臨床研究に関するお知らせ(2023.8.18)
胸部悪性腫瘍臨床試験データ統合プロジェクトに関連する臨床試験に参加されたことのある患者さん、そのご家族へ
特定非営利活動法人 日本肺癌学会において、本邦における原発性肺癌を主とした胸部悪性腫瘍のデータベースの構築を試みております。本研究は和歌山県立医科大学倫理審査委員会の承認を得て行うものです。すでに存在する情報を利用させて頂く研究ですので、対象となる患者さんに新たな検査や費用のご負担をお願いするものではありません。また、対象となる方が特定できないよう、個人情報の保護には十分な注意を払い、個人の特定につながりうる情報は集積されません。
この研究の対象に該当すると思われた方で、ご自身やご家族の診療情報等が利用されることを望まない場合やご質問がある場合は、下記の問い合わせ先にご連絡ください。
1.研究課題名
胸部悪性腫瘍臨床試験データ統合プロジェクト
2. 研究責任者
特定非営利法人 日本肺癌学会 データベース委員会 委員長 山本 信之
和歌山県立医科大学 呼吸器内科・腫瘍内科 教授
住所:〒641-8509 和歌山県和歌山市紀三井寺811-1
3.研究の目的
本研究の対象となる臨床試験は日本の様々な臨床試験グループや製薬企業主導にて行われておりますが、それらの介入臨床試験のデータは、個別の科学的検討に用いられた後は上手く利活用されておりません。本研究は、本邦で行われた胸部悪性腫瘍に対する介入臨床試験のデータを集約しデータベースを構築することを目的とし、構築したデータベースを用いて、研究や事業を通じ、医療の発展に活用させていただきます。
4.研究の概要
(1)対象となる患者さん
下記の試験に参加された方を対象とします。
病理病期I 期(T1>2 cm)非小細胞肺癌完全切除例に対する術後化学療法の臨床第 III 相試験(JCOG0707)
病理病期IB-IIIA期非小細胞肺癌完全切除症例に対する術後補助化学療法:無作為化比較第3相試験
(SLCG0401)
非小細胞肺癌治癒切除症例に対する術後補助化学療法の第III相試験(WJTOG0101)
非小細胞肺癌術後アジュバント治療におけるTS-1 vs. CDDP+TS-1の無作為化第Ⅱ相臨床試験(WJOG4107)
完全切除された非小細胞肺癌に対する術後補助化学療法としてのパクリタキセル/カルボプラチン併用療法とドセタキセル/シスプラチン併用療法とのランダム化第Ⅱ相試験(TORG0503)
完全切除非扁平上皮非小細胞肺癌に対するペメトレキセド+シスプラチン併用療法とビノレルビン+シスプラチン併用療法のランダム化比較第Ⅲ相試験(JIPANG)
非小細胞肺癌完全切除後II-III期の EGFR 変異陽性例に対するシスプラチン+ビノレルビン併用療法を対照としたゲフィチニブの術後補助化学療法のランダム化比較第III相試験
高悪性度神経内分泌肺癌完全切除例に対するイリノテカン+シスプラチン療法とエトポシド+シスプラチン療法のランダム化比較試験
(2)利用させて頂く情報
この研究で利用させて頂くデータは、対象となる上記試験において当該試験のデータセンターにより保管されており、かつ提供可能なすべてのデータを対象とします。
(3) 方法
対象とする臨床試験データ提供の手続き
データ提供者は、以下に掲げる手順(1)または(2)のいずれかの方法により本研究データセンターにデータ提供を行う
1)アップロードによる提供データ送付
① データセンターは専用URL、アップロードに必要なIDとパスワードをデータ提供者のアップロード担当者に付与する。
② データ提供者のアップロード担当者は、データセンターから付与される専用URLより本研究のサイトから、アップロードに必要なIDとパスワードを用いて、アップロードを行う。
2)郵送による提供データ送付
各臨床試験のデータは、匿名化されたデータを暗号化の上で保存メディアに保存し、郵送にて事務局もしくは事務局が委託した宛先に送付する。
データ提供及びデータベース化の手順
本研究で収集されるデータは、情報等の漏洩に対して厳密に管理されたクラウド型データベースに格納され、データベースの管理はデータセンターが行う。データベースはすべてのデータ登録・変更・削除およびデータアクセスの証跡を記録することができるシステムとする。データベースには、日本肺癌学会により許可された者だけがアクセス可能である。別途定める手順書に従い、情報漏洩に対する安全対策を講じることとします。また委託企業については下記に記載しております
5.個人情報の取扱い
本研究で収集するのは、すでに公表された臨床試験のデータであります。本研究では提供される情報からは、患者さんを直接特定できる個人情報は削除されます。外部機関に解析を依頼する場合も、個人が特定される可能性がある情報の提供は行われません。また、研究成果は学会や学術雑誌で発表されることがありますが、その際も患者さんの個人情報が公表されることはありません。
6.ご自身の情報、ご家族の情報が利用されることを望まない場合
臨床研究は医学の進歩に欠かせない学術研究活動ですが、患者さんやそのご家族には、診療情報等が利用されることを望まない場合、これを拒否する権利があります。その場合は、下記までご連絡ください。ただし、すでに論文発表や学会発表にて公表されたデータとなっている場合にはそのデータから削除できません。また、診療情報等が利用されることを望まない場合にはデータベースから削除するように努めますが、試験によってはデータ保有主体より提供されるデータが患者を特定することが不可能な場合があり、その場合にはデータベースから削除できないことを承知ください。
7. 既存資料・情報の提供を行うデータ保有主体であるアカデミア研究グループ/製薬企業 日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)
瀬戸内肺癌研究会(SLCG)
胸部腫瘍臨床研究機構(TORG)
西日本がん研究機構(WJOG)
8.データベース構築に関する業務委託機関
Genomedia株式会社
代表取締役 山田 智之
住所:〒113-0033 東京都文京区本郷四丁目1番4号ユニゾ本郷四丁目ビル
9. 問い合わせ先
特定非営利活動法人 日本肺癌学会 データベース委員会 委員長
〒103-0027 東京都中央区日本橋3-8-16 ぶよおビル4階
E-Mail:office@haigan.gr.jp
電話番号:03-6225-2776
FAX番号:03-3272-8655
特定非営利活動法人 日本肺癌学会 データベース委員会 委員
藤本 大智
E-mail: daichianzen14@gmail.com