肺がんが転移しやすい臓器(肺,リンパ節,脳,骨,肝臓,副腎など)や,もともと肺がんの病変がある臓器を中心に,2~4コースごとを目安にCTやMRIなどの画像検査を行って治療効果を確認します。がんの増大や,新しいがんの病変が出てきた場合は,治療の効果が乏しいと判断されます。治療の効果が乏しいと判断される場合は,通常は別の薬物療法へ切り替えます。増大した病変に対し,局所治療(放射線治療や手術)を行って,元の治療を継続することもあります。
抗がん剤(細胞傷害性抗がん薬)による治療(化学療法)は,予想される治療効果(メリット)と治療による副作用(デメリット)とのバランスをみながら,治療の継続と中止を判断していきます。治療の効果に関しては,2~4サイクルごとを目安にCTやMRIなどの画像検査で確認します。腫瘍マーカーの値を参考にすることもあります。適度の休薬期間をとって体力を保つことも重要です。
また,いったんがんが縮小していても,再び大きくなることがあります。全身状態が良好であれば,抗がん剤の種類の変更が検討されます。最近では,抗がん剤の種類が多くなったため,2番目,3番目,4番目の治療として,二次治療,三次治療,四次治療と治療が続けられることも多くなってきています。
二次治療以降でも定期的にCT検査などで治療の効果を確認することになりますが,残念ながら再発・再燃した肺がんでは治療が困難になっていくのも事実です。がんと付き合いながら生きていくことになりますが,気持ちを切り替えて毎日の生活を楽しむようにできれば,病状経過にもよいと思います。