従来の推奨グレードについて

 薬物療法・集学的治療以外の項目は,従来の推奨方式に基づき,文献の検索方法や検索式,さらには文献採択の基準を記載した。そして,項目ごとに,「推奨」「エビデンス」「引用文献」の順に記載した。クリニカルクエスチョンに相当する各項目の勧告事項をその推奨グレードとともに示した。「推奨」の科学的根拠を「エビデンス」として解説した。「引用文献」では「推奨」および「エビデンス」の根拠となった文献を記載し,それぞれのエビデンスレベルをローマ数字で示した。2017年版から「放射線治療の基本事項」も,「病理・細胞診断」と同様に推奨グレードを示さないこととした。

 推奨グレードとエビデンスレベルの決定方法を表1に示す。

表1.推奨グレードとエビデンスレベルの決定方法
推奨グレード
A 強い科学的根拠があり,行うよう強く勧められる
B 科学的根拠があり,行うよう勧められる
C1 科学的根拠は十分ではないが,行うことを考慮してもよい
C2 行うよう勧められるだけの科学的根拠が明確でない
D 無効性あるいは害を示す科学的根拠があり,行わないよう勧められる
推奨グレードの決め方
1 エビデンスレベル
2 エビデンスの数の大きさと結論のばらつき
3 臨床的有効性の大きさ
4 臨床上の適用性
5 害やコストに関するエビデンス
エビデンスレベル
システマティックレビュー/ランダム化比較試験のメタアナリシス
1つ以上のランダム化比較試験
非ランダム化比較試験
コホートや症例対照研究,横断研究
症例報告
専門委員会や個人的な意見
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