Ⅱ.治 療

3

内科治療

文献検索と採択

文献検索期間
  • 1980年1月1日から2023年11月30日
文献検索方法
  • 2022年版のガイドラインで検索された1980年1月1日から2021年11月30日の期間の文献に加えて,新たに2021年12月1日から2023年11月30日の期間に出版された論文を検索した。
検索式(検索日:2023年12月28日)
 CQ15,16,19,20
#1 Thymic epithelial tumor OR Thymic epithelial neoplasm OR Thymoma OR Thymic carcinoma OR T Thymic cancer OR Thymic carcinoid OR Thymic neuroendocrine tumor OR Thymic neuroendocrine carcinoma
#2 Stage IV OR Stage 4 OR Recurrence OR Recurrent OR Relapse
#3 Drug therapy OR Chemotherapy OR Pharmacotherapy OR Systemic Therapy OR Carboplatin OR CBDCA OR Anthracycline OR Adriamycin OR Doxorubicin OR Amrubicin OR Molecular target therapy OR c-KIT OR Imatinib OR VEGFR OR PDGFR OR Sunitinib
#4 #1 AND #2 AND #3
 CQ17,22
#1 Thymic epithelial tumor OR Thymic epithelial neoplasm OR Thymoma OR Thymic carcinoma OR T Thymic cancer OR Thymic carcinoid OR Thymic neuroendocrine tumor OR Thymic neuroendocrine carcinoma
#2 Resistant to chemotherapy OR Chemoresistant
#3 Drug therapy OR Chemotherapy OR Pharmacotherapy OR Systemic Therapy
#4 #1 AND #2 AND #3
 CQ18,23,24
#1 Thymic epithelial tumor OR Thymic epithelial neoplasm OR Thymoma OR Thymic carcinoma OR T Thymic cancer OR Thymic carcinoid OR Thymic neuroendocrine tumor OR Thymic neuroendocrine carcinoma
#2 Locally advanced OR Unresectable OR Non-resectable OR Inoperable
#3 Preoperative OR Induction
#4 Drug Therapy OR Chemotherapy OR Pharmacotherapy OR Systemic Therapy OR Radiotherapy OR Radiation OR Irradiation OR Chemoradiation OR Chemoradiotherapy
#5 #1 AND #2 AND #3 AND #4
採択方法
  • 胸腺上皮性腫瘍を含む薬物療法の文献に限り,Review文献は除外した。
  • 上記条件以外のもので,必要と判断したものは採用した。

本文中に用いた略語および用語の解説

AMR アムルビシン
CBDCA カルボプラチン
CDDP シスプラチン
DTX ドセタキセル
ETP エトポシド
PEM ペメトレキセド
PTX パクリタキセル
 
CR complete remission 完全寛解
irAE immune-related adverse events 免疫関連有害事象
ORR objective response rate 客観的奏効率
OS overall survival 全生存期間
PFS progression free survival 無増悪生存期間
PR partial response 部分奏効
PS performance status 全身状態
3-1
胸腺腫に対する薬物療法

CQ15.

臨床病期Ⅳ期または再発胸腺腫に対して,薬物療法は勧められるか?

推 奨
薬物療法を行うよう強く推奨する。

〔推奨の強さ:1,エビデンスの強さ:D〕

解 説

 根治切除が不能な臨床病期Ⅳ期または再発胸腺腫が対象となる。これまでに根治切除が不能な臨床病期Ⅳ期または再発胸腺腫を対象とした薬物療法の臨床試験では希少癌のためランダム化比較試験はされておらず,エビデンスの程度の低い少数例による第Ⅱ相試験や後方視的研究による報告のみとなっている。このため,薬物療法を行うことで予後をどれくらい改善できるかは不明である1)~8)。さらに本邦では保険適用となる抗癌薬はない。しかしこれまでの報告では薬物療法では比較的高いORRが示されており,薬物療法により,少なくとも症状緩和の効果は期待できる。

 以上より,エビデンスの強さはD,また総合的評価ではPS 0-2など全身状態良好な症例では薬物療法を行うことを強く推奨(1で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

投票者の所属委員会:胸腺腫瘍小委員会/実施年度:2022年
行うことを
強く推奨
行うことを
弱く推奨
推奨に至る根拠が
明確ではない
行わないことを
弱く推奨
行わないことを
強く推奨
94%
(17/18)
6%
(1/18)
0% 0% 0%

CQ16.

臨床病期Ⅳ期または再発胸腺腫に対して,シスプラチンとアンスラサイクリン系抗癌薬の併用療法は勧められるか?

推 奨
シスプラチンとアンスラサイクリン系抗癌薬の併用療法を行うことを強く推奨する。

〔推奨の強さ:1,エビデンスの強さ:D〕

解 説

 本邦および海外より報告された胸腺腫に対する薬物療法は主にアンスラサイクリン系を基軸とした併用療法が多い(エビデンスの強さはD)。CDDPとアンスラサイクリン系を用いた薬物療法は,ADOC療法1),PAC療法2),CODE療法3),CAMP療法4)5)などが報告され,ORRは70~92%(平均75%)であった。一方,アンスラサイクリン系を用いない治療法では,VIP療法6),CP療法7),CDDPとETP療法8)が報告されており,ORRは35~52%(平均40%)であった。いずれも,エビデンスの程度が低い少数例による第Ⅱ相試験や後方視的な研究であり,プラチナ系およびアンスラサイクリン系併用療法と,プラチナ系および非アンスラサイクリン併用療法を比較するとアンスラサイクリン系のほうが良好な傾向がみられている。

 以上より,エビデンスの強さはD,また総合的評価としては可能な症例ではCDDPとアンスラサイクリン系を含むレジメンを行うよう強く推奨する(1で推奨)と判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

投票者の所属委員会:胸腺腫瘍小委員会/実施年度:2022年
行うことを
強く推奨
行うことを
弱く推奨
推奨に至る根拠が
明確ではない
行わないことを
弱く推奨
行わないことを
強く推奨
94%
(17/18)
6%
(1/18)
0% 0% 0%

CQ17.

一次治療に不応となった胸腺腫に対して,薬物療法は勧められるか?

推 奨
薬物療法を行うよう弱く推奨する。

〔推奨の強さ:2,エビデンスの強さ:D〕

解 説

 既治療胸腺腫への薬物療法に関してはPEM9)やAMR10),オクトレオチド11)12)といった薬物療法が報告されている。PEMは症例数が少ないが前向き第Ⅱ相試験でORR 27%,PFS中央値12.1カ月およびOS中央値46.4カ月と一定の有用性が示唆されている。オクトレオチドについてはオクトレオチド・シンチグラフィで腫瘍部位に集積またはカルチノイド症候群の症状があるケースの一部で有用性が報告されており,該当する症例においては考慮してもよい。

 また,「がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)」もしくは「がん化学療法後に増悪した高い腫瘍遺伝子変異量(TMB-High)を有する進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)」に対し,tumor agnostic(臓器横断的)な悪性腫瘍を対象に,2023年11月に本邦ではペムブロリズマブは適応が拡大された。10 mutations/Mb以上のTMB-Highは胸腺腫では1.6%でみられる。また,MSI-Highについては,胸腺腫では0.3%でみられ,当該疾患にも投与が可能となり得る13)。効果は,TMB-HighおよびMSI-Highについての個別での報告はないが,韓国で実施された胸腺上皮腫瘍を対象としたペムブロリズマブの第Ⅱ相試験14)における胸腺腫のサブグループではORRが28.6%(7例中2例で奏効),PFS中央値は6.1カ月であったが,毒性について,Gr≧3で治療中止となったirAEが71.4%(7例中5例,r≧4の肝障害,心筋障害を含む)出現しており治療関連死も出ている15)。このため,コンセンサスとしては胸腺腫に対して免疫チェックポイント阻害薬は推奨されていない。

 以上のように少数例の報告ではあるが,有用性の報告もあることからエビデンスの強さはD,総合的評価では薬物療法を行うことを弱く推奨(2で推奨)できるとした。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

投票者の所属委員会:胸腺腫瘍小委員会/実施年度:2022年
行うことを
強く推奨
行うことを
弱く推奨
推奨に至る根拠が
明確ではない
行わないことを
弱く推奨
行わないことを
強く推奨
11%
(2/18)
83%
(15/18)
6%
(1/18)
0% 0%

CQ18.

局所進行胸腺腫に対して,術前化学療法は勧められるか?

推 奨
術前化学療法を行うよう弱く推奨する。

〔推奨の強さ:2,エビデンスの強さ:D〕

解 説

 局所進行胸腺腫に対しては少数例の試みではあるが,様々な術前化学療法が行われ,良好なORRと完全切除率が報告されている16)~19)。局所進行胸腺腫および胸腺癌に対する術前化学療法の効果を検討した第Ⅱ相試験では,術前化学療法としてCAMP療法を受けた22例中17例(77%)で奏効を認めた(CR 3例,PR 14例)。そのうち,21例が手術を受け16例では完全切除,5例では非完全切除であった4)。いずれもエビデンスの程度が低い少数例による第Ⅱ相試験や後方視的研究であるが,比較的高い完全切除率が示されている。

 以上より,エビデンスの強さはD,また総合的評価では局所進行胸腺腫に対しては主に化学療法を術前治療として行うことを弱く推奨(2で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

投票者の所属委員会:胸腺腫瘍小委員会/実施年度:2020年
行うことを
強く推奨
行うことを
弱く推奨
推奨に至る根拠が
明確ではない
行わないことを
弱く推奨
行わないことを
強く推奨
0% 94%
(17/18)
6%
(1/18)
0% 0%
3-2
胸腺癌に対する薬物療法

CQ19.

臨床病期Ⅳ期または再発胸腺癌に対して,薬物療法は勧められるか?

推 奨
薬物療法を行うよう強く推奨する。

〔推奨の強さ:1,エビデンスの強さ:D〕

解 説

 胸腺癌に対する薬物療法は胸腺腫よりもさらに報告数が少なく,胸腺腫に準じたレジメンが主に用いられてきた。最近は胸腺癌に限定して行われた研究も報告されているが,多くが少数例の第Ⅱ相試験か後方視的な研究であり薬物療法のエビデンスは乏しい7)20)。しかし,ORRは約22~36%と一定の効果はみられており,PS 0-2の全身状態良好な症例では薬物療法を行うことが勧められる。

 「がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)」もしくは「がん化学療法後に増悪した高い腫瘍遺伝子変異量(TMB-High)を有する進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)」に対し,tumor agnostic(臓器横断的)な悪性腫瘍を対象に,2023年11月に本邦ではペムブロリズマブは適応が拡大された。10 mutations/Mb以上のTMB-Highは胸腺癌では7.0%でみられる。また,MSI-Highについては,胸腺癌では2.3%でみられ13),当該疾患にも投与が可能となる。効果については,TMB-HighおよびMSI-Highについての個別での報告はないが,米国および韓国で実施された第Ⅱ相試験では,胸腺癌に対してのペムブロリズマブの奏効割合がそれぞれ22.5%,19.2%,PFSはそれぞれ4.2カ月,6.1カ月となっていた21)。5年生存率については18.2%となっており22),胸腺癌に対してはペムブロリズマブがキードラッグであると考えられている。また,毒性についてはGr≧3のirAEは胸腺癌では17.1%であり,irAEに注意が必要となる15)

 以上より,エビデンスの強さはD,また総合的評価では行うよう強く推奨(1で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

投票者の所属委員会:胸腺腫瘍小委員会/実施年度:2022年
行うことを
強く推奨
行うことを
弱く推奨
推奨に至る根拠が
明確ではない
行わないことを
弱く推奨
行わないことを
強く推奨
100%
(18/18)
0% 0% 0% 0%

CQ20.

臨床病期Ⅳ期または再発胸腺癌に対して,カルボプラチンとパクリタキセルまたはアムルビシンの併用療法は勧められるか?

推 奨
カルボプラチンとパクリタキセルまたはアムルビシンの併用療法を行うよう弱く推奨する。

〔推奨の強さ:2,エビデンスの強さ:D〕

解 説

 胸腺腫と異なり,胸腺癌においてはアンスラサイクリン系と非アンスラサイクリン系レジメンとの間にORRについては大きな差はなくキードラッグはプラチナ製剤と考えられている。CBDCAとPTX併用療法は複数の海外および本邦からの第Ⅱ相試験においてORR 22~36%と比較的良好であることが報告されている7)20)

 また,本邦から報告されたCBDCAとAMRの併用療法の第Ⅱ相試験では未治療例および既治療例(n=33)でORR 30%,PFS中央値7.6カ月と報告されており,未治療例(n=19)に限定すると,ORRは42%(PFS中央値は記載なし)と報告されており,治療選択肢の1つと考えられる23)

 以上より,エビデンスの強さはD,また総合的評価では行うことを弱く推奨(2で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

投票者の所属委員会:胸腺腫瘍小委員会/実施年度:2022年
行うことを
強く推奨
行うことを
弱く推奨
推奨に至る根拠が
明確ではない
行わないことを
弱く推奨
行わないことを
強く推奨
40%
(6/15)
60%
(9/15)
0% 0% 0%

CQ21.

一次治療に不応となった胸腺癌に対して,レンバチニブは勧められるか?

推 奨
レンバチニブを行うよう弱く推奨する。

〔推奨の強さ:2,エビデンスの強さ:C〕

解 説

 一次治療不応となった胸腺癌単独もしくは胸腺腫を含めた胸腺上皮性腫瘍への薬物療法については,前方視的第Ⅱ相試験がいくつか報告されている24)~26)

 本邦で実施された既治療胸腺癌に対するレンバチニブの第Ⅱ相試験(REMORA試験)では,PS 0~1の,42例のプラチナ製剤併用療法既治療例に対し,ORR 38.1%(90%CI 25.6-52.0),病勢制御率95.2%の効果が示され27),適応拡大を受けた。Grade 3の治療に関連した有害事象は高血圧が64.3%,手掌・足底発赤知覚不全症候群7.1%であった。全例で減量を必要としており,尿蛋白・手掌・足底発赤知覚不全症候群・高血圧が主な理由となっていた。

 以上より,エビデンスの強さはC,また総合的評価では一次治療不応になった胸腺癌への薬物療法として行うことを弱く推奨(2で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

投票者の所属委員会:胸腺腫瘍小委員会/実施年度:2022年
行うことを
強く推奨
行うことを
弱く推奨
推奨に至る根拠が
明確ではない
行わないことを
弱く推奨
行わないことを
強く推奨
12%
(2/16)
88%
(14/16)
0% 0% 0%

CQ22.

一次治療に不応となった胸腺癌に対して,細胞傷害性抗癌薬は勧められるか?

推 奨
細胞傷害性抗癌薬(S-1,アムルビシン,ペメトレキセド)を行うよう弱く推奨する。

〔推奨の強さ:2,エビデンスの強さ:C〕

解 説

 一次治療不応となった胸腺癌単独もしくは胸腺腫を含めた胸腺上皮性腫瘍への薬物療法については,前向き第Ⅱ相試験がいくつか報告されている。

 また,米国にてPEM9),AMR10),本邦からはテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウムの第Ⅱ相試験28)が実施され,既治療胸腺癌へのORRはそれぞれ9%,11%および30.8%であった。また,CBDCAとAMRの併用療法については,既治療例(n=14)でORR 14.3%であった23)

 以上より,エビデンスの強さはC,また総合的評価では一次治療不応になった胸腺癌への薬物療法として行うことを弱く推奨(2で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

投票者の所属委員会:胸腺腫瘍小委員会/実施年度:2022年
行うことを
強く推奨
行うことを
弱く推奨
推奨に至る根拠が
明確ではない
行わないことを
弱く推奨
行わないことを
強く推奨
25%
(4/16)
75%
(12/16)
0% 0% 0%

CQ23.

局所進行胸腺癌に対して,術前化学療法は勧められるか?

推 奨
薬物療法または化学放射線療法を術前治療として行うよう弱く推奨する。

〔推奨の強さ:2,エビデンスの強さ:D〕

解 説

 局所進行胸腺癌に対しては少数例の試みではあるがいくつかの術前化学療法が行われ,良好なORRと完全切除率が報告されている16)~19)29)

 局所進行胸腺腫および胸腺癌に対する術前導入化学放射線療法の効果を前向きに検討した第Ⅱ相試験では,施行した22例中21例が術前化学療法を完遂し,17例(77%)で完全切除することができた19)。また術前化学療法としてCDDPとDTXを行った第Ⅱ相試験では完全切除率が19例中15例(79%)であった29)。これらの報告はいずれも,エビデンスの程度が低い少数例による第Ⅱ相試験や後方視的な報告であるが,比較的高いORRと完全切除率が報告されている。

 以上より,エビデンスの強さはD,また総合的評価では局所進行胸腺癌に対しては薬物療法または化学放射線療法を術前治療として行うことを弱く推奨(2で推奨)できると判断した。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。

投票者の所属委員会:胸腺腫瘍小委員会/実施年度:2022年
行うことを
強く推奨
行うことを
弱く推奨
推奨に至る根拠が
明確ではない
行わないことを
弱く推奨
行わないことを
強く推奨
19%
(3/16)
69%
(11/16)
13%
(2/16)
0% 0%
レジメン
胸腺腫・胸腺癌に対する薬物療法
レジメン名 治療薬剤 治療期間
ADOC1) アドリアシン40 mg/m2(day 1),シスプラチン50 mg/m2(day 1),ビンクリスチン0.6 mg/m2(day 2 or day 3),シクロホスファミド700 mg/m2(day 4) 3週毎
PAC2) シスプラチン50 mg/m2(day 1),ドキソルビシン50 mg/m2(day 1),シクロホスファミド500 mg/m2(day 1) 3週毎
(最大4サイクル)
VIP6) シスプラチン20 mg/m2(day 1-4),エトポシド75 mg/m2(day 1-4),イホスファミド1200 mg/m2(day 1-4) 3週毎
(最大4サイクル)
CAMP(Kim)4) シクロホスファミド700 mg/m2(day 1),シスプラチン30 mg/m2(day 1-3),ドキソルビシン20 mg/m2(day 1-3),プレドニゾロン100 mg/日(day 1-5) 3週毎
CAMP(Yokoi)5) シスプラチン20 mg/m2(day 1-4),ドキソルビシン40 mg/m2(day 1),メチルプレドニゾロン1000 mg/日(day 1-4)+500 mg/日(day 5, 6) 3~4週毎
CP7) カルボプラチン(AUC=6),パクリタキセル200 mg/m2 3週毎
(最大6サイクル)
CODE3) シスプラチン25 mg/m2(毎週),ビンクリスチン1 mg/m2(第1,2,4,6,8週),ドキソルビシン40 mg/m2+エトポシド80 mg/m2(day 1-3,第1,3,5,7,9週) 9週間
CBDCA+AMR10) カルボプラチン(AUC=4),アムルビシン(35 mg/m2,day 1-3)(二次治療以降では30 mg/m2,day 1-3) 3週毎
レンバチニブ22) レンバチニブ 24 mg/日 1日1回
S-123) S-1 80-120 mg/body,1日2回,day 1-28 6週毎

*胸腺癌に対し,効果・安全性が示されている

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