Ⅱ.治 療

1

外科治療

文献検索と採択

文献検索期間
  • 1990年1月1日から2021年11月30日
文献検索方法
  • キーワード:CQ1(Malignant pleural mesothelioma, Surgery, Extrapleural pneumonectomy, Pleurectomy/decortication, Stage, Lymphatic metastasis),CQ2(Malignant pleural mesothelioma, Surgery, Extrapleural pneumonectomy, Pleurectomy/decortication),CQ3(Malignant pleural mesothelioma, Surgery, Extrapleural pneumonectomy, Sarcomatoid, Biphasic),CQ4(Malignant pleural mesothelioma, Chemotherapy, Multimodality therapy, Immunotherapy, Talc pleurodesis)
  • 国際医学情報センターの協力を得て以下の検索式で検索を行い,各CQにおいて採用を検討した。
検索式(検索日:2022年1月11日)
CQ1
#1 悪性胸膜中皮腫×手術
#2 #1×(ステージⅠ-Ⅲ,T2-3,縦隔リンパ節転移)
#3 #1×(EPP×P/D)
#2~#3
CQ2
#1 悪性胸膜中皮腫×手術
#1×(EPP×P/D)
CQ3
#1 悪性胸膜中皮腫×手術
#1×(肉腫型,二相型)
CQ4
#1 悪性胸膜中皮腫×(化学療法+免疫療法)
#1×周術期
採択方法
  • 文献はメタアナリシス,第Ⅲ相試験,第Ⅱ相試験を中心に抽出した。なお,論文化されていない重要な学会報告は上記以外でも採用した。
  • これ以前の文献でも,今回の改訂に際し重要と考えられたものについては採用としている。

本文中に用いた略語および用語の解説

CDDP シスプラチン
GEM ゲムシタビン
PEM ペメトレキセド
 
ARDS acute respiratory distress syndrome 急性呼吸促迫症候群
BSC best supportive care ベストサポーティブケア
CI confidence interval 信頼区間
EPP extrapleural pneumonectomy 胸膜肺全摘術
NCD National Clinical Database
NCDB National Cancer Database
OS overall survival 全生存期間
P/D pleurectomy/decortication 胸膜切除/肺剝皮術(壁側胸膜臓側胸膜全切除術)
PFS progression free survival 無増悪生存期間
QOL quality of life 生活の質
RFS relapse-free survival 無再発生存期間
 
IASLC International Association for the Study of Lung Cancer
SEER Surveillance, Epidemiology, and End Results

CQ1.

臨床病期Ⅰ-ⅢA期の切除可能中皮腫に対して手術は勧められるか?

推 奨
臨床病期Ⅰ-ⅢA期で術後に肉眼的完全切除を得られると考えられる症例に対して外科的切除を行うことを推奨する。

〔推奨の強さ:1,エビデンスの強さ:B,合意率:80%〕

解 説

 胸膜肺全摘術(EPP)とベストサポーティブケア(BSC)を比較するシステマティックレビューにおいては,1つのランダム化比較試験と13の非ランダム化比較試験がまとめられている。胸膜切除/肺剝皮術(P/D)とBSCを比較するシステマティックレビューにおいては,11の非ランダム化比較試験がまとめられている。また,EPPが行われた34の非ランダム化比較試験をまとめたシステマティックレビュー,および,P/Dが行われた34の非ランダム化比較試験をまとめたシステマティックレビューが存在する。さらに,大規模なデータベースを元にした後方視的研究が4件,本邦における非ランダム化第Ⅱ相試験が2つある。

臨床病期Ⅰ-ⅢA期に外科治療を行うことは勧められるか?

 OS:EPPとBSCを比較するシステマティックレビューにおいては,EPP群とBSC群でOS中央値がそれぞれ11.5-29カ月と7カ月であった1)

 P/DとBSCを比較するシステマティックレビューにおいて,P/D群とBSC群のOS中央値はそれぞれ15.3カ月,7.1カ月(P<0.000)と有意に良好であった2)

 34の非ランダム化比較試験をまとめたシステマティックレビューにおいて,EPPを含む集学的治療を受けた患者のOS中央値は9.4~27.5カ月であった3)

 34の非ランダム化比較試験(1,916症例)をまとめたシステマティックレビューにおいて,P/Dを受けた患者のOS中央値は7.1~31.7カ月,RFS中央値は6~16カ月であった4)

 イタリア6施設で1982年9月~2012年9月に生検された連続1,365人の中皮腫患者の多施設後方視的研究では,1,365人の中皮腫患者において,非手術群(化学療法またはBSC),P/D,EPPのOS中央値はそれぞれ11.7(range:10.5-12.5),20.5(95%CI:18.2-23.1),18.8(95%CI:17.2-20.9)と,手術群で有意に良好であった5)。しかし,予後良好なグループ(70歳以下,上皮型,化学療法実施)に限れば,化学療法群,P/D,EPPのOS中央値はそれぞれ18.6(95%CI:16.2-24.9),24.6(95%CI:20.5-29.0),20.9(95%CI:17.6-23.4)と有意差を認めなかった。

 また,SEERデータベースの5,937人を,cancer-directed surgeryを受けたものを介入群(1,317人),受けなかったものを対照群(4,587人)としたところ,背景因子を補正してもcancer-related surgeryにsurvival benefit(生存利益)があった6)

 本邦におけるEPPを含む集学的治療に関する第Ⅱ相臨床試験において42例の登録患者におけるOS中央値は19.9カ月であった7)

 本邦におけるP/Dを含む集学的治療に関する第Ⅱ相臨床試験において24例の登録患者におけるOS中央値は41.4カ月であった8)

 カナダにおける大規模病院でのP/Dを含む集学的治療を行った群(106人)と姑息的化学療法もしくはBSC群(98人)で比較した検討ではOS中央値は32カ月,10カ月と,集学的治療群で有意に良好であった9)

 また,IASLCによる1995~2013年の大規模国際登録の解析調査において,cT因子別のOS中央値はcT1 27.0カ月,cT2 19.0カ月,cT3 16.7カ月であったが,外科治療の有無についての記載はない10)

 RFS:34の非ランダム化比較試験をまとめたシステマティックレビューにおいて,EPPを含む集学的治療を受けた患者のRFS中央値は7~19カ月であった3)

 34の非ランダム化比較試験(1,916症例)をまとめたシステマティックレビューにおいて,P/Dを受けた患者のRFS中央値は6~16カ月であった4)

 本邦におけるEPPを含む集学的治療に関する第Ⅱ相臨床試験において42例の登録患者における2年無再発率は37.0%,RFSは11.0カ月であった7)

 本邦におけるP/Dを含む集学的治療に関する第Ⅱ相臨床試験において24例の登録患者における2年無再発率は38.9%,PFSは20.5カ月であった8)

 術後死亡率:EPPとBSCを比較するシステマティックレビューにおいては,EPP群の30日死亡率は7.8%であった1)

 P/DとBSCを比較するシステマティックレビューにおいて,P/D群の手術死亡率は9.1%であった2)

 34の非ランダム化比較試験をまとめたシステマティックレビューにおいて,EPPを含む集学的治療を受けた患者の周術期死亡率は0~11%であった3)

 34の非ランダム化比較試験(1,916症例)をまとめたシステマティックレビューにおいて,P/Dを受けた患者の周術期死亡率は0~11%,周術期合併症発生率は13~43%であった4)

 イタリア6施設の多施設後方視的研究では,P/D群の30日および90日手術死亡率はそれぞれ2.6%,6.0%,EPP群の30日および90日手術死亡率はそれぞれ4.1%,6.9%であった5)

 本邦におけるEPPを含む集学的治療に関する第Ⅱ相臨床試験において治療関連死亡率は9.5%であった7)

 本邦におけるP/Dを含む集学的治療に関する第Ⅱ相臨床試験において24例の登録患者における術後30日,90日死亡率はいずれも0%であった8)

 本邦におけるNCDを用いた2014~17年に行われた中皮腫根治術についての検討(EPP 279例,P/D 343例)では30日/90日死亡率がそれぞれEPP 1.1%/3.2%,P/D 1.2%/3.2%と両群において差はなかった11)

 北米のデータベースを用いた根治術施行群(EPP 438例,P/D 1,687例)と非手術群(8,598例)では30日/90日死亡率はそれぞれ,EPPで3.0%/8.0%,P/Dで5.4/14.1%,非手術群で9.9%/24.6%であった12)

 術後合併症発生率:34の非ランダム化比較試験をまとめたシステマティックレビューにおいて,EPPを含む集学的治療を受けた患者の周術期合併症発生率は22~82%であった3)

 34の非ランダム化比較試験(1,916症例)をまとめたシステマティックレビューにおいて,P/Dを受けた患者の周術期合併症発生率は13~43%であった4)

 イタリア6施設の多施設後方視的研究では,P/D群,EPP群の術後合併症発生率は,それぞれ10.4%,21.6%であった5)

 本邦におけるEPPを含む集学的治療に関する第Ⅱ相臨床試験においてGrade 3以上の周術期合併症は63.6%にみられた7)

 本邦におけるP/Dを含む集学的治療に関する第Ⅱ相臨床試験において24例の登録患者におけるGrade 3以上の周術期合併症は33.3%にあった8)

 本邦におけるNCDを用いた2014~17年に行われた中皮腫根治術についての検討(EPP 279例,P/D 343例)では術後合併症発生率はEPP 45.2%,P/D 35.9%とEPP群で有意に高かった11)

 QOL:17論文から659症例を抽出した1つのシステマティックレビューによれば,EPP 102症例とP/D 432症例の間の術後のQOLと呼吸機能は,術前と有意な差はなかった13)

 以上の結果より,術前に切除可能と判断された中皮腫において,集学的治療の一環としての根治術(EPPまたはP/D)はBSCを含む非手術群よりも生存率改善に寄与すると考えられる。ただし,いずれの根治術も合併症および手術死亡の発生率が高く,慎重な手術適応決定が重要である。なお,cT2-3の悪性胸膜中皮腫症例において,手術群と非手術群を直接比較した研究はなく,cT因子別による外科治療の可否については今回検討することなく,対象を肉眼的に完全切除が得られると考えられる症例とした。近年,特に本邦では悪性胸膜中皮腫に対する外科治療を含めた集学的治療による生存率改善,有害事象軽減が認められることから,臨床病期Ⅰ-ⅢA期で術後に肉眼的完全切除を得られると考えられる症例に対して外科的切除を行うことを推奨すると判断した(エビデンスの強さはB)。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

投票者の所属委員会:胸膜中皮腫小委員会(患者2名含む)/実施年度:2022年
行うことを
推奨
行うことを
弱く推奨(提案)
推奨度決定不能 行わないことを
弱く推奨(提案)
行わないことを
推奨
80%
(16/20)
20%
(4/20)
0% 0% 0%

CQ2.

耐術能のある切除可能中皮腫には,胸膜肺全摘術(EPP)と胸膜切除/肺剝皮術(P/D)いずれの術式が勧められるか? a.耐術能のある切除可能中皮腫には,術式として胸膜切除/肺剝皮術(P/D)が勧められるか? b.耐術能のある切除可能中皮腫には,術式として胸膜肺全摘術(EPP)が勧められるか?

推 奨
  • a.
  • 耐術能のある切除可能中皮腫には,術式として胸膜切除/肺剝皮術(P/D)を行うことを推奨する。

〔推奨の強さ:1,エビデンスの強さ:B,合意率:65%〕

  • b.
  • 耐術能のある切除可能中皮腫には,術式として胸膜肺全摘術(EPP)を行うことを提案する。

〔推奨の強さ:2,エビデンスの強さ:B,合意率:65%〕

解 説

a.耐術能のある切除可能中皮腫には,術式として胸膜切除/肺剝皮術(P/D)が勧められるか?

 OS:1950~2010年に報告されたP/DとBSCを比較するシステマティックレビューにおいて,P/D群とBSC群のOS中央値はそれぞれ15.3カ月,7.1カ月(P<0.000)と有意に良好であった2)

 1985~2012年に報告された34の非ランダム化比較試験(1,916症例)をまとめたシステマティックレビューにおいて,P/Dを受けた患者のOS中央値は7.1~31.7カ月,RFS中央値は6~16カ月であった4)

 2008~13年に報告された7つの論文からP/D 513症例とEPP 632症例を抽出してメタアナリシスを行ったシステマティックレビューによれば,P/D後のOS中央値は13~29カ月であった15)

 1990~2014年に報告された24のデータセットからP/D 1,512症例とEPP 1,391症例を集積し,P/DとEPPを比較した別のメタアナリシスでは,2年死亡率は25%であった16)

 米国NCDBを用いたコホート研究(2004~13年の症例が対象,P/D 1,036例,EPP 271例)では,OS中央値はP/Dで16カ月であった17)

 イタリア6施設で1982年9月~2012年9月に生検された連続1,365人の中皮腫患者の多施設後方視的研究では,1,365人の中皮腫患者において,非手術群(化学療法またはBSC),P/D,EPPのOS中央値はそれぞれ11.7(range:10.5-12.5),20.5(95%CI:18.2-23.1),18.8(95%CI:17.2-20.9)と,手術群で有意に良好であった5)。しかし,予後良好なグループ(70歳以下,上皮型,化学療法実施)に限れば,化学療法群,P/D,EPPのOS中央値はそれぞれ18.6(95%CI:16.2-24.9),24.6(95%CI:20.5-29.0),20.9(95%CI:17.6-23.4)と有意差を認めなかった。

 2012~13年に行われた本邦におけるP/Dを含む集学的治療に関する第Ⅱ相臨床試験において24例の登録患者におけるOS中央値は41.4カ月であった8)

 北米の単施設において2007~15年に胸膜切除/肺剝皮術を施行した355例における解析において,OS中央値は23.2カ月で5年生存率が21.2%であった。またT1および上皮型に限ればOS中央値は69.8カ月,5年生存率が54.1%と良好な成績が報告されている14)

 カナダにおける大規模病院でのP/Dを含む集学的治療を行った群(106人)と姑息的化学療法もしくはBSC群(98人)で比較した検討ではOS中央値は32カ月,10カ月と,集学的治療群で有意に良好であった9)

 RFS:1985~2012年に報告された34の非ランダム化比較試験(1,916症例)をまとめたシステマティックレビューにおいて,P/Dを受けた患者のRFS中央値は6~16カ月であった4)

 2012~13年に行われた本邦におけるP/Dを含む集学的治療に関する第Ⅱ相臨床試験において24例の登録患者における2年無再発率は38.9%,PFSは20.5カ月であった8)

 北米の単施設において2007~15年に胸膜切除/肺剝皮術を施行した355例における解析においてP/D後のPFSは全組織型11.7カ月であった14)

 術後死亡率:1950~2010年までに報告されたP/DとBSCを比較するシステマティックレビューにおいて,P/D群の手術死亡率は9.1%であった2)

 1985~2012年に報告された34の非ランダム化比較試験(1,916症例)をまとめたシステマティックレビューにおいて,P/Dを受けた患者の周術期死亡率は0~11%であった4)

 2008~13年に報告された7つの論文からP/D 513症例とEPP 632症例を抽出してメタアナリシスを行ったシステマティックレビューによれば,P/D後の術後死亡率は2.9%でEPP(6.8%)よりも有意に低かった15)

 1990~2014年に報告された24のデータセットからP/D 1,512症例とEPP 1,391症例を集積し,P/DとEPPを比較した別のメタアナリシスでは,術後短期死亡率は1.7%でEPP(4.5%)と比べて有意に低かった16)

 1982年9月~2012年9月に生検された連続1,365人のイタリア6施設における多施設後方視的研究では,P/D群の30日および90日手術死亡率はそれぞれ2.6%,6.0%であった5)

 2012~13年に行われた本邦におけるP/Dを含む集学的治療に関する第Ⅱ相臨床試験において24例の登録患者における術後死亡率は0%であった8)

 本邦におけるNCDを用いた2014~17年に行われた中皮腫根治術についての検討(EPP 279例,P/D 343例)では30日/90日死亡率がそれぞれEPP 1.1%/3.2%,P/D 1.2%/3.2%と両群において差はなかった11)

 米国NCDBを用いたコホート研究(2004~13年の症例が対象,P/D 1,036例,EPP 271例)では,P/D後の30日死亡率は5%でEPP(5%)と同等であった17)

 北米のデータベース(2004~13年の症例が対象)を用いた根治術施行群(EPP 438例,P/D 1,687例)と非手術群(8,598例)では30日/90日死亡率はそれぞれ,EPPで3.0%/8.0%,P/Dで5.4/14.1%,非手術群で9.9%/24.6%であった12)

 北米の単施設において2007~15年に胸膜切除/肺剝皮術を施行した355例における解析においてP/D後の30日死亡率は3.0%,90日死亡率は4.6%であった14)

 術後合併症発生率:1985~2012年に報告された34の非ランダム化比較試験(1,916症例)をまとめたシステマティックレビューにおいて,P/Dを受けた患者の周術期合併症発生率は13~43%であった4)

 1982年9月~2012年9月に生検された連続1,365人のイタリア6施設における多施設後方視的研究では,P/D群の術後合併症発生率は10.4%であった5)

 2008~13年に報告された7つの論文からP/D 513症例とEPP 632症例を抽出してメタアナリシスを行ったシステマティックレビューによれば,P/D後の術後合併症発生率27.9%でEPP(62.0%)よりも有意に低かった15)

 1990~2014年に報告された4のデータセットからP/D 1,512症例とEPP 1,391症例を集積し,P/DとEPPを比較した別のメタアナリシスでは,術後合併症発生率は13.6から33%でEPP(10.4から68.0%)と比べて低かった16)

 2012~13年に行われた本邦におけるP/Dを含む集学的治療に関する第Ⅱ相臨床試験において24例の登録患者におけるGrade 3以上の周術期合併症は33.3%にあった8)

 本邦におけるNCDを用いた2014~17年に行われた中皮腫根治術についての検討(EPP 279例,P/D 343例)ではまた合併症発生率はEPP 45.2%,P/D 35.9%とEPP群で有意に高かった11)

 QOL:17論文から659症例(P/D 432,EPP 102)を抽出した1つのシステマティックレビューによれば,術後のQOLや呼吸機能はEPPよりもP/Dで良好であったが,この論文では姑息目的のVATS pleurectomyもP/D群としており,やや信頼性に欠ける13)

 日本の単一施設におけるP/D前後のQOLについての検討によるとP/D後のQOLや筋力,肺機能検査においては1年後の成績は手術直後よりも有意に高かった18)19)

 まとめ:以上の結果より,術前に切除可能と判断された中皮腫において,集学的治療の一環としてのP/Dを行うことはBSCを含む非手術群よりも生存率改善に寄与すると考えられる。ただし術後死亡率や術後合併症発生率は近年の報告では低下傾向にあるものの依然,高値であり,手術適応については慎重に決定することが重要である。

b.耐術能のある切除可能中皮腫には,術式として胸膜肺全摘術(EPP)が勧められるか?

 OS:1950~2010年に報告されたEPPとBSCを比較するシステマティックレビューにおいては,組織型が上皮型の場合にはEPP群とBSC群でOS中央値がそれぞれ19カ月,7カ月であり外科治療の生存率への寄与が認められた1)

 1985~2010年に報告された34の非ランダム化比較試験をまとめたシステマティックレビューにおいて,EPPを含む集学的治療を受けた患者のOS中央値は9.4~27.5カ月であった3)

 2008~13年に報告された7つの論文からP/D 513症例とEPP 632症例を抽出してメタアナリシスを行ったシステマティックレビューによれば,EPP後のOS中央値は12~22カ月であった15)

 1990~2014年に報告された24のデータセットからP/D 1,512症例とEPP 1,391症例を集積し,P/DとEPPを比較した別のメタアナリシスでは,2年死亡率は23.8%であった16)

 米国NCDBを用いたコホート研究(2004~13年の症例が対象,P/D 1,036例,EPP 271例)では,OS中央値は,EPPで19カ月であった17)

 本邦におけるEPPを含む集学的治療に関する第Ⅱ相臨床試験において42例の登録患者におけるOS中央値は19.9カ月であった7)

 RFS:1950~2010年までに報告された1つのRCTと13の非ランダム化試験をまとめた,EPPとBSCを比較するシステマティックレビューではEPP後のRFSは7.2カ月であった1)

 2008~10年に行われた本邦におけるEPPを含む集学的治療に関する第Ⅱ相臨床試験において42例の登録患者におけるRFSは11.0カ月であった7)

 術後死亡率:1950~2010年までに報告されたEPPとBSCを比較するシステマティックレビューにおいては,EPP群の30日死亡率は7.8%であった1)

 1985~2010年に報告された34の非ランダム化比較試験をまとめたシステマティックレビューにおいて,EPPを含む集学的治療を受けた患者の術後死亡率は0~11.8%であった3)

 2008~13年に報告された7つの論文からP/D 513症例とEPP 632症例を抽出してメタアナリシスを行ったシステマティックレビューによれば,EPPの手術死亡率は6.8%でP/Dよりも有意に不良であった(2.9% vs 6.8%,P=0.02)15)

 1990~2014年に報告された24のデータセットからP/D 1,512症例とEPP 1,391症例を集積し,P/DとEPPを比較した別のメタアナリシスでは,EPPの術後短期死亡率は4.5%でP/Dよりも有意に不良であった(1.7% vs 4.5%,P<0.05)16)

 米国NCDBを用いたコホート研究(2004~13年を対象)では,30日手術死亡率はP/D,EPPともに5%,傾向スコアマッチング分析でも有意差がなかった17)

 2008~10年に行われた本邦におけるEPPを含む集学的治療に関する第Ⅱ相臨床試験において42例の登録患者における手術関連死亡率は9.5%であった7)

 本邦におけるNCDを用いた2014~17年に行われた中皮腫根治術についての検討(EPP 279例,P/D 343例)では30日/90日死亡率がそれぞれEPP 1.1%/3.2%,P/D 1.2%/3.2%と両群において差はなかった11)

 北米のデータベース(2004~13年が対象)を用いた根治術施行群(EPP 438例,P/D 1,687例)と非手術群(8,598例)では30日/90日死亡率はそれぞれ,EPPで3.0%/8.0%,P/Dで5.4/14.1%,非手術群で9.9%/24.6%であった12)

 術後合併症発生率:1950~2010年に報告されたEPPとBSCを比較するシステマティックレビューにおいては,EPP群の術後合併症発生率は37%であった1)

 1985~2010年に報告された34の非ランダム化比較試験をまとめたシステマティックレビューにおいて,EPPを含む集学的治療を受けた患者の術後死亡率は22~82%であった3)

 2008~13年に報告された7つの論文からEPP 632症例とP/D 513症例を抽出してメタアナリシスを行ったところ,EPP後の術後合併症発生率は62.0%でP/D(27.9%)に比べて有意に高かった(P<0.001)15)

 1990~2014年に報告された24のデータセットからP/D 1,512症例とEPP 1,391症例を集積し,P/DとEPPを比較した別のメタアナリシスでは,EPP術後合併症発生率は10.4~68.0%でP/Dに比べて有意に高かった16)

 2008~10年に行われた本邦におけるEPPを含む集学的治療に関する第Ⅱ相臨床試験において42例の登録患者における術後合併症発生率は63.6%であった7)

 本邦におけるNCDを用いた2014~17年に行われた中皮腫根治術についての検討(EPP 279例,P/D 343例)では合併症発生率はEPP 45.2%,P/D 35.9%とEPP群で有意に高かった11)

 QOL:17論文から659症例を抽出した1つのシステマティックレビューによれば,EPP 102症例とP/D 432症例の間の術後のQOLと呼吸機能は,術前と有意な差はなかった13)とされているが,患者背景や術式に差があり信頼性が高くない。

 まとめ:術前に切除可能と判断された中皮腫において,集学的治療の一環としてのEPPを行うことはBSCを含む非手術群よりも生存率改善に寄与すると考えられる。しかしながら,術後死亡率や術後合併症発生率はP/Dと同等もしくはそれ以上に高値であることを踏まえ,手術適応については厳格に決定する必要がある。

 以上より,エビデンスの強さはB,総合的評価においてはEPPとP/Dともに生存期間の延長に寄与すると考えられるが,有害事象の発生頻度は同等もしくはEPPが高いことを考慮し,推奨aについては,耐術能のある切除可能中皮腫には胸膜切除/肺剝皮術(P/D)を行うことを強く推奨(1で推奨)でき,推奨bについては,耐術能のある切除可能中皮腫には胸膜肺全摘術(EPP)を行うことを弱く推奨(2で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

投票者の所属委員会:胸膜中皮腫小委員会(患者2名含む)/実施年度:2022年
行うことを
推奨
行うことを
弱く推奨(提案)
推奨度決定不能 行わないことを
弱く推奨(提案)
行わないことを
推奨
a 65%
(13/20)
30%
(6/20)
5%
(1/20)
0% 0%
b 5%
(1/20)
65%
(13/20)
15%
(3/20)
10%
(2/20)
5%
(1/20)

CQ3.

二相型および肉腫型中皮腫に外科治療は勧められるか?

推 奨
  • a.
  • 二相型中皮腫に外科治療を行うことを提案する。

〔推奨の強さ:2,エビデンスの強さ:B,合意率:65%〕

  • b.
  • 肉腫型中皮腫に外科治療を
    行わない
    ことを提案する。

〔推奨の強さ:2,エビデンスの強さ:B,合意率:70%〕

解 説

a.二相型中皮腫に外科治療が勧められるか?

 OS:EPPを受けた患者の予後因子に関するシステマティックレビューにおいて,非上皮型は17論文中11論文で有意な予後不良因子であった20)

 SEERデータベースの1,183人の検討では,外科治療を受けた上皮型,二相型,肉腫型患者のOS中央値は,19カ月,12カ月,4カ月であった(P<0.01)21)。上皮型および二相型において手術群が非手術群に比べて有意に予後良好であり多変量解析において外科治療が予後良好因子であった。

 米国NCDB 2004~13年の臨床病期Ⅰ-Ⅱ期症例の検討では,手術群と非手術群のOSにおいて,二相型では15.8カ月vs 9.3カ月とそれぞれ有意に手術群が良好であった22)

 北米4施設において2009~16年に治療が行われた213人の二相型中皮腫において,手術を含めた集学的治療群が非手術群に比べて有意に予後良好であり,多変量解析において手術を含めた集学的治療群が予後良好因子であった23)

 1つの単施設後ろ向き研究によれば,二相型中皮腫において,上皮型コンポーネントの割合が独立した予後予測因子である24)。全症例144人において,上皮型の割合が100%(n=77),51~99%(n=39),50%以下(n=28)の患者のOS中央値はそれぞれ20.1カ月,11.8カ月,6.6カ月であった。したがって,二相型中皮腫患者に外科治療を勧めるときには,この点を慎重に検討すべきである。

 RFS:北米の単施設において2007~15年に胸膜切除/肺剝皮術を施行した355例における解析において,二相型のRFSは9.0カ月であった14)

 術後死亡率:米国NCDB 2004~13年の臨床病期Ⅰ-Ⅱ期症例の検討では,術後の30日,90日死亡率は二相型中皮腫で2.5%,13.5%とやや高かった23)

 術後合併症発生率およびQOL:記載はない。

 まとめ:二相型中皮腫患者における外科治療についてはBSC,姑息的治療群に比べて予後の延長が示唆されている。しかしながら外科治療群の予後は上皮型に比べてやや不良で,また術後死亡率についてもやや高値であることを考慮し,外科治療を行うことを提案する。

b.肉腫型中皮腫に外科治療が勧められるか?

 OS:EPPを受けた患者の予後因子に関するシステマティックレビューにおいて,非上皮型は17論文中11論文で有意な予後不良因子であった20)

 SEERデータベースの1,183人の検討では,外科治療を受けた上皮型,二相型,肉腫型患者のOS中央値は,19カ月,12カ月,4カ月であった(P<0.01)21)。肉腫型中皮腫においては手術群と非手術群の間でOSに差はなく予後の延長には否定的であった。

 米国NCDB 2004~13年の臨床病期Ⅰ-Ⅱ期症例の検討では,手術群と非手術群のOSにおいて,肉腫型では7.56カ月vs 4.21カ月,であり外科治療の有効性が示唆された22)

 RFS:北米の単施設において2007~15年に胸膜切除/肺剝皮術を施行した355例における解析において,肉腫型のRFSは4.2カ月であった14)

 術後死亡率:米国NCDB 2004~13年の臨床病期Ⅰ-Ⅱ期症例の検討では,術後の30日,90日死亡率は肉腫型中皮腫で9.7%,29.8%と高かった23)

 術後合併症発生率およびQOL:術後合併症発生率およびQOLについての記載はない。

 まとめ:肉腫型中皮腫患者における外科治療についてはBSC,姑息的治療群に比べて若干の予後の延長が示唆されている。しかしながら外科治療群のOS,RFSともに上皮型に比べて著しく不良で,また術後死亡率についても高値であることを考慮し,外科治療を行わないことを提案する。

 以上より,推奨aについてはエビデンスの強さがB,総合的評価では外科治療を行うよう弱く推奨(2で推奨)する。また,推奨bについてはエビデンスの強さがB,総合的評価では外科治療を行わないよう弱く推奨(2で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

投票者の所属委員会:胸膜中皮腫小委員会(患者2名含む)/実施年度:2022年
行うことを
推奨
行うことを
弱く推奨(提案)
推奨度決定不能 行わないことを
弱く推奨(提案)
行わないことを
推奨
a 5%
(1/20)
65%
(13/20)
10%
(2/20)
20%
(4/20)
0%
b 0% 10%
(2/20)
0% 70%
(14/20)
20%
(4/20)

CQ4.

切除可能な悪性胸膜中皮腫に対し,周術期化学療法は勧められるか?

推 奨
  • a.
  • 切除可能な悪性胸膜中皮腫に対し,術前もしくは術後の化学療法を行うよう推奨する。

〔推奨の強さ:1,エビデンスの強さ:C,合意率:80%〕

  • b.
  • 化学療法レジメンとしてはシスプラチン+ペメトレキセド併用療法を行うよう推奨する。

〔推奨の強さ:1,エビデンスの強さ:C,合意率:85%〕

解 説
  • a.切除可能な悪性胸膜中皮腫症例には,術前または術後のどちらかに集学的治療の一環として化学療法が検討されるが,術前あるいは術後に化学療法を行うことの有用性を手術単独と比較した試験はない。周術期化学療法を術前または術後のどちらに行うべきかの前向き比較試験もない。

     OS:周術期に化学療法を実施した症例を対象とした後ろ向き観察研究があり,術前と術後でOSの有意差は認められなかった(20.9カ月vs 21.7カ月,P=0.500)25)。術前あるいは術後化学療法と胸膜肺全摘術,術後放射線療法を組み合わせた集学的治療に関する複数の第Ⅱ相試験7)26)~28)および前向きコホート研究29)~31)がある。このうちCDDP+PEM併用療法による術前化学療法と胸膜肺全摘術,術後放射線療法を行った3つの第Ⅱ相試験において,OSの中央値は16.8-19.9カ月7)26)27)であった。胸膜剝皮術とCDDP+PEM併用療法による術後化学療法,術後放射線療法を行った前向きコホート研究では,OSの中央値は30カ月,また2年,3年生存率はそれぞれ69%,50%であった30)。術前のCDDP+PEM併用療法と胸膜剝皮術を行った第Ⅱ相試験において,OSの中央値は41.4カ月であった8)

     PFSないしRFS:上述した臨床試験のうち術前あるいは術後に化学療法を行いPFSないしRFSを解析した論文は4編ある。PFSないしRFSの中央値は10.1-13.9カ月7)26)~28)であった。

     RR:術前化学療法のORRに関して,CDDP+PEM併用療法を用いた場合のORRは26.0-40%7)8)26)32)であり,CDDP+GEM併用療法を用いた試験では26%であった32)

     治療完遂率:術前化学療法と胸膜肺全摘術,術後放射線療法を行った場合の治療完遂率は38.1-63.9%であった7)26)~28)32)。術前のCDDP+PEM併用療法と胸膜剝皮術を行った第Ⅱ相試験における治療完遂率は75%であった8)

     化学療法の有害事象:術前化学療法として実施したCDDP+PEM併用療法で,Grade 3以上の消化器毒性,血液毒性,発熱性好中球減少,肺炎,胸痛,肺血栓,低ナトリウム血症の報告がある8)26)

     周術期合併症:CDDP+PEMによる術前化学療法とEPP,術後放射線療法を行う第Ⅱ相試験において,気管支胸膜瘻,敗血症,膿胸,ARDSの報告がある7)26)。手術関連死は6.5%であったとの報告がある27)。術前のCDDP+PEM併用療法と胸膜剝皮術を行った第Ⅱ相試験において,15例中6例(40%)でGrade 3の術後合併症がみられた8)

     QOL:術前化学療法によるQOLの変化について1つの臨床試験があり,術後に身体的なQOLの低下がみられたがその後回復したと報告されている28)

     以上より,エビデンスの強さはC,また総合的評価では,切除可能な悪性胸膜中皮腫に対し術前もしくは術後の化学療法を行うよう強く推奨(1で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

投票者の所属委員会:胸膜中皮腫小委員会(患者2名含む)/実施年度:2022年
行うことを
推奨
行うことを
弱く推奨(提案)
推奨度決定不能 行わないことを
弱く推奨(提案)
行わないことを
推奨
80%
(16/20)
15%
(3/20)
5%
(1/20)
0% 0%
  • b.化学療法レジメンとしてはエビデンスの強さはC,また総合的評価ではCDDP+PEM併用療法を行うよう強く推奨(1で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

投票者の所属委員会:診断小委員会/実施年度:2018年
行うことを
推奨
行うことを
弱く推奨(提案)
推奨度決定不能 行わないことを
弱く推奨(提案)
行わないことを
推奨
85%
(17/20)
10%
(2/20)
5%
(1/20)
0% 0%
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