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教育研修委員会企画 ワークショップ「肺がん治療と仕事の両立支援 ~働く患者さんのためにできること~」開催のご案内

会員の皆様

 近年の肺癌の薬物治療は、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の登場により目覚ましく進歩し、治療成績も向上しました。また、今後の人口減少・高齢化社会を前に、働き手の確保は重要な社会課題であり、病気を治療しつつ就労を継続できる社会の実現が広く求められています。これからの医療従事者は、治療効果のみならず有害事象や生活への影響など患者の個別背景を考慮し、治療選択やマネージメントを行う必要があります。
 しかしながら、肺癌診療に従事する医療従事者の、就労支援に関する知識や問題意識は、現状では十分ではありません。その大きな要因に、医療従事者を対象とした就労支援に関する知識やスキル習得の機会の不足があります。

そのような状況を踏まえ、このたび、肺癌診療に関わる医療従事者(医師、薬剤師、看護師、ソーシャルワーカーなど)を対象に、「治療と仕事の両立支援」をテーマとしたワークショップを開催することとなりました。COVID-19の感染拡大を受け、残念ながらWEBでの開催とはなりますが、医療従事者に加え、患者さん、企業の雇用担当者など、様々な視点からのレクチャーを用意しております。お時間が許すようでしたら、是非ともお申込み下さい。
 多くの皆様のご参加を、心よりお待ちしております。

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<概要>
    開催日:2021年10月9日(土) 13時~   終了いたしました。
    開催形式:WEB開催

<詳細>
 座長:池田 徳彦、清家 正博
 アドバイザー:澤 祥幸

<プログラム>

 1. オープニング・リマークス:弦間 昭彦(5分)

 2. 講演①.医師;澤 祥幸(講演10分)
       ・イントロダクション
   ・病院ぐるみで表現される、多様な職域のチームづくり・体制づくり

 3. 講演②.患者;長谷川一男(講演15分+Q&A 5分)
   ・患者さんにとっての「就労」;仕事を失うことは、生きる糧を失うことにもなり得る
   ・長期生存時代だからこそ、医療従事者にもってほしい「意識」
   ・ご自身の経験から;会社勤めの人だけの問題ではない。一次産業、
    フリーランス…色々な立場、色々な状況があること。

 4. 講演③.医師;小澤 雄一(講演15分+Q&A 5分)
   ・なぜ今、肺癌領域で就労支援の考え方が重要か
   ・肺癌学会アンケートの結果から見えてくる、医師・患者の意識のずれ

 5. 講演④.医師;池田 慧(講演15分+Q&A 5分)
   ・医師の果たすべき役割;就労の話題を切り出してびっくり離職の予防+専門部署につなぐ
   ・患者の職業への関心をもち、個々の患者さんにとっての最適なレジメン選択を

 6. 講演⑤.薬剤師;東 加奈子(講演15分+Q&A 5分)
   ・薬剤選択による、有害事象や、投与時間・スケジュールの違い
   ・患者さんの職業を考慮した、有害事象に関する指導

 7. 講演⑥.看護師;深田 陽子(講演15分+Q&A 5分)
   ・いかにして患者さんのニーズを拾い上げ、専門部署へつなげるか
   ・アピアランスケアなど、看護師さんならではの『就労支援』アプローチ
   ・継続的な支援のためのフォローアップの重要性

 8. 講演⑦.社労士;清水 公一(講演15分+Q&A 5分)
   ・社労士とは?
   ・医療従事者に持っておいてほしい意識や、最低限の知識(法律、活用可能なリソースなど)
   ・患者さんとしての目線も入れて頂く

 9. 講演⑧. 企業側の立場から:武田 雅子(講演15分+Q&A 5分)
   ・カルビーにおける働き方の変化(通勤⇒在宅、場所・時間の選択肢が広がっていること)
   ・両立支援にどう取り組んでいるか(職場、産業保健スタッフ、人事の連携について)
   ・医療機関に望むこと(復職許可の診断書に書いて欲しいこと、患者さんとの関わり方)
   ・支援センターや外部リソースの活用(CSRプロジェクトやWorkCAN’sのご紹介)

 10. クロージング・リマークス:池田 徳彦、清家 正博(5分)

2021年8月25日
教育研修委員会
池田徳彦
清家正博

*このワークショップは、ファイザー株式会社が実施する「医学教育プロジェクト」の助成をいただき開催いたします。