅らせることができます。

 小細胞肺がんは,進行度によって「限局型げんきょくがた」と「進展型しんてんがた」に分けられます(非小細胞肺がんのようなⅠ〜Ⅳ期の分類法は,手術が選択されることが少ないため,小細胞肺がんではあまり使われません)。

 小細胞肺がんでは,NSEエヌエスイーProプロGRPジーアールピーといった血中の腫瘍マーカーが陽性になることが多く,腫瘍マーカー上昇だけでは診断できませんが,数値の変化は治療効果の目安として利用されます。

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