Ⅱ.治 療
1
外科治療
文献検索と採択
- 文献検索期間
-
- 1990年1月1日から2023年11月30日
- 文献検索方法
-
- キーワード:CQ1(malignant pleural mesothelioma, surgery, extrapleural pneumonectomy, pleurectomy/decortication, stage, lymphatic metastasis),CQ2(malignant pleural mesothelioma, surgery, extrapleural pneumonectomy, pleurectomy/decortication),CQ3(malignant pleural mesothelioma, surgery, extrapleural pneumonectomy, sarcomatoid, biphasic),CQ4(malignant pleural mesothelioma, chemotherapy, multimodality therapy, immunotherapy, talc pleurodesis)
- 国際医学情報センターの協力を得て以下の検索式で検索を行い,各CQにおいて採用を検討した。
- 検索式(検索日:2023年12月26日)
- CQ1
-
#1 悪性胸膜中皮腫×手術 #2 #1×(ステージI-III,T2-3,縦隔リンパ節転移) #3 #1×(EPP×P/D) #2~#3 - CQ2
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#1 悪性胸膜中皮腫×手術 #1×(EPP×P/D) - CQ3
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#1 悪性胸膜中皮腫×手術 #1×(肉腫型,二相型) - CQ4
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#1 悪性胸膜中皮腫×手術 #1×再発×手術 - CQ5
-
#1 悪性胸膜中皮腫×(化学療法+免疫療法) #1×周術期
- 採択方法
-
- 文献はメタアナリシス,第Ⅲ相試験,第Ⅱ相試験を中心に抽出した。なお,論文化されていない重要な学会報告は上記以外でも採用した。
- これ以前の文献でも,今回の改訂に際し重要と考えられたものについては採用としている。
本文中に用いた略語および用語の解説
CDDP | シスプラチン | |
---|---|---|
GEM | ゲムシタビン | |
PEM | ペメトレキセド | |
ARDS | acute respiratory distress syndrome | 急性呼吸促迫症候群 |
BSC | best supportive care | 緩和治療,ベストサポーティブケア |
CI | confidence interval | 信頼区間 |
EPP | extrapleural pneumonectomy | 胸膜肺全摘術 |
MCR | macroscopic complete resection | 肉眼的完全切除 |
NCD | National Clinical Database | |
NCDB | National Cancer Database | |
ORR | objective response rate | 客観的奏効率 |
OS | overall survival | 全生存期間 |
P/D | pleurectomy/decortication | 胸膜切除/肺剝皮術(壁側胸膜臓側胸膜全切除術) |
PFS | progression free survival | 無増悪生存期間 |
QOL | quality of life | 生活の質 |
RFS | relapse-free survival | 無再発生存期間 |
RR | relative risk | 相対危険度 |
RR | response rate | 奏効率 |
IASLC | International Association for the Study of Lung Cancer | |
SEER | Surveillance, Epidemiology, and End Results |
CQ1.
臨床病期Ⅰ-ⅢA期の切除可能中皮腫に対して手術は勧められるか?
- 推 奨
- 臨床病期Ⅰ-ⅢA期で術後に肉眼的完全切除を得られると考えられる症例に対して外科的切除を行うよう強く推奨する。
〔推奨の強さ:1,エビデンスの強さ:C〕
臨床病期がⅠ期からⅢA期の胸膜中皮腫に対する根治術としての外科切除は,集学的治療の一環として推奨されるが,胸膜中皮腫の周術期管理に熟練した外科医によって,慎重に手術適応が選択されるべきである1)。根治術としての外科切除には胸膜切除/肺剝皮術(P/D)と胸膜肺全摘術(EPP)があり2),外科切除の目標は視認可能,あるいは触知可能な腫瘍をすべて摘出することにより肉眼的完全切除(MCR)を達成する腫瘍減量手術(cytoreductive surgery)である3)4)。外科切除とBSC群を直接比較したメタアナリシスやシステマティックレビューは存在しない。一方で外科切除のfeasibilityについて検証した前方視的ランダム化比較試験として,化学療法後のEPP群とno EPP群で比較されたMARS試験が唯一存在するが,手術死亡率が12.5%と高く,EPPは化学療法単独群と比較して有益ではなかったと結論付けられた5)。しかしOSはこの研究の主要評価項目ではなく,サンプルサイズが小さく,手術死亡率が予想より高かったため,本試験の結果の解釈には議論の余地がある6)。大規模な前向き観察研究では,本邦からの肺癌登録合同委員会第9次事業の報告が唯一存在する7)。2017~19年に診断された胸膜中皮腫346例が登録され,手術138例,手術以外の治療164例,BSC 44例について,OS中央値はそれぞれ32.2カ月,14.0カ月,3.8カ月であり(P<0.001),手術施行群における術後30日死亡率は0.7%であった。
一方,手術とそれ以外の治療も含んだ大規模なデータベースをもとにした後方視的研究が3件存在する。米国のNCDBを用いた後方視的研究41,074例の検討では,OS中央値が手術を受けた群19.8カ月に対して非手術群7.9カ月であった(P<0.001)8)。米国のSEERデータベースでの検討では,cancer-directed surgeryを受けたものを介入群(1,317例),受けなかったものを対照群(4,587例)としたところ,背景因子を補正してもcancer-directed surgeryにsurvival benefitがあった9)。イタリアの6施設からの検討では,1,365例の中皮腫患者において,非手術群(化学療法またはBSC),P/D,EPPのOS中央値はそれぞれ11.7カ月,20.5カ月,18.8カ月と,手術群で有意に良好であった10)。
以上の結果より,エビデンスの強さはC,切除可能と判断された胸膜中皮腫において,集学的治療の一環としての外科手術(P/DまたはEPP)はBSCを含む非手術群よりも生存率改善に寄与すると考えられる。ただし,いずれの外科手術も胸膜中皮腫の周術期管理に熟練した外科医,さらには内科医や放射線科医も含めたmultidisciplinaryなチームによって,慎重に手術適応が選択されるべきである。なお,cT2-3およびN1の胸膜中皮腫症例において,手術群と非手術群を直接比較した研究はなく,cT因子別,およびcN因子別による外科治療の可否については今回検討することなく,MCRが得られると考えられる症例を対象とした。近年,特に本邦では胸膜中皮腫に対する外科治療を含めた集学的治療による生存率改善,有害事象軽減が認められることから,臨床病期Ⅰ-ⅢA期でMCRが得られると考えられる症例に対して外科切除を行うよう強く推奨(1で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。
行うことを 強く推奨 |
行うことを 弱く推奨 |
推奨に至る根拠が 明確ではない |
行わないことを 弱く推奨 |
行わないことを 強く推奨 |
---|---|---|---|---|
74% (14/19) |
26% (5/19) |
0% | 0% | 0% |
CQ2.
耐術能のある切除可能中皮腫には,胸膜肺全摘術(EPP)と胸膜切除/肺剝皮術(P/D)いずれの術式が勧められるか? a.耐術能のある切除可能中皮腫には,術式として胸膜切除/肺剝皮術(P/D)が勧められるか? b.耐術能のある切除可能中皮腫には,術式として胸膜肺全摘術(EPP)が勧められるか?
- 推 奨
-
- a.
- 耐術能のある切除可能中皮腫には,術式として胸膜切除/肺剝皮術(P/D)を行うよう強く推奨する。
〔推奨の強さ:1,エビデンスの強さ:C〕
-
- b.
- 耐術能のある切除可能中皮腫には,術式として胸膜肺全摘術(EPP)を行うよう弱く推奨する。
〔推奨の強さ:2,エビデンスの強さ:C〕
まずはじめに,切除可能な胸膜中皮腫に対する外科切除の選択は,P/DとEPPを比較したランダム化比較試験が存在しないため,明確な優位性は示されていない。P/DとEPPを比較したメタアナリシスは3件存在するが,いずれも後方視的研究から抽出し比較検討された解析であり,多くのバイアスが存在していることを考慮すると,決して質の高いエビデンスとはいえない。前方視的に症例登録されたP/D,EPPを含む研究では,唯一本邦から報告された大規模な前方視的観察研究(肺癌登録合同委員会第9次事業)が存在するが,非ランダム化比較試験ではないため,その結果からのみでP/D,EPPのいずれの術式が勧められるかは不明である。腫瘍の組織型,分布,患者の肺予備能,術後補助療法などを考慮したうえで,MCRを目標として術式選択されるべきである。
a.耐術能のある切除可能中皮腫には,術式として胸膜切除/肺剝皮術(P/D)が勧められるか?
OS,RFS:前方視的に登録された試験では,本邦にて2012~13年に登録されたP/Dを含む集学的治療に関する多施設第Ⅱ相臨床試験において,登録された24例のOS中央値は41.4カ月であり,2年無再発率は38.9%,RFS中央値は20.5カ月であった11)。また本邦から報告された大規模な前方視的観察研究(肺癌登録合同委員会第9次事業)におけるP/D 83例のOS中央値は41.8カ月,P/D 83例のうちMCRが達成された68例のPFS中央値は19.4カ月,1年RFSは76.2%,2年RFSは34.4%,3年RFSは20.7%であった7)。
後方視的研究に基づく結果は以下の通りである。2008~13年に報告された7つの論文からP/D 513例とEPP 632例を抽出したメタアナリシスによれば,P/D後のOS中央値は13~29カ月であった12)。また1991~2014年に報告された24の論文からP/D 1,512例とEPP 1,391例を抽出したメタアナリシスによれば,P/D後の2年死亡率は25%であった13)。2003~22年に報告された13の論文からP/D 2,147例とEPP 1,624例を抽出したメタアナリシスによれば,OSにおいてEPPに対するP/Dのestimated pooledハザード比(hazard ratio:HR)が0.76であった14)。P/Dに関するシステマティックレビューは1件存在し,1985~2012年に報告された34の論文(計1,916例)が紹介され,OS中央値は7.1~31.7カ月,RFS中央値は6~16カ月であった15)。
大規模なデータベースをもとにした後方視的研究では,米国のNCDBを用いた1,307例(2004~12年の症例が対象)の検討において,P/D 1,036例のOS中央値は16カ月であった16)。一方で,イタリアの6施設からの検討では,1,365例の中皮腫患者において,P/D 202例のOS中央値は20.5カ月であった10)。また米国の3施設からのEPPあるいはP/Dを施行した663例の検討において,臨床病期Ⅰ-Ⅱ期に対するP/D 98例のOS中央値は23カ月であった17)。
術後合併症発生率,死亡率,QOL:前方視的に登録された試験では,本邦にて2012~13年に登録されたP/Dを含む集学的治療に関する多施設第Ⅱ相臨床試験において,登録された24例のGrade 3以上の周術期合併症は33.3%,術後死亡率は0%であった11)。また本邦から報告された大規模な前方視的観察研究(肺癌登録合同委員会第9次事業)におけるP/D 83例の術後30日死亡は0例,90日死亡は2例であった7)。
後方視的研究に基づく結果は以下の通りである。2008~13年に報告された7つの論文からP/D 513例とEPP 632例を抽出したメタアナリシスによれば,P/D後の術後合併症発生率27.9%,術後死亡率は2.9%であった12)。また1991~2014年に報告された24の論文からP/D 1,512例とEPP 1,391例を抽出したメタアナリシスによれば,P/D後の術後合併症発生率は13.6~33%,術後短期死亡率は1.7%であった13)。2003~22年に報告された13の論文からP/D 2,147例とEPP 1,624例を抽出したメタアナリシスによれば,術後30日死亡においてEPPに対するP/Dの相対危険度(RR)は0.49(95%CI 0.31-0.76,P=<0.01)であった14)。P/Dに関するシステマティックレビューは1件存在し,1985~2012年に報告された34の論文(計1,916例)が紹介され,P/Dを受けた患者の周術期合併症発生率は13~43%,周術期死亡率は0~11%であった15)。
大規模なデータベースをもとにした後方視的研究では,米国のNCDBを用いた1,307例(2004~12年の症例が対象)の検討において,P/D 1,036例の術後30日死亡率は5%であり16),さらに同データベース(2004~13年の症例が対象)を用いた根治術施行群(EPP 438例,P/D 1,687例)と非手術群(8,598例)の短期治療成績の予測因子を検討した報告では,P/D群において術後30日死亡率は5.4%,術後90日死亡率は14.1%であった18)。本邦におけるNCDを用いた2014~17年に行われた中皮腫根治術についての検討(EPP 279例,P/D 343例)ではP/D群の術後合併症発生率は35.9%,術後30日死亡率が1.2%,術後90日死亡率が3.2%であった19)。一方で,イタリアの6施設からの検討では,1,365例の中皮腫患者において,P/D 202例の術後合併症発生率は10.4%,術後30日死亡率および術後90日死亡率はそれぞれ2.6%,6.0%であった10)。また米国の3施設からのEPPあるいはP/Dを施行した663例の検討において,P/D 278例中の重篤な呼吸器合併症は6.4%,手術死亡率は4%であった17)。
QOLに関する論文は数少なく,17論文から659例(P/D 432例,EPP 102例)を抽出した1つのシステマティックレビューによれば,術後のQOLや呼吸機能はEPPよりもP/Dで良好であったが,この論文では姑息目的のVATS pleurectomyもP/D群としており,やや信頼性に欠ける20)。
まとめ:以上の結果より,術前に切除可能と判断された中皮腫において,集学的治療の一環としてのP/Dを行うことは生存率改善に寄与すると考えられる。ただし術後死亡率や術後合併症発生率は近年の報告では低下傾向にあるものの依然,高値であり,手術適応については慎重に決定することが重要である。
b.耐術能のある切除可能中皮腫には,術式として胸膜肺全摘術(EPP)が勧められるか?
OS,RFS:外科切除のfeasibilityについて検証したランダム化比較試験(MARS試験)では,化学療法後のEPP群(24例)とno EPP群(26例)が比較検討され,EPP群のOS中央値は14.4カ月,RFS中央値は7.6カ月であった5)。その他の前方視的に登録された試験では,本邦にて2008~10年に登録されたEPPを含む集学的治療に関する多施設第Ⅱ相臨床試験において42例の登録患者におけるOS中央値は19.9カ月,RFS中央値は11.0カ月であった21)。一方で,米国で行われたEPPを含む集学的治療に関する多施設第Ⅱ相臨床試験においてEPPが施行された54例のOS中央値は16.8カ月,特に術後放射線治療まですべて完遂した40例のOS中央値は29.1カ月,2年生存率は61.2%であった22)。スイスでのEPPを含む集学的治療に関する多施設臨床試験においてEPPが施行された45例のOS中央値は23カ月であった23)。また本邦から報告された大規模な前方視的観察研究(肺癌登録合同委員会第9次事業)におけるEPP 26例のOS中央値は25.0カ月,RFS中央値は13.6カ月,1年RFSは63.6%,2年RFSは13.6%,3年RFSは13.6%であった7)。
後方視的研究に基づく結果は以下の通りである。2008~13年に報告された7つの論文からP/D 513例とEPP 632例を抽出したメタアナリシスによれば,EPP後のOS中央値は12~22カ月であった12)。また1991~2014年に報告された24の論文からP/D 1,512例とEPP 1,391例を抽出したメタアナリシスによれば,EPP後の2年死亡率は23.8%であった13)。EPPに関するシステマティックレビューは1件存在し,1985~2010年に報告された34の論文が紹介され,EPPを含む集学的治療を受けた患者(計2,462例)のOS中央値は9.4~27.5カ月,RFS中央値は7~19カ月であった24)。
大規模なデータベースをもとにした後方視的研究では,米国のNCDBを用いた1,307例(2004~12年の症例が対象)の検討において,EPP 271例のOS中央値は19カ月であった16)。一方で,イタリアの6施設からの検討では,1,365例の中皮腫患者において,EPP 301例のOS中央値は18.8カ月であった10)。また米国の3施設からのEPPあるいはP/Dを施行した663例の検討において,臨床病期Ⅰ-Ⅱ期に対するEPP 98例のOS中央値は19カ月であった17)。
術後合併症発生率,死亡率,QOL:外科切除のfeasibilityについて検証したランダム化比較試験(MARS試験)において,EPP群24例中,実際にEPPが施行された16例において術後合併症は11例に発症し,術後30日死亡は2例であった5)。その他の前方視的に登録された試験では,本邦にて2008~10年に登録されたEPPを含む集学的治療に関する多施設第Ⅱ相臨床試験において42例の登録患者における手術関連死亡率は9.5%,術後合併症発生率は63.6%であった21)。一方で,米国で行われたEPPを含む集学的治療に関する多施設第Ⅱ相臨床試験においてEPPが施行された54例において術後30日死亡は2例であった22)。スイスでのEPPを含む集学的治療に関する多施設臨床試験においてEPPが施行された45例において,術後合併症発生率は35%,周術期死亡は2.2%であった23)。また本邦から報告された大規模な前方視的観察研究(肺癌登録合同委員会第9次事業)におけるEPP 26例の術後30日死亡は0例,90日死亡は1例であった7)。
後方視的研究に基づく結果は以下の通りである。2008~13年に報告された7つの論文からP/D 513例とEPP 632例を抽出したメタアナリシスによれば,EPP後の術後合併症発生率62.0%,術後死亡率は6.8%であった12)。また1991~14年に報告された24の論文からP/D 1,512例とEPP 1,391例を抽出したメタアナリシスによれば,EPP後の術後合併症発生率は10.4~68.0%,術後短期死亡率は4.5%であった13)。EPPに関するシステマティックレビューは1件存在し,1985~2010年に報告された34の論文が紹介され,EPPを含む集学的治療を受けた患者(計2,462例)の術後合併症発生率は22~82%,術後死亡率は0~11.8%であった24)。
大規模なデータベースをもとにした後方視的研究では,米国のNCDBを用いた1,307例(2004~12年の症例が対象)の検討において,EPP 271例の術後30日死亡率は5%であり16),さらに同データベース(2004~13年の症例が対象)を用いた根治術施行群(EPP 438例,P/D 1,687例)と非手術群(8,598例)の短期治療成績の予測因子を検討した報告では,P/D群において術後30日死亡率は3.0%,術後90日死亡率は8.0%であった18)。本邦におけるNCDを用いた2014~17年に行われた中皮腫根治術についての検討(EPP 279例,P/D 343例)ではEPP群の術後合併症発生率は45.2%,術後30日死亡率が1.1%,術後90日死亡率が3.2%であった19)。一方で,イタリアの6施設からの検討では,1,365例の中皮腫患者において,EPP 301例の術後合併症発生率は21.6%,術後30日死亡率および術後90日死亡率はそれぞれ4.1%,6.9%であった10)。また米国の3施設からのEPPあるいはP/Dを施行した663例の検討において,EPP 385例中の重篤な呼吸器合併症は10%,手術死亡率は7%であった17)。
QOLに関する論文は数少なく,17論文から659例(P/D 432例,EPP 102例)を抽出した1つのシステマティックレビューによれば,EPPとP/Dの術後のQOLと呼吸機能は,術前と有意な差はなかった20)とされているが,患者背景や術式に差があり信頼性が高くない。
まとめ:術前に切除可能と判断された中皮腫において,集学的治療の一環としてのEPPを行うことは生存率改善に寄与すると考えられる。ただし,術後死亡率や術後合併症発生率は高値であることを踏まえ,手術適応については厳格に決定する必要がある。
以上より,エビデンスの強さはC,総合的評価においてはEPPとP/Dともに生存期間の延長に寄与すると考えられるが,有害事象の発生頻度は同等もしくはEPPが高いことを考慮し,推奨aについては,耐術能のある切除可能中皮腫には胸膜切除/肺剝皮術(P/D)を行うことを強く推奨(1で推奨)でき,推奨bについては,耐術能のある切除可能中皮腫には胸膜肺全摘術(EPP)を行うことを弱く推奨(2で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。
行うことを 強く推奨 |
行うことを 弱く推奨 |
推奨に至る根拠が 明確ではない |
行わないことを 弱く推奨 |
行わないことを 強く推奨 |
a | 74% (14/19) |
26% (5/19) |
0% | 0% | 0% |
---|---|---|---|---|---|
b | 0% | 74% (14/19) |
0% | 21% (4/19) |
5% (1/19) |
CQ3.
二相性および肉腫様中皮腫に外科治療は勧められるか?
- 推 奨
-
- a.
- 二相性中皮腫に外科治療を行うよう弱く推奨する。
〔推奨の強さ:2,エビデンスの強さ:C〕
-
- b.
- 肉腫様中皮腫に外科治療を行わないよう弱く推奨する。
〔推奨の強さ:2,エビデンスの強さ:C〕
胸膜中皮腫において,組織型が予後に与える影響は大きく,特に外科治療を行った症例においては,上皮様中皮腫に比べて,二相性もしくは肉腫様中皮腫は予後が不良であったことが報告されている。本項では二相性中皮腫および肉腫様中皮腫に対する外科治療の有用性,安全性等について検討した。
a.二相性中皮腫に外科治療が勧められるか?
OS,RFS:大規模なデータベースをもとにした後方視的研究の結果は以下の通りである。
SEERデータベースを用いた1,183例における検討(2004~10年)では,外科治療を受けた上皮様,二相性,肉腫様患者のOS中央値は,19カ月,12カ月,4カ月であった(P<0.01)25)。上皮様および二相性において手術群が非手術群に比べて有意に予後良好であり,多変量解析において外科治療が予後良好因子であった。
米国のNCDBを用いた臨床病期Ⅰ-Ⅱ期の二相性中皮腫354例の検討(2004~13年)は,手術群と非手術群のOSは15.8カ月 vs 9.3カ月と有意に手術群が良好であった26)。
多施設もしくは単施設における,後方視的研究の結果は以下の通りである。
北米4施設における二相性中皮腫213例の検討(2009~16年)では,手術を含めた集学的治療群と薬物療法単独群のOS中央値は17カ月 vs 13カ月であり,手術を含めた集学的治療群で有意に予後良好であった。多変量解析においても手術を含めた集学的治療群が予後良好因子であった27)。
単施設の上皮様および二相性中皮腫144例における後方視的研究(2008~15年)において,二相性中皮腫における上皮様コンポーネントの割合が100%(n=77),51~99%(n=39),50%以下(n=28)の患者のOS中央値はそれぞれ20.1カ月,11.8カ月,6.6カ月であった。二相性中皮腫において肉腫様成分は独立した予後予測因子である28)。
北米の単施設におけるP/Dを施行した胸膜中皮腫355例(2008~15年)の検討において,二相性中皮腫のOS中央値は17カ月,RFS中央値は9.0カ月であった。いずれも上皮様中皮腫に比べて有意に短期間であった29)。
術後合併症発生率,死亡率,QOL:米国のNCDBを用いた臨床病期Ⅰ-Ⅱ期の二相性中皮腫354例の検討(2004~13年)では,術後の30日,90日死亡率は二相性中皮腫で2.5%,13.5%とやや高かった27)。術後合併症発生率やQOLについての記載はない。
まとめ:二相性中皮腫患者における外科治療についてはBSC,姑息的治療群に比べて予後の延長が示唆されている。しかしながら外科治療群の予後は上皮様に比べてやや不良で,また術後死亡率についてもやや高値であることを考慮し,外科治療を行うことを弱く推奨する。
b.肉腫様中皮腫に外科治療が勧められるか?
OS,RFS:大規模なデータベースをもとにした後方視的研究の結果は以下の通りである。
SEERデータベースを用いた1,183例における検討(2004~10年)では,外科治療を受けた上皮様,二相性,肉腫様患者のOS中央値は,19カ月,12カ月,4カ月であった(P<0.01)25)。肉腫様中皮腫においては手術群と非手術群の間でOSに差はなく予後の延長には否定的であった。
米国のNCDBを用いた臨床病期Ⅰ-Ⅱ期の肉腫様中皮腫524例の検討(2004~13年)は,手術群と非手術群のOSは7.6カ月 vs 4.2カ月と有意に手術群が良好であった26)。
多施設もしくは単施設における後方視的研究の結果は以下の通りである。
北米の単施設におけるP/Dを施行した胸膜中皮腫355例(2008~15年)の検討において,肉腫様中皮腫のOS中央値は9.0カ月,RFS中央値は4.2カ月であった。いずれも上皮性中皮腫に比べて有意に短期間であった29)。
術後合併症発生率,死亡率,QOL:米国のNCDBを用いた臨床病期Ⅰ-Ⅱ期の肉腫様中皮腫524例の検討(2004~13年)では,術後の30日,90日死亡率は二相性中皮腫で9.7%,29.8%と著しく高かった27)。術後合併症発生率やQOLについての記載はない。
まとめ:肉腫様中皮腫患者における外科治療についてはBSC,姑息的治療群に比べて若干の予後の延長が示唆されている。しかしながら外科治療群のOS,RFSともに上皮様に比べて著しく不良で,また術後死亡率についても高値であることを考慮し,外科治療を行わないことを弱く推奨する。
以上より,推奨aについてはエビデンスの強さがC,総合的評価では外科治療を行うことを弱く推奨(2で推奨)する。また,推奨bについてはエビデンスの強さがC,総合的評価では外科治療を行わないことを弱く推奨(2で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。
行うことを 強く推奨 |
行うことを 弱く推奨 |
推奨に至る根拠が 明確ではない |
行わないことを 弱く推奨 |
行わないことを 強く推奨 |
a | 0% | 68% (13/19) |
5% (1/19) |
26% (5/19) |
0% |
---|---|---|---|---|---|
b | 0% | 0% | 0% | 63% (12/19) |
37% (7/19) |
CQ4.
局所治療が可能な再発に対して局所切除は勧められるか?
- 推 奨
- 切除可能な限局した局所再発に対して局所切除を行うことを弱く推奨する。
〔推奨の強さ:2,エビデンスの強さ:D〕
胸膜中皮腫のMCR後の再発形式は局所再発が多いことが知られている。その再発巣が限局している場合,しばしば局所切除が行われることがある。切除可能な限局した術後再発に対して局所切除を行うことの有用性,危険性を薬物療法やBSCに比べて検討した。
OS,RFS:多施設もしくは単施設における,後方視的研究の結果は以下の通りである。
6つの後方視的研究をまとめたシステマティックレビューでは術後再発をきたした365例のうち89例に局所切除が行われた。再発後生存期間は14.5~23.5カ月であった30)。
北米の単施設における,術後局所再発に対する局所切除47例(1988~2011年)についての検討では,上皮性中皮腫において初回手術から局所再発までの期間が12カ月未満,12カ月以上24カ月未満,24カ月以上で分類すると再発後生存期間は8.9,17.2,35.8カ月と初回手術からの期間が長い群で予後の延長がみられた31)。また二相性中皮腫において初回手術から局所再発までの期間が10カ月未満と10カ月以上で分類すると再発後生存期間は2.7,15.9カ月で,二相性においても初回手術からの期間が長い群で予後の延長がみられた31)。
欧州の単施設における,術後局所再発をきたした128例の局所再発の状態(部位や個数)と予後との検討では,個数が少なく限局している場合,治療法としては局所療法(手術もしくは放射線治療)が薬物療法より予後改善に寄与していた32)。
術後死亡率,術後合併症発生率:6つの後方視的研究をまとめたシステマティックレビューでは術後再発をきたした365例のうち89例に局所切除が行われ,術後死亡率および重篤な合併症発生率はいずれも0~12.5%であった30)。
まとめ:MCR後の切除可能な局所再発に対しては,切除によって予後の延長が得られる可能性が示唆される。しかしながら,薬物療療法やBSCと十分に比較した検討はなく,その適応については局所再発巣の状態や,初回手術から再発までの期間など,様々な因子を勘案したうえで決められるべきである。
以上より,エビデンスの強さはD,総合的評価では切除可能な限局した局所再発に対して局所切除を行うことを弱く推奨(2で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。
行うことを 強く推奨 |
行うことを 弱く推奨 |
推奨に至る根拠が 明確ではない |
行わないことを 弱く推奨 |
行わないことを 強く推奨 |
---|---|---|---|---|
0% | 89% (17/19) |
11% (2/19) |
0% | 0% |
CQ5.
切除可能な胸膜中皮腫に対し,周術期化学療法は勧められるか?
- 推 奨
-
- a.
- 切除可能な胸膜中皮腫に対し,術前もしくは術後の化学療法を行うよう強く推奨する。
〔推奨の強さ:1,エビデンスの強さ:C〕
-
- b.
- 化学療法レジメンとしてはシスプラチン+ペメトレキセド併用療法を行うよう強く推奨する。
〔推奨の強さ:1,エビデンスの強さ:C〕
-
a.切除可能な胸膜中皮腫症例には,術前または術後のどちらかに集学的治療の一環として化学療法が検討されるが,術前あるいは術後に化学療法を行うことの有用性を手術単独と比較した試験はない。周術期化学療法を術前または術後のどちらに行うべきかの前方視的比較試験もない。
OS:周術期に化学療法を実施した症例を対象とした後方視的観察研究があり,術前と術後でOSの有意差は認められなかった(20.9カ月 vs 21.7カ月,P=0.500)33)。術前あるいは術後化学療法と胸膜肺全摘術,術後放射線療法を組み合わせた集学的治療に関する複数の第Ⅱ相試験21)~23)34)および前方視的コホート研究35)~37)がある。このうちCDDP+PEM併用療法による術前化学療法と胸膜肺全摘術,術後放射線療法を行った3つの第Ⅱ相試験において,OSの中央値は16.8-19.9カ月21)22)34)であった。胸膜剝皮術とCDDP+PEM併用療法による術後化学療法,術後放射線療法を行った前方視的コホート研究では,OSの中央値は30カ月,また2年,3年生存率はそれぞれ69%,50%であった36)。術前のCDDP+PEM併用療法と胸膜剝皮術を行った第Ⅱ相試験において,OSの中央値は41.4カ月であった11)。
PFSないしRFS:前述した臨床試験のうち術前あるいは術後に化学療法を行いPFSないしRFSを解析した論文は4編ある。PFSないしRFSの中央値は10.1-13.9カ月21)~23)34)であった。
RR:術前化学療法のORRに関して,CDDP+PEM併用療法を用いた場合のORRは26.0~40%11)21)22)38)であり,CDDP+GEM併用療法を用いた試験では26%であった38)。
治療完遂率:術前化学療法と胸膜肺全摘術,術後放射線療法を行った場合の治療完遂率は38.1-63.9%であった21)~23)34)38)。術前のCDDP+PEM併用療法と胸膜剝皮術を行った第Ⅱ相試験における治療完遂率は75%であった11)。
化学療法の有害事象:術前化学療法として実施したCDDP+PEM併用療法で,Grade 3以上の消化器毒性,血液毒性,発熱性好中球減少,肺炎,胸痛,肺血栓,低ナトリウム血症の報告がある11)22)。
周術期合併症:CDDP+PEMによる術前化学療法とEPP,術後放射線療法を行う第Ⅱ相試験において,気管支胸膜瘻,敗血症,膿胸,ARDSの報告がある21)22)。手術関連死は6.5%であったとの報告がある34)。術前のCDDP+PEM併用療法と胸膜剝皮術を行った第Ⅱ相試験において,15例中6例(40%)でGrade 3の術後合併症がみられた11)。
QOL:術前化学療法によるQOLの変化について1つの臨床試験があり,術後に身体的なQOLの低下がみられたがその後回復したと報告されている23)。
以上より,エビデンスの強さはC,また総合的評価では,切除可能な胸膜中皮腫に対し術前もしくは術後の化学療法を行うよう強く推奨(1で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。
行うことを 強く推奨 |
行うことを 弱く推奨 |
推奨に至る根拠が 明確ではない |
行わないことを 弱く推奨 |
行わないことを 強く推奨 |
---|---|---|---|---|
80% (16/20) |
15% (3/20) |
5% (1/20) |
0% | 0% |
-
b.化学療法レジメンとしてはエビデンスの強さはC,また総合的評価ではCDDP+PEM併用療法を行うよう強く推奨(1で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。
行うことを 強く推奨 |
行うことを 弱く推奨 |
推奨に至る根拠が 明確ではない |
行わないことを 弱く推奨 |
行わないことを 強く推奨 |
---|---|---|---|---|
85% (17/20) |
10% (2/20) |
5% (1/20) |
0% | 0% |
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