日本肺癌学会組織分類の改訂について
病理委員会からのお知らせ
平成27年8月1日
日本肺癌学会組織分類の改訂について
今春、WHO Classification of Tumors of The Lung, Pleura, Thymus and Heart 4th Editionが刊行され、組織分類(以下、新WHO分類)が改訂されたことをうけ、日本肺癌学会は、診療・研究活動を国際標準に合わせるべく、新WHO分類に準拠した肺癌取扱い規約組織分類(以下、規約分類)の改訂を行うこととしました。
迅速な普及が重要であるとの観点から、「肺癌取扱い規約」の刊行に先立ち、新WHO分類に準拠した規約分類のダイジェスト版をホームページに掲示いたします。つきましては今後の肺癌病理分類記載はこの新分類を用いて頂くよう関係各所のご周知頂きますようお願い申し上げます。
「肺癌取扱い規約」第6版および第7版の組織分類は、1999年のWHO第3版に準拠したもので、その後、2004年にWHOは第3版の肺・胸膜の組織分類を踏襲し、胸腺と心臓を領域として追加し、病理所見だけでなく、臨床像、画像、遺伝子、予後などを含む、豊富な情報を含む Pathology and Genetics として刊行しました。
2015年のWHO 第4版では、腺癌に関しては2011年のIASLC/ATS/ERS 分類(J Thorac Oncol. 2011; 6: 244-85)に準拠し、扁平上皮癌、大細胞癌、神経内分泌腫瘍にも種々の改変が成されています。今回のダイジェスト版では、この新WHOの英文表記と、これに対応する新しい規約分類、および旧規約分類を列記しました。また「定義」はWHOに準拠し、「解説」はWHOの内容を踏まえつつ、規約独自の記載としました。
※「病理委員会からのお知らせ」
上記ダイジェスト版の疾患名の複数個所に誤りがあります。
肺癌取扱い規約第8版が既に刊行されておりますが、ここに第8版p70-p73の分類表(表1 )
のみを掲載いたします。
日本肺癌学会理事長 光冨徹哉
肺癌取扱規約委員会委員長 淺村尚生
病理委員会委員長 大林千穂