小細胞肺がんに対する治療法は,約20年にわたって抗がん剤(細胞障害性抗がん薬)が中心でした。しかし,これまで非小細胞肺がんで主に用いられてきた「免疫チェックポイント阻害薬」が小細胞肺がんにも用いられるようになりました。
治療を受けたことのない,進展型小細胞肺がん患者さんを対象として,カルボプラチン+エトポシドという抗がん剤(CE療法)に加えて,「アテゾリズマブ」という免疫チェックポイント阻害薬を投与された患者さんは,抗がん剤だけを投与された患者さんより無増悪生存期間(病気が進行するまでの期間)や生存期間を延長することが示されました。この結果を受けて,免疫チェックポイント阻害薬を抗がん剤と併用する治療法が標準治療のひとつとなりました。
一方で,免疫チェックポイント阻害薬を使うことが勧められない患者さんや,からだの状態によっては,これまで用いられてきた抗がん剤による治療を勧められる場合もあります。また,すでに治療を受けたことのある患者さんでは免疫チェックポイント阻害薬を使うことは勧められませんので,担当医とよく相談することが必要です。