Ⅰ.肺癌の診断

4

病理・細胞診断

文献検索と採択

文献検索期間
  • 2004年1月1日から2018年5月31日
文献検索方法
  • キーワード:CQ1(Lung Neoplasms, Diagnosis, Pathology, Cytology, Biopsy, Mediastinoscopy, Thoracoscopy, Bronchoscopy, Tissue Fixation, Fixation, Fixatives, Formaldehyde),CQ2(Lung Neoplasms, Diagnosis, Cytology, Pathology, Genetic Testing, Molecular Diagnostic Techniques, Biomarkers, cytology specimen, cell block, EGFR, ALK, ROS1, PD-L1),CQ3(Lung Neoplasms, Diagnosis, Carcinoma, Lung Adenocarcinoma, Classification, Immunohistochemistry),CQ4(Lung Neoplasms, Classification, Diagnosis, Carcinoma, Lung Adenocarcinoma, Immunohistochemistry, Neoplasm Metastasis, Secondary, Primary),CQ5(Lung Disease, Pathology, Diagnosis, Intraoperative Period),CQ6(Lung Neoplasms, Pathology, Diagnosis, Surgery, Intraoperative Period, Pleural Cavity, Pleural Effusion, Malignant, Pleura, Therapeutic Irrigation, lavage, cleaning, douching, irrigate, perfuse, Superfuse, Wash, Intraoperative, Surgical Procedures, Intraoperative Care, Cytological Techniques, Cytology)
  • 医学図書館協会の協力を得て詳細な検索を行い,各CQにおいて採用を検討した。
採択方法
  • 各々のCQについてキーペーパーを委員会で選択し,それ以降の文献も同様に検索し,重要と考えられたものについては採用としている。

本文中に用いた略語および用語の解説

AIS adenocarcinoma in situ 上皮内腺癌
ALK anaplastic lymphoma kinase 未分化リンパ腫キナーゼ
BRAF v-raf murine sarcoma viral oncogene homolog B1
CK cytokeratin サイトケラチン
DNA deoxyribonucleic acid デオキシリボ核酸
EBUS endobronchial ultrasound 気管支腔内超音波断層法
EGFR epidermal growth factor receptor 上皮成長因子受容体
FFPE ホルマリン固定・パラフィン包埋
FISH fluorescence in situ hybridization 蛍光in situハイブリダイゼーション
HE Haematoxilin-Eosin ヘマトキシリン・エオジン
HPV human papillomavirus ヒトパピローマウイルス
MIA minimally invasive adenocarcinoma 微少浸潤性腺癌
NGS next generation sequencer 次世代シーケンサー
PCR polymerase chain reaction ポリメラーゼ連鎖反応
PD-L1 programmed cell death ligand 1 プログラム細胞死リガンド1
PLC pleural lavage cytology 胸腔内洗浄細胞診
RNA ribonucleic acid リボ核酸
ROS1 c-ros oncogene 1 receptor tyrosine kinase
TTF-1 thyroid transcription factor-1
総 論
肺癌の病理・細胞診断
解 説

 2016年版では肺癌の細胞診断および組織診断の樹形図や鑑別診断,外科的検体の取り扱いについて総論的に記載したが,これらは規約分類1)と重複することから削除し,臨床医の基本的な疑問に答えるべくCQ形式とした。病理・細胞診領域においては大多数の論文が後顧的な症例集積研究であることから必然的にエビデンスの質が低くなるが,専門家が議論し,すでに実臨床でコンセンサスが十分あると考えられた事柄については強く推奨することとした。進行期非小細胞肺癌症例においては組織・細胞診検体を用いた遺伝子診断が必須であり,検体採取や標本作成に関わる臨床医・病理医・検査士は分子情報が損なわれないよう,検体の取り扱いに十分留意しなければならない。これについて本項でも基本的事項は掲載したが,日本病理学会が策定した「ゲノム診療用病理組織検体取扱い規程2)日本病理学会ホームページから閲覧可能)で詳しく記載されていることから,これを参照されたい。また,実施については「6.分子診断」の項も参照されたい。

引用文献
1)
日本肺癌学会編,臨床・病理 肺癌取扱い規約 第8版.金原出版.2017.
2)
日本病理学会編,ゲノム診断用病理組織検体取扱い規程.2018.

CQ13.

肺癌の組織診断およびバイオマーカー診断を行ううえで,望ましい検体はどのようなものか?

推 奨
肺癌の組織診断およびバイオマーカー診断を行うには,組織量,特に腫瘍(細胞)量と腫瘍(細胞)割合が十分で,かつ腫瘍細胞が挫滅していない検体を用いるよう推奨する。

〔推奨の強さ:1,エビデンスの強さ:C,合意率:94%〕

解 説

 採取された生検検体,手術検体はプレアナリシス段階で適切な処理がなされなければならない。切除検体に対する組織の取り扱い,固定方法については「肺癌取扱い規約第8版」に記載されている1)。以下に生検検体の適切な処理について「ゲノム診療用病理組織検体取扱い規程」2)を抜粋して記す。生検により採取された組織は,10%中性緩衝ホルマリンを用いて速やかに固定液に浸漬し固定を行う。固定時間は,6~48時間が望ましい。なお,気管支腔内超音波断層法(EBUS)等を用いて生検採取される微小な組織検体や細胞検体では,より短い固定時間で処理が完了するため,業務上支障のない範囲で固定時間の短縮化(例えば6~24時間)に努めることが望ましい。しかしながら,ホルマリン固定標本はDNAの質に関しては凍結標本より劣ることも認識しておくことは必要である3)

 またアナリシス段階においてゲノム診断に供する検体は,病理診断時に作製されたHE(Haematoxilin-Eosin)染色標本の観察や病理診断報告書の記載などに基づき,解析に必要な腫瘍(細胞)量と腫瘍(細胞)割合を有するFFPEブロックを,原則病理医が選択する。このとき出血や壊死,炎症細胞などの非腫瘍細胞が多いブロックの使用は可能なかぎり避ける。

 ゲノム診断用に作製した未染色FFPE標本から,再度HE染色標本を作製し,原則病理医が標本上にマーキングするとともに腫瘍量(総腫瘍細胞数)や腫瘍割合(標本中の全細胞に占める腫瘍細胞の%)を判定する。

 組織診断を行うにはプレパラートとしてHE,組織亜型を鑑別するための免疫染色数枚(4 μm厚),検査会社に依頼する場合(LSI,BML,SRL各社の規定を参照)非小細胞肺癌であればEGFR(10 μm厚×5~10枚),ALK(免疫染色4 μm厚×4枚,FISH 4 μm厚×3~4枚),ROS1(10 μm厚×5~10枚),PD-L1(4 μm厚×4枚),BRAF(10 μm厚×5~10枚)で概ね350 μm以上の厚さの検体の大きさが必要である。扁平上皮癌であれば少なくともPD-L1 4 μm厚×4枚で4枚必要である。検査方法によるがいずれも腫瘍細胞量としては1~10%以上,PD-L1染色であれば腫瘍細胞100個以上,ALK FISHであれば腫瘍細胞数最低50個以上が必要である。またPD-L1染色の評価の場合,挫滅している腫瘍細胞は評価しない。EBUS-TBNA検体のほうが気管支鏡下生検より腫瘍細胞の挫滅が少ないとの報告もある4)。さらにPD-L1染色に関しては腫瘍全体を評価していない可能性が懸念されているが,手術検体と生検検体で差はないという報告もされている5)6)

 なお,FFPEの検体を用いる場合,採取した検体のすべてが使用できるとは限らない。パラフィンブロックから検体を薄切する際には検体を覆っているパラフィンを削る作業が必ず入るため,その際に数μmは必ず失う。

 今後NGSなどによるパネル検査が主流になった場合,サンプルとして腫瘍量に加えDNA,RNAの品質も問われるため,プレアナリシス段階における処理も十分に注意することが望ましい7)

 以上より,エビデンスの強さはC,また総合的評価では行うことを強く推奨(1で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

投票者の所属委員会:病理委員会,細胞診判定基準改訂委員会/実施年度:2018年
行うことを
推奨
行うことを
弱く推奨(提案)
推奨度決定不能 行わないことを
弱く推奨(提案)
行わないことを
推奨
94%
(16/17)
6%
(1/17)
0% 0% 0%

CQ14.

原発性肺癌のバイオマーカー検索に,細胞診検体は有用か?

推 奨
原発性肺癌のバイオマーカー検索に適した検体として,細胞診検体を使用することを提案する。

〔推奨の強さ:2,エビデンスの強さ:D,合意率:65%〕

解 説

 原発性肺癌患者のバイオマーカー検索には,生検検体などの組織検体の他,気管支洗浄液,気管支擦過材料,穿刺吸引材料,体腔液などの細胞診検体が用いられる。細胞診標本は,多くの場合,アルコール固定塗抹標本(以下塗抹標本)やセルブロック標本として作製されるが,いずれもEGFR遺伝子検査においてホルマリン固定・パラフィン包埋(FFPE)組織標本と同等の検出率を示すことが報告されている8)9)

 セルブロック標本は,検体の保存性に優れ,繰り返し標本を作製できることや,FFPE組織標本と同様のプロトコールでの検査が可能である利点があることから,バイオマーカー検索に適している9)~11)。特にALK遺伝子検査に用いられるIHC法,FISH法は,現在本邦の検査会社で施行可能な検査はいずれもFFPE組織標本用に最適化されたプロトコールを用いていることから,セルブロック標本の作成が推奨される。しかし,PD-L1 IHC検査においては,細胞診検体でのPD-L1発現は,FFPE組織検体での評価と高い一致率を示すとの報告があるものの12),臨床試験での細胞診検体を用いた十分な検証がなされておらず,セルブロック標本を含めた細胞診検体を用いることは現時点では推奨されていない。

 塗抹標本は,腫瘍細胞の確認が容易に行えることに加えて,FFPE組織標本やセルブロック標本の際のようなホルマリン固定を行わないため核酸の質が保持されやすい利点があり,PCR法を用いた遺伝子検査やNGS検査において有効に利用できる8)9)11)13)~15)。バイオマーカー検査に関する大規模なシステマティックレビューにおいても,塗抹標本はセルブロック標本と同等の位置付けがなされ,いずれの細胞診検体もバイオマーカー検査に使用することが推奨されている13)

 進行肺癌の治療方針決定のためのバイオマーカー検索では,複数のバイオマーカー検査が必要であり,限られた検体を有効利用することが求められる。採取された生検検体が少量であったり,あるいは採取検体が細胞検体のみの場合もあることから,先述の細胞診検体の特性を踏まえたうえで,細胞診検体をバイオマーカー検索に利用することが推奨される。

 以上より,エビデンスの強さはD,また総合的評価では行うことを弱く推奨(2で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

投票者の所属委員会:病理委員会,細胞診判定基準改訂委員会/実施年度:2018年
行うことを
推奨
行うことを
弱く推奨(提案)
推奨度決定不能 行わないことを
弱く推奨(提案)
行わないことを
推奨
35%
(6/17)
65%
(11/17)
0% 0% 0%

CQ15.

原発性肺癌の組織型診断に,免疫組織化学的染色(免疫染色)は有用か?

推 奨
〈生検検体〉
  • a.
  • 形態学的に非小細胞癌の場合は,行うことを推奨する。

〔推奨の強さ:1,エビデンスの強さ:D,合意率:82%〕

〈手術検体〉
  • b.
  • 形態学的に組織型を決定できない場合は,行うことを推奨する。

〔推奨の強さ:1,エビデンスの強さ:D,合意率:82%〕

解 説

 肺癌患者のおよそ2/3を占める進行癌の治療方針にあたっては,本ガイドライン「Ⅳ期非小細胞肺癌における薬物療法の意義とサブグループ別の治療方針」に示されるようにサブグループ決定に扁平上皮癌と非扁平上皮癌とに分けてバイオマーカー検索が勧められている他,薬剤療法(ペメトレキセド,ベバシズマブ)および免疫チェックポイント阻害剤(ニボルマブ,アテゾリズマブ)では組織型による使い分けがなされている。そのため,組織型は治療方針の決定に重要な意味をもつ16)

 組織型の決定はこれまで組織形態学的になされてきたが,明瞭な分化傾向を示さない低分化癌,大細胞癌においても免疫染色によって分けられた生物学的組織型が,分化癌における遺伝子変異の傾向をよく反映することが多数の比較試験によって報告されている17)。特に腺癌のマーカーとしてTTF-1および扁平上皮癌のマーカーであるp40は最も組織型をよく分別し,鑑別に有用であることが報告されている16)18)19)。扁平上皮癌のマーカーとしては,より早く開発されたp63の報告も多いが,腺癌の一部にも反応することが知られており,現在はp40が推奨されている17)。その他の免疫染色マーカーとして,CK5/6,Napsin Aと併用することで鑑別の感度が上がることも報告されている一方で20),バイオマーカー検査のための未染標本を残しておくことも推奨されているため,TTF-1,p63/p40に加えて鑑別マーカーに入れるべきか状況によって判断する必要がある。

 以上より,推奨abについて,エビデンスの強さはD,また総合的評価では行うよう強く推奨(1で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

投票者の所属委員会:病理委員会,細胞診判定基準改訂委員会/実施年度:2018年
行うことを
推奨
行うことを
弱く推奨(提案)
推奨度決定不能 行わないことを
弱く推奨(提案)
行わないことを
推奨
a 82%
(14/17)
18%
(3/17)
0% 0% 0%
b 82%
(14/17)
18%
(3/17)
0% 0% 0%

CQ16.

原発性と転移性の肺癌の鑑別に,免疫組織化学的染色(免疫染色)は有用か?

推 奨
原発性と転移性の肺癌の鑑別には,複数の臓器特異的マーカーを用いた免疫組織化学的染色(免疫染色)が有用であることが示されており,また,適切な鑑別による治療方法選択で,予後の改善をきたすことが知られていることから,これを行うよう提案する。

〔推奨の強さ:2,エビデンスの強さ:D,合意率:71%〕

解 説

 肺は転移の多い臓器であり,原発性と転移性の鑑別は治療方針決定に重要な情報である。病歴聴取,既往腫瘍組織との比較検討に加え,複数の組織型および臓器特異的マーカーを用いる免疫染色の有用性が報告されている。原発性肺癌自体の組織型の決定に関する事項はCQ15を参照のこと。

 免疫染色は有力な補助診断手法である一方で,いずれの抗体も感度,特異度で完璧なマーカーはないため,形態,経過を合わせて総合的に判断する必要がある。

 組織型が異なる場合は,一般的には別の腫瘍として取り扱われる21)~24)。ドライバー遺伝子変異陽性肺癌の場合,治療経過中に腺癌から小細胞癌への形質転化をきたす例も知られている25)

1)腺癌の場合

 転移の可能性のある場合,CK7,CK20の染色性である程度の見当を付けることができる22)23)。肺に転移をきたしやすい腫瘍として,大腸,乳腺をはじめ,膵,前立腺,子宮内膜,卵巣,腎などあらゆる臓器癌が鑑別の対象として挙げられる26)。形態学的特徴である程度の鑑別は可能であるが,大腸癌では,CDX-2(+),villin,SATB2,β-cateninが,乳癌では,GATA-3,ER,GCDFP-15,Mammaglobinが,甲状腺癌ではthyroglobulin,PAX8が,子宮体癌や卵巣癌ではPAX8,WT-1,CA125,ERが,前立腺ではNKX3.1,PSA,ARが,それぞれ臓器特異的マーカーとしての有用性が報告されている22)23)27)~29)

 乳癌,甲状腺癌は長期再発例があり,病歴とともに免疫染色は有力な補助診断法である。TTF-1は肺腺癌で特異性の高いマーカーではあるが,クローンにより感度,特異度が異なること,他臓器の腺癌でも陽性となることに注意が必要である30)31)CQ15参照)。

 Napsin Aは肺腺癌で特異性が高いが,感度はやや低く,また腎細胞癌,卵巣明細胞腺癌にも陽性になるなど,注意が必要である27)31)~34)

 HNF4αは,肺の浸潤性粘液性腺癌で高率に陽性となり良悪の鑑別には有用性が高いが,膵臓,胆道の腺癌でも陽性となるため特異性は低い23)35)36)

2)扁平上皮癌の場合

 扁平上皮癌は,臓器特異的マーカーはなく,転移か原発かの鑑別に有用な指標は少ない37)。子宮頸部扁平上皮癌および頭頚部癌の一部ではHPV感染が関与していることから,HPV感染の代替指標としてのp16 INKの発現異常が補助的に用いることができる。ただし,稀に肺扁平上皮癌でもp16 INKが過剰発現することもある38)。胸腺癌の場合は,CD5,CD117(c-KIT)が有用であるが,頻度は低いが肺扁平上皮癌でも陽性となる。

3)組織型が不明確な場合

 低分化癌や組織採取量が少ない場合,TTF-1,p40で組織型を推定するとともに,いずれも陰性の場合は,中皮腫(Calretinin,D2-40,WT-1),膀胱癌(GATA-3,Uroplakin-Ⅲ,Uroplakin-Ⅱ),腎癌(PAX-2,PAX8,CD10,RCC Ma),肝細胞癌(AFP,Glypican-3,Hep-par-1,Arginase-1,CD10),胚細胞腫瘍(SALL-4,OCT-4,Glypican-3)などの可能性を考慮して検索してもよい22)23)26)

4)小円形細胞腫瘍の場合

 肺の小細胞癌との鑑別として,リンパ腫(CD45/LCA,CD3,CD20など),円形細胞肉腫,悪性黒色腫(S100,Melan A,HMB45,SOX-10)は重要である。小円形細胞腫瘍では,検体採取による挫滅の影響が大きく,形態学的観察が困難な場合が多いことと,各疾患での治療方針が大きく異なるため,疾患特異的マーカーを用いることが推奨される22)23)26)

5)肉腫あるいは肉腫様腫瘍の場合

 軟部腫瘍の肺転移の他に,肉腫様癌,中皮腫を鑑別する必要がある(本書,第2部.悪性胸膜中皮腫診療ガイドラインを参照)。軟部腫瘍の鑑別は多岐にわたるが,組織型特異的マーカーの有用性が高いため,適切に用いると効果的である。

 以上より,エビデンスの強さはD,また総合的評価では行うことを弱く推奨(2で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

投票者の所属委員会:病理委員会,細胞診判定基準改訂委員会/実施年度:2018年
行うことを
推奨
行うことを
弱く推奨(提案)
推奨度決定不能 行わないことを
弱く推奨(提案)
行わないことを
推奨
29%
(5/17)
71%
(12/17)
0% 0% 0%

CQ17.

術前未診断の主病巣に対して,術中迅速診断は有用か?

推 奨
腫瘍型や診断の目的によって正診率が異なるが,良悪の判定等には一般に有用であり,行うよう推奨する。

〔推奨の強さ:1,エビデンスの強さ:D,合意率:71%〕

解 説

 主病変の診断が術前に得られておらず,手術方針の決定に診断が必要である場合,術中迅速診断を依頼することができる。主病変に対する迅速診断の正診率は一般に高く,良悪性の判定,癌か肉芽腫かといった大まかな区別も含めるなら,永久標本との不一致率は1~3%程度と低く,判定保留率は3~5%程度とする報告が複数ある39)~41)。しかしながら,永久標本における診断と迅速診断との不一致が低率ながらも存在することには十分留意すべきである。また,迅速診断の正診率には腫瘍の種類や大きさなども影響する。例えばカルチノイド腫瘍の迅速診断では永久標本の不一致率が7~8%とやや高く42),1 cm未満の主病変に対する迅速診断での正診率は大きな病変のものより低いとするデータもある40)。一方で,永久標本での診断と同様の詳細な予後予測因子の判定を迅速診断に期待するのは難しい。例えば,腺癌における浸潤の有無や浸潤の範囲については,正診率が低い傾向があり43)~46),非浸潤性腺癌や微少浸潤腺癌の診断を術中迅速で行うことは容易でない。さらに,腺癌の分類に用いられる浸潤パターンについては,優勢パターンのみに限定しても,迅速・永久標本での評価不一致が30%程度あり47)48),推奨しない。なお,迅速診断検体採取においてはpT評価に支障をきたさない採取を心がける。また感染症が疑われる場合には新鮮組織検体を用いた培養などの細菌学的検査を行うことが望ましい。

 以上より,エビデンスの強さはD,また総合的評価では行うことを強く推奨(1で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

投票者の所属委員会:病理委員会,細胞診判定基準改訂委員会/実施年度:2018年
行うことを
推奨
行うことを
弱く推奨(提案)
推奨度決定不能 行わないことを
弱く推奨(提案)
行わないことを
推奨
71%
(12/17)
29%
(5/17)
0% 0% 0%

CQ18.

術中胸腔内洗浄細胞診は有用か?

推 奨
術中に胸腔内洗浄細胞診を行うことを提案する。

〔推奨の強さ:2,エビデンスの強さ:C,合意率:65%〕

解 説

 肺癌取扱い規約第8版では,胸水細胞診(E)で陽性例はpM1aに相当する。一方,術中の胸腔内洗浄細胞診(pleural lavage cytology;PLC)は,非小細胞肺癌の術中肺切除とリンパ節廓清前の開胸時(PLC-pre)や肺切除後の閉胸時(PLC-post)に行われている49)~59)。PLC検査は術中に生理食塩水を胸腔内に注入して回収する安全な検査である。また,PLC時の胸腔内を洗浄する生理食塩水の量は,50 mL,100 mL,200 mL,500 mL,1,000 mLと様々な報告がある49)~54)56)~58)。このPLC検査は悪性胸水や胸膜播種には至らないpM1aの前段階の状態を把握できる検査であり,患者の予後に大きな影響を及ぼす。

 実際に術中非小細胞肺癌の肺切除後に行われるPLC-postの陽性率は,2.5~13.1%49)~54)56)58),肺切除前に行われるPLC-preの陽性率は,1.5~5.3%53)54)56)57)と報告されている。PLC-postの陽性率はPLC-preと比較して若干高い傾向が認められる。また,術中PLCを実施した4,171例の検討では5.2%が陽性59),8,763例のメタアナリシスの解析では5.8%が陽性55)と類似した結果も報告されている。

 予後に関してPLC-postの検討では,PLC陽性群では5年生存率22.0~43.0%に対し,PLC陰性群では58.3~69.0%で,PLC陽性群は陰性群と比較して有意に予後不良と報告されている49)52)53)56)。10年生存率でも,PLC陽性群は25%に対し,PLC陰性群が58%であり,同様にPLC陽性群は予後不良である52)。この中でも,特にⅠ期の5年生存率は,PLC陽性群が43~60%であるのに対し,PLC陰性群は81~90%と49)54),有意に予後不良であるが,一方でⅡ-Ⅳ期では予後に関係しないことが報告されている51)52)。PLC-preの検討でも5年生存率は,PLC陽性群で37~44.1%と陰性群と比較して予後不良である53)56)。また,PLC全体の検討では,PLC陽性群の5年生存率が31~44.5%であるのに比し,PLC陰性群は72.8%であり,PLC陽性群は予後不良である55)59)

 PLC-post陽性例は,再発率や死亡率が高く,多変量解析でも独立した予後不良因子である49)~53)56)。特にⅠ期においてPLCは,独立した予後不良因子である51)52)54)58)。また,PLC-preやPLC全体の陽性例でも同様の結果である55)57)59)

 PLC-post陽性例は,腺癌49)50)52)58),病期49)50)52)53)58),リンパ管・血管侵襲49)51)~53)56),血清CEA49)56),男性49),胸膜浸潤49)50)52)53)56)58),腫瘍径52)56),リンパ節転移49)52)56),年齢53)56)と相関関係が認められる。一方で,扁平上皮癌との相関はなく52),上皮内腺癌(AIS)や微少浸潤性腺癌(MIA)では全例PLCが陰性である58)。PLC-pre陽性例は,年齢55),喫煙歴55),血清CEA55),腺癌57),病期57),腫瘍径55)57),リンパ節転移55)57),胸膜浸潤55)57)と相関を認める。また,PLC陽性例では,年齢55)59),男性55)59),腫瘍径55)59),リンパ節転移55)59),遠隔転移55)59),胸膜浸潤55)59),腺癌59),病期54)59)と相関しており,腺癌では乳頭状腺癌,小乳頭状集塊が多いと報告されている54)

 PLC-post陽性例の再発様式は,局所再発より転移性再発が多いという報告49),胸膜再発率や遠隔転移での再発率が高いという報告53)がある。PLC陽性例も同様に遠隔転移で再発する54)。また,PLC-post陽性例は,悪性胸水陽性例と比較して予後が良いが,その大部分は5年以内に再発することが報告されている56)。そのため,PLC陽性は,悪性胸水の前段階と考えられる56)

 以上より,PLC検査は予後推定の観点から,行うことを提案する。エビデンスの強さはC,また総合的評価では行うことを弱く推奨(2で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

投票者の所属委員会:病理委員会,細胞診判定基準改訂委員会/実施年度:2018年
行うことを
推奨
行うことを
弱く推奨(提案)
推奨度決定不能 行わないことを
弱く推奨(提案)
行わないことを
推奨
29%
(5/17)
65%
(11/17)
6%
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引用文献
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