放射線検査は患者さんにとって有益な場合に行い,被ばく量が少なくなるように工夫して行っています。どうしても不安なときは担当医や医療スタッフに相談しましょう。
肺がんの診断・治療には放射線を使った検査は欠かせません。治療が終わった後の経過観察の期間も同じです。
放射線を用いた検査には,X線を用いた検査(胸部X線写真,CTなど)や放射性同位元素を用いた検査(PET/CT,骨シンチグラフィなど)があります。MRIは磁気を使うので被ばくの心配はありません。
私たちは日常生活の中で,自然界に由来する放射線を被ばくしています。このような自然由来の放射線被ばく線量は,日本人で1年間2.1ミリシーベルトといわれています。一方で,放射線を用いた医療行為による被ばくを「医療被ばく」といいます。参考のため表に1回の検査で被ばくする線量(実効線量)の目安をまとめます。
放射線には,有益な面と有害な面があります。私たち医療者が患者さんに検査をするときは,患者さんにとって明らかな利益があるときです。そして,医療被ばくの量をできるだけ少なくするように工夫して検査をします。したがって,検査を受けても大きな問題はありません。患者さんが,検査によるわずかな被ばくを恐れて,適切な医療を受けることができなくなることは避けなくてはいけません。検査による被ばくが心配なときは,担当医に検査の必要性をしっかりと聞いてみましょう。
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身の回りの放射線 被ばく線量の比較(早見図)