第7章 小細胞肺がんの治療
Q77
小細胞肺がんが再発したといわれました。治療はできますか

 いったん消えたり小さくなったがんが,また見えるようになったり大きくなってきたり,初めはがんがなかった肺のほかの部分や,ほかの臓器に転移を起こした場合を再発さいはつ再燃さいねんといいます。再発・再燃と判断するためにはCT,MRI,PETなどの画像検査を受けることが必要です。腫瘍マーカーが増える場合がありますが,マーカーだけでは再発とはいえませんので,さらなる画像検査が必要です(Q9参照)。

 小細胞肺がんが再発した場合の標準治療は,定まっていません。しかし,最初の治療が終了してから90日以上経ってから再発した場合は,抗がん剤(細胞障害性抗がん薬)での治療(化学療法)により生存期間の延長効果が得られる可能性が高く,化学療法を行うことが勧められます。ノギテカン,アムルビシンという抗がん剤をそれぞれ単独で投与する方法が有効と考えられています。また,副作用のおそれはあるものの,シスプラチン+エトポシド+イリノテカン(PEIピーイーアイ)療法も標準治療のひとつです。そのほかに,最初の治療と同じ化学療法が再び行われることがあります。

 一方,最初の治療終了後,あまり時間が経過せずに再発が起こった場合,あるいは最初の治療中に再発した場合にも,アルムビシンによる治療が勧められています。また,再発部位に対する放射線療法や,症状緩和を目的とした治療が行われます。

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